※注意!!※
・これは完全なる俺の自己満足作品です。本当に暇で暇で仕方がなく読んでやっても良いんだぜ?と思う方だけ読んでいただければーーーーーああ。
・設定に多数の厨二設定が含まれております。
・モンスターハンターの公式設定をかなり無視しております。


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登場人物紹介
NAME:タロ
HR:2
主な使用武器:ランス、ガンス

tkp0513さんのブログ

備考:三年前以前の記憶が無い。これから村クエ最終の「モンスターハンター」に挑もうとしている。




「どういう事だ!?貴様、もう一度言ってみろ!!」
大闘技場に設置されているハンター用の控え室が並ぶ施設の一番奥。
いかにも身分の高い者しか使う事の許されないような特別な控え室からその怒声が聞こえた。
その控え室にいるのは真紅の鎧を着た男と、ガーディアンスーツに身を包んだ男が二人。
先ほどの怒声はこの真紅の鎧、カイザーX一式に身を包んだ男が発したものだった。
「はっ。どうやらガルダ様の前にもう一人、今回ここでクエストを行う者がいるとの事で、ガルダ様にはもう少々お待ちいただきたく、お願いに参りました!!」
ガーディアンスーツに身を包んだ男が、敬礼の姿勢を崩すことなくそう言う。ピシッと姿勢を正して微動だにせず立っているが、その体はよく見ると小刻みに震えていた。
「私はそんな話聞いていないぞ!!今回の今日の『儀式』は神聖なモノのはずだ。なぜ、私が戦う前に誰かがあの闘技場に入るというのか!!いや、そもそも今日の主役であるはずの私を待たせて一つクエストを行うだと…!?」
ガルダと呼ばれた男はそう叫ぶと目の前で震えている男を見る。
「この事はミルザ叔父様…いや、ミルザ国王は存じているのか?」
ガルダが目の前にいる男に聞いた。
「はっ。この件に関しましては国王自らのご提案という事でございます。」
震えながら男はガルダの質問に答える。
「国王自ら…だと?どういう事だ…?おい貴様、私の前にクエストを行う者の資料を寄こせ。」
国王自ら、今日の『儀式』に「割り込み」を入れたことにガルダは少し動揺した。
そう言ってその男に向かって手を差し出す。
今回の『儀式』…国王は何かしら気づいているとでも言うのだろうか…。
目の前で震えていた男は、敬礼していた腕とは逆に持っていた資料をガルダに渡すと再び直立して敬礼の姿勢を取る。
ガルダは男から資料を受け取ると、ざっとそこに書かれている内容に目を通した。
そして一通り目を通してその資料から目を離すと、ガルダは何がおかしいのか急に笑い始める。
「フフ…ハハハッ。これは明らかな『前座』ではないか。HR2だと?それでモンスターハンターか。叔父さ…国王もそんな気を使わなくても良いというのに…ハハハッ。」
どことなくホッとしたように顔を緩めると、ガルダはまたその資料に目を通し始めた。
しかし何も「モンスターハンター」というクエストなど使わなくてもよかろうに…。
やはり『儀式』の「伝統」になごりを含ませないと面目が立たぬとでも考えたのだろうか。
そう思いながらガルダは資料を読んでいく。
実の所、この時点でガルダの考えが浅はかであった事は事実であるが、そう考えた当の本人は深く考えることもなく、その資料を読み進めていく。
特に疑う余地もなくこれは『前座』か…。
資料も最後の方になり、ガルダは最後の備考の所を読み飛ばそうとしたが、そこに書かれている一文に目を見開いた。
「契約受諾者が…ポッケ村のネコート…だと。」
ガルダがそう呟くと、読み飛ばそうとした備考の欄を一から読み直し始める。

備考:尚この契約受諾者はポッケ村のネコート。タロは現在ポッケ村の専属ハンターとしてポッケ村に在中。専属ハンター用の家を住み家として、前ポッケ村専属のハンターと共に同居中。

ガルダはこの一文を読み終えると、心辺りのあった事を目の前の男に聞いた。
「おい貴様。この資料の備考の欄に書かれている『前ポッケ村の専属ハンター』とは誰か教えろ。」
この備考の欄を読んでガルダは急に不機嫌な顔になった。
そんな顔を見た男はますます体を震わせる。
「はっ。前ポッケ村の専属ハンターは「ポッケの英雄」と名高いリオ・アズベルであります。」
その名前を聞いた途端、ガルダの顔が余計に引き攣った。
「リオと…同居だと…?」
ガルダはそう呟くと、その資料を地面に叩きつける。

