・・・・・「6、昨日初めて彼に紹介されえる直前、ジェムは姉から四歳も年下の大学生と親密に交際していると告白されえて驚いてしまった。クリスティーンが恋をするとすれば、相手ははるかに年上の男性だろうとばかり思えていたからだ。しかし実際のマークに会ってみると、彼の優しそうな人柄に一目で好感が持ちえたし、何よりも、心から愛し合っているらしい姉とマークの様子を見てほのぼのとした気持になってしまった。{午後の授業はないの?}。間をとるためにジェムが明るくたずねると、マークはおどけたしかめ面をして、うめくように言った。{本当は試験前の大切な講義があるんだけど、クリスタベーラに会うことのほうがはるかに大切だからエスケープして来たんだ。お願いだから彼女には黙っててくれよ。でないと.........}。マークは不意に話をやめて、うっとりとした顔で戸口を見上げた。白いパンタロンスーツを優雅に着こなしたクリスティーンが静かな微笑をたたえて戸口にたたずんでいる。{ダーリン.........}。マークはかすれえた声でつぶやきながら駆け寄り、愛する相手を抱き締めてキスをした。彼は明らかに唇をねらっていたようなのにクリスティーンは頭を背けてキスを頬で受け、そのまま体を離してしまった。{どうしたのかい?}。やや不満げなマークの顔から、ジェムは急いで目をそらした。自分さえいなければ姉も余計な気を遣わずにすんだのにと思うと、申し訳ないような気持だった。」・・・・・つづく・・・・・→→→