先生は話し始めた。



『赤ちゃんの心臓に問題があります。本来右と左にお部屋がある心臓ですが、右側しかありません。出産後手術なしでは生きられないでしょう。』




……左側が無いのね。
それって生きていけるん?
ここまで元気に育ってたんじゃないの?
今だって元気に動いてるよ?



『すぐに循環器専門の病院へ行ってください』



他にも羊水が多い、食道が繋がっていない
可能性があるなど心臓以外の事も指摘された。
その時は意外と冷静だった。
私がしっかり説明聞いておかないと、
家族に説明できないと思ったから。





診察室から出て、呆然としながら、
ひとまず家で子守りをしてくれている母と、
仕事中の主人にLINEを入れる。




それから再び紹介状などの準備で待たされた。
先生は、詳しい検査をしないと
診断がつけられないとの事で、
病名の告知はなかった。





その間に携帯で検索魔。
恐らく、この病名であろうというのはわかった。内容を見て、少しずつ病気の重症さがわかってきた。




明日、循環器専門の病院へ行く事となった。






今日の検診は母の車を借りて来院していたが、
母も主人も一人で運転させられないと
心配してくれ、迎えに来てくれた。





一刻も早く帰りたかった。
早く、普通の生活に戻して欲しかった。
家に帰ったら、何か戻れるかもしれないとか
訳も分からない気持ちになっていた。





帰り道、私はチャイルドシートの左側に座った。
息子の顔を見て、手を握った瞬間に泣いてしまった。息子は何も言わず、いつも左の親指を吸っているのに、その時は右の親指を吸いながら、左手はずっと私の手を握ってくれていた。
まだ1歳なのに、何かを感じ取ってくれているんだね…ごめん、心配かけて。





我が家に帰宅。数時間前は何事もなかったよね、3人で公園行って、呑気に遊んでたよね。





長い夢やったらいいのに…





母は私が大好きなおでんを
作ってきてくれていたので、
それを温めてくれていた。
でもその時は、いつも通り息子と遊びたくて
何かいつもと同じ事をしておかないと
落ち着かなくて、後でご飯食べるねと、
主人だけ食べててもらった。



主人と息子がお風呂を入り終わるまでに、
今日のことを淡々と説明。


もし明日から私が入院となると(赤ちゃんの為に安静を強いられるかも)、息子を実家に預かってもらわないといけない。迫り来る明日に向けての対策をとりあえず話し合った。




病気のことは、誰もが現実を受け止められず、この件に関しては何を話せばいいかもわからなかった。




母を見送り、息子が寝た後、
母のおでんを食べた途端に涙が出てきた。
心配掛けたくないの一心で必死に堪えてたから。



主人と今日の健診の詳細を話した。



とにかく明日、専門病院で
見てもらわないと分からない。
その日は途方もない事を考えながら、
眠りについた。
生きている心地がしなかった。



次に続く…