※注意!!※
・これは俺の完全な自己満足作品です。本当に暇でまあ他にやることないしな…という方だけ読んでいただければーーーー。
・それとやっぱりというか、かなり話の展開がベタベタしてきました。そんな話が大丈夫な人だけ読んでみると良いかもしれません。
・厨二設定が多数含まれております。
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~登場人物紹介~
NAME:タロ
HR:2
主な使用武器:ランス、ガンス
補足:三年前以前の記憶がない。村クエ最終の「モンスターハンター」に挑んでいる。遂に最後のラージャンにまでたどり着く。
NAME:リオ
HR:9
主な使用武器:大剣、ランス、ガンス
補足:三年前以前の、記憶を失う前のタロと愛し合っていた。
~タロ・MH編ステータス~
武器:ヒドゥンスティンガー
頭:ギザミSヘルム
胴:ギザミSメイル
腕:ギザミSアーム
腰:ギザミSフォールド
脚:ギザミSグリーヴ
発動スキル
攻撃力UP【中】
砥石使用高速化
切れ味レベル+1
~オトモアイルー・カク~
初代旦那さん:タロ
オトモLV:18
攻撃力:306
防御力:155
なつき度:☆☆☆☆☆
毛並み:黒メラ
性格:武器一筋
攻撃系統:切断
攻撃傾向:武器のみ
オトモスキル
回復笛の術
真・回復笛の術
ぶんどり術
29
いきなり飛び込んできた「白き龍」の映像。
頭の痛みに耐えながら、自分が過去にそんなモンスターと戦ったのか思い出そうとしてみるがまるで出てこない。
ただただ、頭の中にその映像だけが飛び込んできた。
いや、出てこないというには頭の激痛のせいで思いだそうという気にもならない…今のタロはそんな状態だった。
かろうじて立つことはできたが、この頭の痛みではラージャンの攻撃を避けるのが精一杯でとても攻撃どころではない。
タロはなんとかラージャンを見て今は攻撃を受けないようにしようと、自分が攻撃をする機会を伺うのを止めた。
とにかく避ける事に意識を向けよう。
今はそれしかできる事が無かった。
頭の激痛に吐き気がする。
ラージャンの攻撃を避ける度に地面に倒れこみたくなる。
全てにおいて諦めたくなる。
あまりの激痛にそんな逃げ道がタロの頭の中でチラつき始めた。
しかし、ここで倒れたら…俺は死ぬ。
とにかく今は防衛本能のみが、タロの体を動かしていた。
何度もラージャンの攻撃を避け続け、そしてやっとラージャンの怒りが解けるとタロは少し安心した。
それでもラージャンの怒り時の致命的一撃という直接的な「身の危険」を回避しただけで、タロの頭の激痛はラージャンの怒りが解けた今も変わらず治まらない。
そんなタロの状態を見ていた観客達は、タロはいつか攻撃を食らってしまうのかという不安と、このまま死んでしまうのではないかという恐怖でさっきから闘技場内が騒然としたままだった。
「本当にどうしちまったんだよ…!!」
「これさえ乗り切れば…もう休めるんだ!!がんばれ!!」
「頼む…!!最初の頃の立ち回りをまた見せてくれ…!!」
そんな声が今のフラフラな状態のタロに向かって注がれる。
観客達は、そんな祈りにも似た声援を送るしかタロにしてやれる事がなかった。
タロはラージャンを見続ける。
ラージャンは尚もそんなタロに向かって攻撃を仕掛けていった。
ダメだ…本当に…きつい。
この痛みを和らげる方法はないのか…?
この痛みから逃れる方法はないのか…?
倒れこみたい…。
そのまま寝てしまいたい…。
ラージャンに避ける事しか術のないタロにとって、今のタロの頭の中はそんな事しか考える事ができなくなっていた。
またしてもラージャンの飛びこみをタロは前転回避で避ける。
そしてその度に激痛で気を失いそうになる。
なんでこんなに苦しい事を…俺はしてるんだろう。
そもそもこの「モンスターハンター」だって、ただ記憶を取り戻せれば良いな…位しか考えてなかったし…さ…。
村長やネコートさんの期待だって、それは「過去の俺」だろ…?
