奇妙な二眼レフの謎② | 四畳半カメラ大系

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4.メーカーはどこなのか?

 

ローターフレックスは戦中に発売されただけで戦後登場した記録は無い。だが同名の戦後と思われる二眼レフが目の前にある。



ここで考えられるのは

 

①実はローターフレックスは戦後も作られた

 

②別会社が作った同名のカメラ

 

の2択だろうか?

 

謎のローターフレックスは戦中のローターフレックスと似ても似つかない。

 

 

そういった意味では両者は何の関係も無い、単に名前が被っただけのカメラにも見える。加えて広告や資料にも記録が無いためその正体は分からない。レンズ銘も同名のカメラは存在しないので正直お手上げ……

 

と思ったがここで似たような二眼レフを思い出した。

 

そうだ、「QueenFlex(クイーンフレックス)」だ!女王を冠した、国産二眼レフA〜ZのアルファベットQで唯一のクイーンフレックス。この機種は二種類あり、

 

クイーンフレックス

レンズ:Yoshinone Anastigmat 80mmF3.5

シャッター:QUEEN(B.1~1/200)ダルマ型

フィルム巻上:自動巻止式

価格:\19500

発売年:1958年

 

クイーンフレックスJ型

レンズ:Tri-Lausar Anastigmat 80mmF3.5

シャッター:NKSまたはI.J.K(B.1~1/200)

フィルム巻上:赤窓番号式

価格:\15500

発売年:1959年

 

がある。ただ中古市場にあるクイーンフレックスは私の知らないタイプが複数いるのでもう少しバリエーションはあるようだ。

 

S.LUNA搭載のJ型

 

スナップボタンは無いが飾り板やノブの部品、段のついた銘板の形状が似ている。そう考えると製造元が関係していると仮定できないだろうか。

 

製造元は「長谷川光機」

 

長谷川光機は東京都足立区千住緑町に拠点を置き、クイーンフレックスの他に「ChesterFlex(チェスターフレックス)」の2種類の二眼レフを製造している。工場は敷地200坪、建物100坪で従業員20名と中小企業らしいカメラメーカー。

 

尚、大判カメラやハセミフレックスで知られる長谷川製作所は一切関係ない。

 

5.長谷川光機

 

このメーカーは創立が昭和28年6月と戦後の出発。クイーンフレックスはスーパー写真用品が、チェスターフレックスは塚田商事が販売と2つの会社に卸していた模様である。なので長谷川光機の事業はこの2機種のみとなっている。

 

…ローターフレックスは確認できない。

 

むむむ?そう考えると長谷川光機の線は消える。やはり2択目の同名なだけのカメラなのか?


他に可能性のあるメーカーが居ないためこのままでは調査が暗礁に乗り上げてしまう。そこで調査を戦後ではなく戦中のオリジナルのローターフレックスに目を向けてみることにした。

 

そういえば昔、戦時中にとあるカメラを買ったことを思いだした。棚を探してみると…

 

あった!

 

 

アウラ様と一緒に買ったんだったね。

 

③に続く