そんなガルダの行為に、目の前にいた男は思わず悲鳴を上げた。




この国に数か所ある闘技場の中でも最大の収容人数とその大きさを誇る「大闘技場」。
国家行事も行われるその大闘技場には「謁見の間」がある。
その謁見の間にある中央の巨大な椅子に一人、初老の男が座っていた。
そしてその初老の男の横に背筋をビシッと伸ばして直立不動の姿勢で微動だにしない男が一人、傍らに立っている。
初老の男が手元にある資料から目を離さずに、傍らに立っている男に話しかけた。
「ポッケ村のネコートから届いた言伝…やはりこの男は三年前の『彼』か…。」
初老の男はその資料にくまなく目を通している。
「はっ。どうやらそのようであります。何分三年前のあの『件』においては極秘裏に進められていたため、本人照合の決定的な資料が無いので確証はありませんが…。」
傍らにいた男が初老の男の問いに答えた。
「生きていたとはな…。ネコートも人が悪い。」
そう言うと初老の男は微笑む。
そんな初老の男を見て、傍らにいた男は初老の男に話しかけた。
「失礼ながら国王陛下。一つ質問させていただいてよろしいでしょうか?」
「何かね。アルト隊長。」
国王と呼ばれたその男は、相変わらず手元の資料に目を通している。
その資料のページには「タロ」という名前が書かれていた。
「私は例の…三年前の『件』について関っておりませんでしたので、『彼』が本人であるという確信がありません。本当に今日の…ガルダ様の『儀式』の前にこのクエストを行ってよろしかったのでしょうか…。」
アルトと呼ばれた男は、視線を国王の方に向けるとそう聞いた。
「ネコートが本人だと言っているのだからそうなのだろう。…しかし、このタイミングで現れるか…。もはや運命なのかもしれんな…。」
そう呟いて国王は手元の資料を見続ける。
「タロ」か。この名の響き、実に三年ぶりだな…。
「そうかアルトは三年前の例の『件』には関っていなかったな。では三年前の「タロ」を見てはおらんのか。」
そう言うと国王は資料から顔を上げてアルトを見る。
「その時、私はガルダ様と雪山の方に行ってましたので「タロ」には会う事もなく…。」
国王が顔を上げるのを見ていたアルトは、国王と目が合うと頭を下げた。
「今は二人だけだ。一々頭なんぞ下げんで良い。」
国王はアルトの従順な態度に笑いながら言う。
「そうか。その時アルトには『崩竜』討伐の命を与えていたな。」
「はっ。ですがやはりネコートの「選んだ者」により、我々の出る幕もありませんでしたが。」
そう言ってアルトは思い出したように笑う。
「例の『件』もそうだが、我々はネコートに頭が上がらんな。国家も猫一匹に劣る…か。」
国王はアルトの笑いにつられるようにそう言って笑った。
「ガルダの件に関しては全然構わん。今回…我々の方では有力な候補が無かったからな…。弟の顔を立てて組んだだけの『儀式』だ。そんな面子のためにこれから来る『災い』を放棄する事はできんよ。」
国王が先ほどのアルトの問いに答えると、また手元にある資料に目を映す。
「ですが上位装備でこの『儀式』のクエストに挑むとは…。私にはとても成し遂げられるとは思えません。仮に成し遂げたとして、そんな前人未到な事 をやった後にガルダ様の『儀式』では、完全にガルダ様始め弟君にあらせられるミスト様のお顔を潰す事になります。今回の『タロ』の件は後日改めて行う方が 得策かと思いますが。」
アルトは国王の手元にある資料に目をやりながら、自分の思う事を語った。
そんなアルトの意見に国王は溜息をつくと、
「お前の立場ではそう言うのが正しいな。…だが、ミストには悪いが今回の『災い』、止められる可能性があるとすれば間違いなくタロの方だ。あのク エストを上位装備でこなせるのなら尚の事だろう。先ほども言ったが、ミストの面子のためにこれから来る『災い』を放棄することはできん。今回ヘタに『勇 者』としてガルダを選び、ミスト直属の部隊を持って『災い』に対抗しようとしてもそれを止めることはできんだろうよ。…こうしてこのタイミングで現れた 『タロ』、我々にとっては本来願ってもない事なのだよ。」
と、国王は視線を資料から離すことなく言う。
「しかしミスト様率いる直属部隊はわが国でも最精鋭がそろっております。とてもタロ一人がその精鋭に勝てるとは思えませんが…。」
アルトがさらに思う事を口にすると、国王はアルトに視線を向ける。
「お主の憂いは解っているつもりだ。ワシとミストの仲を気にしてくれるのは嬉しいがそれ以上に今回の件は重いのだ。アルトを含めミストも今回の『災い』、どうにも勘違いをしている。いや…三年前の『件』を知らないだけのことだ。…『崩竜』の比ではないのだよ。」
そう語る国王の声色に重さがかかっている。
そんな声を聞いたアルトは、
「出過ぎた事を申し上げました。大変申し訳ありません…。」
と、サッと頭を下げた。
「別に良いさ。お主のワシを想う気持ち、嬉しく思う。」
そう言って国王は微笑むと、手元に開いていた資料を閉じた。
「所で、この資料はガルダにも回っているのかね?」
そう言って国王はアルトを見ると、アルトはその質問の意図を察しきれず、首を傾げながら答えた。
「はい。その資料はガルダ様始め主要来賓の方々全てにお配りしましたが…。」
アルトがキョトンとした顔をしていると、
「はは、そうか。では警護の者にこう命じてくれ。『ガルダとタロの面会を一切禁ずる』と。」
国王がそう言って笑った。
アルトが未だその命令の真意を掴みかけていると、
「本音を言えば、是非『ポッケの英雄』を我が王家に迎え入れたいものだがな。だがワシもネコートと同意見なのだ。もう今回の『件』で、あの二人にはゆっくりしてもらいたいのだよ…。人は想いあえる者と一緒にいれば良い。」
と、国王が呟く。
そんな呟きに、アルトはやっとその真意を掴んだようだ。
「ガルダ様の事ですか。…実らぬ恋を経験することも、それもまた成長の糧になりましょう。」
そう言ってアルトが笑った。