「今の俺」に何か求められても困るよ…。
リオ…「過去の俺」と何かあったらしいけど…今の俺じゃ釣り合わないぜ…?なんてったって…俺はもうここで…。
ラージャンの攻撃を幾度避けたのか、いつしかタロの思考がこの激痛から逃げる事しか考えられなくなっていた。
ラージャンの拳から逃げようという気が無くなってきた。
『皆…ごめん…。』
そして遂に、タロの動きが「止まった」。
闘技場に居る全員も、そんなタロの「立ち止まり」に思考が止まる。
声も上げる事も出来ずにタロを見つめる。
大闘技場に一瞬の「固まった時間」。
そんな中でただ一匹、ラージャンだけがその「時」の外にいた。
全員が固まって動かなくなったその時間にも容赦なくタロに拳を振り上げる。
そして遂に。
タロはラージャンの拳を食らった。
闘技場全体がスローモーションにかかったかのように、タロはゆっくりと空を舞う。
そのまま地面に叩きつけられた所で、大闘技場全体が「悲鳴」を上げた。
30
真っ暗な闇が目の前に広がっていた。
ここは…どこだ…?
タロは自分で目を開けたと思ったのに目の前に広がる暗闇を見て、そこが闘技場ではない事を悟った。
確か…俺はラージャンに殴られて…。
ああ…死んだのか。
特になんの根拠もないが、殴られた直後の状況を思い出してタロは勝手にそう思った。
これが死後の世界…なのか。
そう思って辺りを見回すが、そこは一寸先も見えない闇ばかりが広がっている。
死後の世界とはなんとも味気ない所なんだな…そんな風にタロが思っていると、突然目の前に一つの映像が流れ始めた。
…?
その映像に映り出された場所は、タロが良く知っている場所だった。
ここは…確か「森と丘」の…第4エリアか。
夜…だな…。
タロは映像が流れているのをじっと見ている。
程なくして、その映像の中に一人の女性が映り込んだ。
これは…リオじゃないか…。
その映像に映り込んだのはリオだった。
何かしゃべっているようだ。
口元が動いている。
タロはリオが何を言っているのか聞こうと、耳に意識を集中する。
するとかすかに、リオのしゃべる声が聞こえてきた。
「本当に…生きて帰ってきてね…。」
リオはそう言うと、不安そうな顔で俯く。
誰かに向かってしゃべっているようだ。
するとその映像には映っていない、誰かの声が聞こえた。
「俺の腕は知っているだろ?大丈夫さ。少なからず、お前よりは『可能性』はあるよ。」
そう言ってその声は笑う。
どうやら男のようだ。
「うん…信じてるから。だから…、本当に…。」
俯いたままそう言うとリオは肩を震わす。
そしてそのまま泣き出した。
おいおい。リオを泣かせるとはなんて奴だ!?
誰だよ!!このリオを泣かせる男って!!
それにこの映像…一体なんだ…?
リオの過去…か…?
タロはリオの「過去」と思うと、俄然その男の事が気になった。
「また泣く。お前はモンスターに対してはアホみたいに強いのに、なんでこういうのには弱いんだよ。」
そう言ってその「男」はリオの頭を笑いながら撫でる。
「だって…!!状況が状況じゃない!!あなた…これから相手にしようとしているのはあの『祖龍』なのよ!?なんで…なんでそんなに平気な顔してるのよ…。」
リオが泣きながらそう叫ぶと、「声」だけの男は言う。
「俺と一番一緒に戦ってきたお前からそう言われると…自信無くすなあ…。別に平気って訳じゃないんだぜ。すげえ怖いよ。」
『祖龍』…。聞いたこと無いな。
タロがその映像の声に耳を傾けながらそんな名前のモンスターを思い出してみるが、全くピンと来ない。
どうやら初耳のようだ。
そういえば…「過去」の事を思い出そうとしてもあの「疼き」がないな…。やっぱり死んじゃったから痛みもないのか?
