ツーリングではかなり使われるようになったターボブースト。
ただこれに関しては嫌っている方々も多いと思います。
ターボブースト黎明時の頃は、これによるモーターブローが頻繁しました。
1万円以上するブラシレスモーターがあっという間にブローです。
しかも当時はブローさせるとESCもダメになりました。
ちょっとした設定ミスで3万円が消えます。
これを繰り返すと、さすがに嫌になります。
そんな背景もあって、ショップやサーキット側もターボブーストには慎重な姿勢を見せる所も多いです。
『ターボブーストは詳しい人に聞いて』
と対応するショップも珍しくないです。
ターボブーストの全てを説明するとなると、膨大な量の文章になります。
そこで何回かに分けて、私個人的なターボブーストの設定や使い方を説明して行きたいと思います。

まずターボブーストを使うカテゴリーですが、結構多岐に渡ります。
JMRCAスポーツツーリングは17.5フルブースト、オープンツーリングも13.5フルブーストです。
さらにモディファイドツーリングでも現在はターボブーストを使っています。
他にはEPオフロードのモディファイドやRCドリフトでもターボブーストは使います。
ターボブーストを使うに当たって怖いのは、やはりブローです。
モーターブローはモーターに過度の負荷が掛かると発生します。
ターボブーストはモーターにその過度の負荷が掛かります。
そのような負荷を掛けてもブローしない設定が必要になり、そしてその設定を詳しく知らない方々が多いです。
今回は主に使われるツーリング13.5や17.5に関して説明します。
このようなツーリングの場合はフルブーストになります。
フルブーストとはブーストとターボの合算値がESCの最大値になることを指します。
合算値はESCによって異なりますが、大体60度から64度になります。
そのような設定でブローさせないためのポイントがふたつあります。
ひとつがギヤ比です。
適正ギヤ比から外れた状態でフルブーストを掛けるとブローになります。
高すぎても低すぎてもダメです。
最近の傾向で要注意なのは低すぎです。
現行ESCの場合、ターボブーストで過度の負荷が掛かるとフェイルセーフが働いて自動的にゼロタイミングに切り替わるものが増えています。
これはギヤ比が高すぎ、つまりピニオンが大きすぎの状況で発生します。
つまりギヤ比高すぎの場合はフェイルセーフが働いてターボブーストがカットされるので安心とも言えます。
ただレース中にターボブーストがカットされては意味がないので、カットされないギヤ比にする必要があります。
この適正ギヤ比は13.5、17.5共に共通で6.6程度が目安になります。
この辺りのギヤ比から始めれば大丈夫だと思います。
あとはコースに合わせてギヤ比を調整します。
以前はギヤ比が低すぎ、つまりピニオン小さすぎでもオーバーレブでブローしました。
ただ最近のモーターはブローしにくくなっているので、低いギヤ比でも耐えます。
ギヤ比を低くする目安は7.3くらいまでになります。
ギヤ比が8を超える設定になると、オーバーレブでブローの可能性が高まります。
この辺りの範囲内で微調整を繰り返すと、美味しいポイントを見つけやすいです。
その2はモーター進角です。
ターボブーストはESC側の電子進角ですが、レース用モーターはモーター側でも機械的な進角が付けられます。
フルブーストの場合は、この機械進角は固定にします。
最近のモーターが箱出し状態で20度くらい、最大値で50度を超える進角が可能です。
つまりフルブースト64度に機械進角20度だと84度の進角が付くことになります。
ここで更なるパワー求めてモーター側の進角を30度に増やすと合算94度になり、負荷が一気に高まります。
ターボブーストを使うのであれば、モーター側は20度で固定してモーター側の進角調整は控えたほうがいいです。
そこで調整するなら、完全に自己責任になります。

その2に続く