漂の字 談じます。
私の生まれは10月。天秤座の生まれである。
そして割と占いが好き。
朝の情報番組の占いなんかも結構しっかりチェックする。
ある日の朝・・・というかもう4月3日ってバレバレなんですが、軒並み12位に位置する最悪の日を迎えた。
とは言え、これらをチェックするのは朝の身支度を整え、急ぎ出勤する慌ただしい時間帯。目にしておきながらも特に意識はしていなかった。
そんなに当たるものだとは思っていないし。
でもそんなことないんだ。当たるんだ。
それを実感したのがこの日である。
下り電車でシートに座り、気怠そうにスマホを眺めているうちに最寄り駅到着、会社へ向かう。
出社して上履きに履き替えようとしたとき、そう、靴箱に履いてきた靴をしまおうとしたこの時に初めて気が付いた。
左右の靴が違う。
何やってんだ。
あるか普通?
なぜ気づかない。
気づいた直後に履き替えに帰りたかった。
当然そうもいかなかったが。
しかもこういう日に限って、来客対応(応接室では外履きでないと行けない)や、工場内対応、屋外作業が多い日だった。
表に出たくない。
だが出なければ仕事にならない。
先手を打って何人かに打ち明けてみる。
「何やってんの?」
「ふつう気づくよね」
「信じられない」
「ありえないんだけど」
どいつもこいつも美味しく調理してくれず、冷ややかな対応である。
ここはいじって突っ込んで、笑いに変えるところだろう。
頼むよ。呆れないでくれよ。
冷静に「もっと朝、時間に余裕を持って出て来て下さい」なんて
ド正論を言っちゃだめだ。
俺、泣きそう。
この日は事務所内で、室内履きでいるときも足元がどこか落ち着かなかった。退勤時、日も落ちて暗くなった外では誰も見ていないとわかっていながらも、人目に触れたくなくてバスを使わず駅まで歩いて行こうとした。しかしそんな私をあざ笑うかのように、この日に限って寒風吹きすさぶ土砂降りと重なる。やむなくバスに乗る。
嗚呼、この日ほどバスの中が明るいことを恨めしく思ったことはない。
駅前の喫茶店で勉強していくつもりだったが、こんな状態では頭に入ろうはずもなく、まっすぐに帰りました。
しかもこの靴の左右履き違い、たぶん2度目。人生で。
やっぱりこの日の運勢は12位で正解だ。
漂の字 これに反して「やっぱり俺今日、1位だわ」なんていう日が近いうちに来てくれないとやってらんないよね。