タロがそんな事を思っている間にも、映像はさらに進んでいく。
「声」だけの男がさらに話を続ける。
「すげえ怖いけど…でも。やっと…やっとお前とこうして想いが通じあえたんだ。こんな所で死にたくないんだよ。お前を好きになって、俺は何年こうなることを夢見た事か。ずっと好きだったのにお前ときたらてんで気付かなくてさ…。参るぜ、ホント。」
そう言ってその「声」は照れたように笑う。
「死にたくないからってだけで死ななかったら誰も死なないわよ!」
リオが顔を赤くしながら叫んだ。
どうやら言われた事が照れくさい内容だったようだ。
「でも…そんな理由でも良いから、『生きて帰ってくる』って約束して。私は…それを信じるから。」
リオはそう言うと、その「男」を見つめる。
いや、映像ではその「男」が映ってないが、その映像に対してリオの視線がまっすぐな所を見ると、「男」を見ているようだ。
映像を見ているタロと丁度視線が合う。
そんなリオの言葉にその「男」は微笑んでいるような、微かにそんな雰囲気を滲ませた笑い声を上げた。
「大丈夫だ。死ぬものか。せっかくお前をモノにできたのだからな。俺は死なない。」
そこまで言うと、その「男」はリオの両肩に手を置く。
「お前と…これからも生きていくために。」
その言葉を聞いたリオは、またその瞳から涙を流す。
「うん…。約束だよ…。タロ。」
そう言って、リオは涙を流しながら笑った。
31
タロ…。
タロは最後のリオの言葉に呆然となった。
そしてここで初めて気がついた。
この映像が「過去の自分」の記憶だという事に。
この映像を見ても、俺は思い出せない。
この時の俺の感情、リオの想い。
タロは悔しさと苛立ちで歯を食いしばる。
なぜ…思い出せない…?
なぜ…俺は、こんなに想ってくれる人を思い出さない…っ!!
この映像の中の二人はそれから…どうなった?
ハッピーエンドを迎えたのか?
俺が不甲斐ないばかりで…この二人は…未だこの時交わした「約束」を果たしていない。
俺のせいで。
タロが今の自分の不甲斐なさに悔しさでその身を震わせていると、またしても目の前に一つの映像が流れだした。
その映像に映っているのは。
古塔の最上段、一頭の「白き龍」。
「祖龍」…か。
タロはその映像に映る龍を見て、そう呟く。
その映像には夕日をバックに自ら白く白光する一頭の龍。
二重の光の中、悠然と構えるあの「白き龍」がいた。
二重の光…。
この映像だ。さっき見たのは。
タロが先ほどのラージャン戦で見た、二重の光の中で流れ込んできた映像だった。
そしてそれはタロの「過去の記憶」。
主観視点で、その「白き龍」と戦う自分の姿が流れていた。
タロはずっとその映像を見た。
「過去の自分」の戦う姿を。
どれ位見ていただろうか。
ずっと黙り込んだまま、その映像を食い入るように見つめる。
過去の自分が死闘を繰り返すその映像がまたしても「二重の光」に包まれた瞬間、唐突にその映像が切れた。
タロはずっと黙り込んでいた。
先ほど流れていた映像のあった場所から視線を動かす事なく。
「過去の自分」と「祖龍」の戦いは壮絶を極めていた。
何度この男はこの「祖龍」に吹き飛ばされたのか。
血反吐を吐いていた。何度も「根性」が発動していた。
その度に回復薬を飲み、「祖龍」に振り向いた。
体の軋む音が聞こえた。骨の折れる音が聞こえた。体中から血を流していた。
しかし、「過去の自分」は立ち上がった。
何も迷う事なく、前を向いた。なんの躊躇もなく足を前に出した。
