今日はちょっとマニアックな電車のブレーキの仕組みのお話しをさせて頂きます。
電車ってどうやってブレーキをかけてるか疑問に思いませんか?
車や自転車などは、ブレーキをかける時にタイヤにブレーキパッドを当ててタイヤの回転を摩擦の力で抑えて前に進んで行く力を抑えてやがて停止するのが一般的です。
電車もほぼ同じ感じなのですが、ブレーキをずっとパッドの力で停めているとパッドが擦り減ってやがて劣化して行きすぐに取替え時期が来てしまいますよね?
ましては電車は長大編成のものもあります。ブレーキパッドが台車一つに4つ、1両に台車は2つ付いているので8つ、これが10両にもなると80個もある訳ですが、これを毎回替えていたらとてもじゃ無い経費と手間になりますよね?
(昔の車両では台車1つに8つ付いた両抱きブレーキの車両もありました)
このブレーキを踏面ブレーキ(とうめんブレーキ)と呼んでいます。
(その他にディスクブレーキとユニットブレーキがある)
さて電車には電気ブレーキと言う物があります。これは、電動機(モーター)と発電機は同一機器ですが電気を流すと電動機となり、逆へ力を加えて回転をさせると発電機へとなります この性質を利用し、モーターを発電機として機能させると、発電によって回転力が低下し、ブレーキ力を得ることができます。
これが電気ブレーキの仕組みです。
電気ブレーキには大きく分けて二つの仕組みがあるのは分かりますか?
鉄道ファンの方なら簡単に分かりますが、電気ブレーキ車と回生ブレーキ車と言う、電車には大きく二つのブレーキを持つ車が存在してます。
まず電気ブレーキ車から説明します。
本当は決め細かい説明をすべきですが、誰にも分かり安く簡単に説明させて頂きますので、ファンの方は悪しからずお願いいたします。
電気ブレーキ車はブレーキをかけた時に発生するパワーをブレーキ力以外に放出する事が必要になります。
このパワーはいわゆる熱エネルギーこれを電車の床下から抵抗器を介して熱として放出します。電車の床下から暑い熱気を感じた事ありませんか?
それがこの電気ブレーキを使用した時に発生する放出エネルギーなのです。
これが電車による電気ブレーキの始まりでこの世代の車は高性能車と呼ばれる世代の電車です。
この世代の車は現在ではだいぶ引退をしてしまいました。
そして、もう一つは回生ブレーキ車です。
回生ブレーキと言う画期的なブレーキが開発されて今日の電車には必ずこの機能が付いています。
ブレーキも電気ブレーキ車である事に代わりありません。
さて何が違うかと言うと、電気ブレーキのエネルギー放出は熱で逃していましたが、これってこの熱エネルギー勿体無いと思いませんか?(環境にも良く無いですよね?)
その昔はこの熱を暖房の代わりに使っていた車両もありましたが冬だけしか効率良く無いですよね?
夏場に熱を放出をすると、地下鉄やトンネルが熱で温度上昇したらたまったもんでは無いです。
ところで、放出する熱エネルギーを電気として元の架線に返せたらとても経済的ですよね?
いわゆるブレーキエネルギーを電気として戻し、他の電車が使うという効率の良いブレーキになっているのです。
(暖房だけでなく、架線に電気を返せば車載のクーラーの電力もそこから使えるからさらに経済的)
しかし良い事ばかりでは無いのです、電気を返しても使う電車が周りにいないと電気が余ってしまいますよね?
電気の力いわゆる電圧が上り過ぎるとこのブレーキは力を弱めてしまい、限界値を超えると勝手にブレーキが切れてしまうと言うデメリットがあるのです。
変電所設備がしっかりしている大手会社であれば良いですが、地方鉄道では変電所がここまでの設備が無いことが大半で地方私鉄では回生ブレーキを使用しない会社も存在します。
しかし最近では、この両方の機能を合わせ持つ車両も電車本数の少ないJRの線区(中央西線の塩尻〜中津川間の313系など)では使用されています(電圧が上り過ぎたら自動的に熱を放出する機能に変換する)
この回生ブレーキですが開発当初は、ブレーキ力の低下及び電圧上昇による失効が問題でもあり、ブレーキ作用範囲が狭く高速で空制ブレーキに切替わる(ブレーキパッドで停める方式)のが問題でしたが、現在では技術の発展によりブレーキ力が低下しても補足でブレーキをブレーキパッドで行ったり、その他に停止直前まで回生ブレーキの使用が可能になりました。
(三菱制純電気ブレーキ、日立制全電気ブレーキ、東芝制オール電気ブレーキ)
これによってブレーキパッドの摩耗を減らす事が出来て車両メンテナンスが大幅にコストカット出来た訳であるのです。
しかし、この電気ブレーキ機能はモーターの付いた車両でしか使う事ができません、いわゆるモハやデハなどモーター車限定になります。
さてその他の付随車とよばれるトレーラー車(モーターの無い車両)サハやクハは踏面ブレーキ(とうめんブレーキ)またはディスクブレーキを使ってブレーキを掛けてます。
基本はディスクブレーキが大半です(電装解除車を、除くモハ.デハ→サハなど)ディスクブレーキを使う理由は高速で踏面ブレーキではブレーキパッドでは強く車輪を押さえつけると摩耗が激しくなります。
ディスクブレーキなら車輪の横から押さえ付けるので広い面積で摩耗する力(摩耗が少ない)が分散されるからです。
しかしデメリットもあります、雨の日など車輪がレール上で滑走路すると車輪に相当な負荷がかかり運が悪いと車輪がヘッコンでしまいフラット(電車の車輪からドッドと音がする)が発生します。
会社によっては、ディスクブレーキであったり、踏面ブレーキのブレーキパッド方式もあればユニットブレーキを採用するなど様々なので一概にこれとはないのが現状です。
その理由は各会社によって部品の共通化やメンテナンスの効率を考えて導入してます。
電車の技術の日々変化により運転してるわたし達もとても扱いやすくなりました。
しかし、鉄道の車両性能の変化とともにメリットもあればデメリットも沢山で別な問題が発生して来ています。
その話は今後の電車の車両進化についてお話しをして行きたいと思います。
今回は電車のブレーキについてお話をさせて頂きました。