ガルダが彼女に出会ったのは三年前の事だ。
それは三年前の大闘技場。
そこで行われた「モンスターハンター」というクエストに彼女は挑んでいた。
ガルダが最初に彼女を見たのは、そこで華麗にレウスを討伐する姿だった。
ガルダはそんな彼女のランス捌きに目を奪われた。
ティガレックスの咆哮をステップでかわす姿に驚いた。
ナルガクルガを華麗に討伐する姿に喜んだ。
ラージャンで吹っ飛ばされそうになる姿にハラハラした。

ラージャンに最後の一突きを入れ終わり、その大闘技場のど真ん中に立つその姿は、とても優雅で綺麗だった。

このクエストを観戦していたガルダは、いつの間にか彼女に恋をしていた。

最初はガルダ自身でも否定していたのだ。自分がハンターなんていう野蛮な者に心を奪われる訳はないと。
あんな野蛮な者、私に見合うはずはないと。

ずっと強がっていた。

だが、三年前に起きた「崩竜の進行」を止める彼女の姿を、ガルダは王直属の部隊長という立場で目の当たりにして…そんな「強がり」はいとも簡単に壊れた。

ガルダが初めて崩竜を見た時、湧きあがる感情は「恐怖」しかなかった。
足がすくんだ。
命令を下す声が震えた。
自分が何をしていいのか解らなかった。
あの巨大なモンスターを前に、ただただ立ち尽くす事しかできなかった。

しかし彼女はガルダに麓まで退くように言うと、ランスを片手にあの「崩竜」の方に走って行った。
信じられなかった。
なぜ彼女はあの「恐怖」に向かって走って行けるのか。
自分は足がすくんで退くことすらできないというのに。

アルトに抱えられて雪山を下山する間ずっと、ガルダは彼女が崩竜に向かって走りさっていく姿を思い出していた。

無事に彼女が「崩竜」を討伐して山を降りてきた時、その姿を見てガルダは自分の横にいるべき人はこの人しかいない…と思った。


だから私は…ここで『勇者』にならなければならないのだ。
今度は私があの『災い』に向かって走って行くために。
もう、彼女の背中をただ見つめるような情けない立場にいてはならないのだ。


MH編3に続く