「しょんべん横丁」
たぶん、その名の方が風土と地理を語っている。
狭い通りに、一列のカウンターで精いっぱいの店が押し合いながら隣接している。
昼間っから開いてる店もあるがたいていシャッターがしまってる。
今はラーメン屋か定食屋。
新宿の西口を線路沿いに、
昭和を背負って引きずりながら、たくましく慎ましく躍動する、生活臭い呑み屋街。
「思い出横丁」というより
「しょんべん、横町」だ。
送電線を張り巡らせた狭い通りの細長い空。
トタン屋根へ伸びたダクトの煙突が、息継ぎをするように顔を出す。
焼鳥屋が多い。
久しぶりに「つるかめ」にいきたくなった。定食屋だ。
「ソイ丼」という、挽き肉と煮大豆をタマネギと鶏ガラのダシであえた奇怪なドンブリご飯。
何故かたまに、カレーの味がすることがあった。
あとバカでもアホでも
「フラメンキン」だ。
円筒形の揚げ物にキャベツの千切りと和カラシ。ソースをかけて食べるのだが、
ざっくり切られたフライからニンニクの臭いがくる。
ベーコンいや薄い豚バラをロールしたガサツな天ぷらだ。
すり込まれたニンニクの肉汁をウスターソースと和カラシをつけてカリカリ食べる。
20代の頃演劇の先輩に連れて行ってもらって、
その日観た芝居のことや、これからの事を話した。
「原発だろ~悪りィのは!」
昼間っから酒を呑んでるオヤジが大声を出している。
昔っから社会派な発言が多いのだけは変わらない。
このあたりが
「つるかめ」なのだが見つからない。昼間で店がしまっているせいもあるが、
迷ってしまった
ような記憶の混沌と混乱のシャッターの路地だ。
「納豆オムレツを」
先輩が「つるかめ」で頼んだ。
「メニューに書いてないんだよ」その行為が、なんと大人のような感じがした。
ゆるい日本語の店員の受け答え、韓国の人だった。
しかし、表の看板の地図にはのっていたのだが
見つからない。
黄色トタンの壁があって工事中の真新しい仮小屋で、店は、やってないようだ。
たぶん、ここだ。
改装中だろうか、つぶれたのだろうか。
「ソイ丼、フラメンキン」
あの頃を思い出したかったんだなと思う。
始めたばかりの演劇と今、ここと。
奥のラーメン屋に行ってみようとする。少し明るい店になっていた。
「あの店員、オカマなんだぜ」仲間といった薄暗いラーメン屋。
いつの間にか、思い出している。
やはり、ここは
「思い出横丁」なのだ。
抜けて大通りにでた。
劇場まで、時間がある。
「swat!八犬伝」無事公演終了しました。
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