2013年8月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1579ページ
ナイス数:167ナイス

凍りのくじら (講談社文庫)








凍りのくじら (講談社文庫)感想
申し訳ない。
辻村さん、舐めていました。
登場時点で別所の正体に察しがついてしまい、なんか展開読めるな…とか思っていたのですが。
まさかここまでいい作品だとは思いませんでした。
誰かの心を救うのはきらきらと輝く光であり、誰かの生活に潤いを与えるのは穏やかに揺れる波なのでしょう。
それらは普段人の雑踏の中に隠れてしまっていて、必死に助けを求める人にだけ気づくことができる。
人は日々、他人を見下してしまいがちだけれど、そうしている間は決して救われない。
泣き所は沢山あったけれど、一番心にきたのは母親からのメッセージでした。
読了日:8月27日 著者:辻村深月



囮物語 (講談社BOX)








囮物語 (講談社BOX)
読了日:8月23日 著者:西尾維新




クドリャフカの順番 (角川文庫)








クドリャフカの順番 (角川文庫)感想
人は人に“期待”する。
それは、相手を認めている証。
でも、ときにそれは及ばぬ自分自身への不甲斐なさから生まれる感情でもある。
期待しているから"裏切られた"と感じるのであり、そう考えると裏切られたと人を憎むのはちょっと違う気もする。
仕方ない。
人間だから。
人の感情は複雑だ。
今回は、学園祭(カンヤ祭)。
響きがなんとも懐かしい。
いいな、学生。
ちょっと戻りたくなる。
読了日:8月23日 著者:米澤穂信



未来いそっぷ (新潮文庫)








未来いそっぷ (新潮文庫)感想
散りばめられた物語達。
それらは愉快で、少しひねくれている。
印象深かったのは『やさしい人柄』。
囚人達が改心しゆくさまを読みつつ、先に広がる結末に期待を寄せた。
この短い物語の不思議な結末を読み終えた時、次々と現れる新しい囚人達の気持ち悪さが胸にひっかかりつつも、所長の本当のやさしさに感心した。
“やさしさ”というのはただ甘やかすのとは違う。
表面上、優しく接するだけの行為とは違う。
相手のことを想いつつも、時に心を鬼にして接することが本当の“やさしさ”。
きっと、そうなのだろう。
読了日:8月6日 著者:星新一

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