180万円VIPと雑感
先日、楽天イーグルスの田中将大が個人ファンクラブを設立した。
そして、限定10名で年会費180万円のVIPコースの個人会員を募集したところ、14分で完売になったという情報。
改めて日本は現在、格差拡大と二極化の様相を呈している、と感じる。
個人ファンクラブという名称だが、当然、楽天が関与している。
企画を立案して、実現させた。
担当者が「これほど早く売り切れるとは思わなかった」と語っている。
極めて不純な動機である。
これをファンサービスと捉えるか、否か。
勿論、楽天として公序良俗や法令に反しない限り、何をやっても批判を受ける筋合いはない、という発想も全否定はしないが。
単なる貧乏人の僻み、妬み、嫉みと捉えられても、特段の反論はしないが。
しかし、費用対効果としての満足度は知覚しない。
成金の匂いが漂う。
勿論、価値観は個人によって、千差万別である。
年間に180万円くらいギャンブルに使う、夜のクラブ活動に使う、書画骨董に使う、宝飾・貴金属に使う、美食に使う、海外旅行に、美容エステに使う富裕層は珍しくはないだろう。
しかし、上記の趣味嗜好や道楽とは微妙に異なるベクトルを感じる。
田中自身も大リーグの生活を続けて、たぶん、累計で300億円くらいの報酬を得て、資産も蓄えて、金銭感覚も麻痺している部分があると推量できる。
まだ、無人島を、プライベートビーチを、プライベートジェットを、超大型クルーザーを購入した、という情報の方が好感が持てると言える。
ファン層に分断を持ち込む行為という指摘もできる。
反発、反感を抱く楽天ファンもいるに違いない。
違和感を覚えるファンは少なくないだろう。
つまり、逆に全体像として夢がない。
逆にスケールが小さいと感じる。
先日、複数の芸能人が日本赤十字社、国立国際医療研究センターなどに対して、多額の寄付を行ったことを顕彰して、紺綬褒章を受けている。
日本はアメリカと異なり、ドネーションの文化はかなり弱い。
例えば、ビル・ゲイツは過去に桁違いの寄付を行っている。
勿論、税制としての優遇措置も背景にはあるが。
勿論、著名人が虚栄で行うものとして推奨はしないが。
松井秀喜は東日本大震災の当時、5千万円の私財を寄付している。
それ以降の大規模災害にも彼は寄付をしているようだ。
それが彼の、引退後の現在も続く、長い米国生活で触発?影響されたアイデンティティなのかもしれない。
ネイティブピープルだけが、その国特有の思考回路や行動原理を体現する訳ではない。
話が少し脱線したかもしれないが、今回の田中の異例のアイデア。
予定調和ではなく、マンネリではなく、凡庸を嫌う点では評価できるが。
それと同列の心象を受ける。
資本主義には永遠に付きまとうテーマかもしれないが。
「差別化」というキーワードは商戦では相応しいが、拙いケースもある。
怠慢と思える。
ネガティブなニュースは二次的に追跡せず、ニュースソースの垂れ流しはマスコミの専売特許だが。
継続的に、恒常的に追求する命題と言える。