神田正輝 ⇒ 老境の錯誤
神田正輝が司会の番組「朝だ生です。旅サラダ」を休んでいる件。
私は今年の4月にメンバーが入れ替わってからは観ていなかった。
元々、毎週観ていた訳ではない。
向井亜紀に替わって、新しく加入した松下奈緒に対して、神田がキツく当たっていた、というネット情報?を読んで、なおさら見る気がしなくなった。
その頃から、神田の健康に異常が表れていたのかもしれない。
病気の影響で周囲に対して、自分の立場が上の場合にキツく当たることは珍しくなく、よくある事例と言える。
疾病による体調の悪さが、苛立ちとなり言動に出る。
本人は現在、72歳。
独身である。
過去に離婚して、一人娘は一昨年、自死している。
本人は健康には自信があって、番組スタッフからの受診の依頼も断っていたという情報。
しかし、余りにも痩せて、白髪になった容姿が視聴者を含む多方面から心配されているので、再度依頼?懇願?要請?したところ、受け入れたという経緯。
たまに古いタイプの人間で、健康診断を受けない芸能人や自由業の人物がいる。
彼らは組織の人間ではないので、強制力が働かない。
勿論、ふだんから全く体に悪い箇所がないから、受けない志向になっているケースが大半だろう。
しかし、疾患は突然、個人を襲う。
予兆があるとは限らない。
つまり、昨日体調が良かったから、今日も好調で万全という保証はない。
1ミリも担保するものはない。
心不全も、脳梗塞も、大動脈解離も、膵臓がんも、結石も、喘息も、バセドー病も、何の前触れもなく、急に訪れる。
健康が常に保証されているのであれば、誰も高い料金を払って、人間ドックなど受診しない。
客観的な数値で現在の、直近の自分の状態を把握して、必要があれば治療を受ける。
単純な話である。
長生きしたい、なるべく健康な状態で生活したい、老後も元気に暮らしたい、家族に迷惑をかけたくない、など理由は人により様々だが、健康診断を受けることは常識と言えるだろう。
悪化したら、自分が苦しむだけである。
受けない人は無頼派と言えば聞こえがいいが、性格的に憶病というか、チキンハートの心理と推察する。
ネガティブ思考が高揚して、断固とした拒否反応に繋がるのだろう。
幼児性とも言えるが。
話を元に戻すと、神田の場合は今日で休みは3週連続で、暫く静養するという説明が番組冒頭にあった。
最初は検査入院が1週間という情報だった。
極めて余計なお世話だが、かなり深刻と推測できる。
そもそも、人間ドックなど半日程度の時間で済む。
それで、要精密検査となれば次の段階に進むだけである。
私も経験がある。
人は必ず死ぬ。
誰も抗えない摂理である。
地球上の無数の生物の一個体に過ぎない。
全ての生命体が例外ではない。
その現実を了解し、肯定し是認すれば、健康診断を拒絶する志向は理解しがたい。
生誕から臨終までの猶予の中で、我々は人として生きる片道切符をもらって、分からない答えを求めながら歩んでいる。
それ以上でも、以下でもない。
神田は家族がいないので、何かを残す必要もなく、自暴自棄ではないが、死んでも構わないという観念になっている訳ではないと思う。
そういうタイプの、達観諦観なのか、極限状態の主観の人間もいるが。
好きな人は脳ドックとか、個別のドックも半年に一度の頻度で受ける。
ドック側としては、超美味しいお客さんかもしれない。
殆ど当人の趣味になっている。
人の精神構造とは千差万別である。
これも多様性の極みか。
最後に一句。
『命です唯物論の分かれ道』