・・・・・「57、・・・・・【破産で転校していく友だちが、クラスに必ず1人はいた。】・・・・・→→→★私は子供の頃、大阪で過ごしました。私が通っていた大阪の小学校では、生徒が転校していく理由は、たいてい家の破産でした。東京では、親の転勤が理由で転校しますが、大阪では、家の破産で転校するというのが珍しいことではありませんでした。子供同士でも、{ああ、あの家は破産になったんだ}と、みんなわかっていました。クラスの中に破産で転校する子がいたから、知らず知らずのあいだに、私のマネー感覚が磨かれえたのです。大阪の私の実家のまわりでは、商売をやっている家の子がほとんどです。そういう小さな会社は、手形が切れずに1日支払いが遅れえただけで、倒産します。コンピュータの時節になっても、机の上から銀行の伝票がたった1枚、下にポロっと落ちたことに気づかなかっただけで、1つの会社が簡単に倒産してしまうのです。どの家も自転車操業ですから、ギリギリの期日より前に余裕を持ちえて支払うことはありえません。そうやって1社が倒産すると、その会社からの支払いを受けて、自分たちの支払いをしている会社が10社も20社も連鎖倒産します。だから、クラスに破産で転校していく子供がいても、何もおかしくありませんでした。私のクラスに、おそば屋さんの家の子がいました。そのおそば屋さんは、結構儲かっていました。ある時、借り入れを抱えて、そのおそば屋さんに{助けていただきたい}と言って来た人がいました。普通なら{いくら貸してほしい?}と聞いて、キャッシュで渡します。ところが、おそば屋さんの主人はいいカッコをして、{好きな額を記せ}と言ってカラの手形を渡し、相手に額を記させたのです。東京では、そういう時に、相手の持ちえている全財産を記す人なんかいません。ところが、大阪では平気で全額記してしまうということがあるのです。その時も、全額記され、その大きなおそば屋さんは店をすべて取られえてしまったのです。これは詐欺でもなんでもありません。本人が手形を出して、{いくらでも記せ}と言ったために、{いくらでもいいんですね}と言われえて、全財産記されえてしまっただけのことです。その一家は、はやっていた店をたたんで、別の土地へ引っ越していきました。そういう姿を横で見ていると、{マネー感覚がないことは罪悪だ}とわかってくるのです。・・・・・→[おカネで苦労しないために(57)]・・・・・→《破産した友だちの話を聞こう。》」・・・・・つづく・・・・・→→→