前に進んでいた。
しばらくずっと暗闇を見つめた後。
タロは唐突に叫んだ。
「ここから出してくれ!!!俺には…俺にはまだ…やる事が残ってた…!!!」
さらに叫ぶ。
「なんで諦めたんだ…!!!なんで…俺は!!まだ…チャンスがあるなら…。」
体を震わせてさらに叫ぶ。
「もう一度…!!!俺は…前に進みたい…!!!」
涙を溢れ出しながら、もっと叫ぶ。
「あんなに命がけで戦った…過去の自分に…リオに!!!申し訳が立たない…!!!」
泣き叫びながら、誰に言っているのか解らない、しかしタロは叫ぶ。
「俺は!!!まだ!!!諦めちゃいけなかった!!!!!」
自分が不甲斐なくて、自分が情けなくて。
過去の自分は本当に諦めなかった。
「なんで諦めた!!!俺は!!!まだ!!!戦えた!!!!なんで諦めた!!!」
悔しくて涙が止まらなかった。
溢れ出す涙を拭こうともせず、タロは叫び続ける。
「祖龍」という化け物に、最後まで前を向いた、最後まで立ちあがった、「過去の自分」。
それに引き替え、「今の俺」は「自分」に負けた。
下を向いた。動くのを止めた。
涙が止まらなかった。そんな情けない自分に。
「過去の自分」にあった「諦めない心」が自分に無かった事に。
「俺を!!!!ここから出せ!!!またラージャンの元に戻してくれ!!!!このまま終わるのは嫌だ!!!!出せ!!!!出してくれ!!!!」
もはや絶叫にも近い声でタロは叫んだ。
涙を流しながら。泣き叫びながら。
「俺は…まだ…やることが…あったんだ…っ!!!」
タロがそう言ってうずくまる。あふれ出る涙で、体が震える。
【お前ならできるさ。立て。まだ、お前は生きている。】
!?
急に声が聞こえた。
タロはガバッと起き上がるとその声の主を探す。
しかし相変わらず視線に映るのはただの暗闇だった。
【お前は…なんと言ったって『俺』なんだから。】
また声が聞こえた。
この声は…「過去の自分」…か?
タロは全く今起きている状況が見えず、目を見開いていると、
【さあ行け。起こすぞ。リオが待ってる。】
その声がまたタロに話かける。
そして、そんなタロの願いが通じるように。
タロは暗闇からいきなり目を覚ました。
32
どれ位の時間が経過したのか、タロは目を覚ました。まず視界に入ってくるのは黄土色の土、大闘技場の地面だった。
「俺は…まだ、生きているのか…?」
そんな呟きと共に状態を起こそうとする。
しかし、状態を起こそうとして力を入れる身体全体に激痛が走る。さらにはあの「頭の痛み」も今だ健在だった。
「があああ…!!」
そんな喘ぎ声とともに、タロは全身の痛みに身を悶える。
だがタロはそこでグッと歯を食いしばると、軋む身体に鞭打つように体を起こそうとした。
そこで初めて大闘技場が唸るほどの歓声が沸いていることに気がついた。
タロが吹き飛ばされて、タロが全く動かなくなった時。
観客達はずっとタロに声を出していた。
「立て!!!!立てーーー!!!」
「おい!!!このまま終わるな!!!」
「がんばれ!!!」
「死ぬぞ!!!起きてくれ!!!」
ラージャンに吹っ飛ばされ、そのまま倒れたタロにずっと声を出し続けていた。
ラージャンは、吹き飛ばしたタロからオトモのカクにターゲットを移すと、カクに向かって攻撃を仕掛ける。
「旦那さん!!!旦那さん!!!!」
カクもまた、タロに向かって叫んでいた。
カクはタロが立ちあがるまでは、決してラージャンをタロに向けちゃいけないと判断、とにかくガードを固めて時間を稼ごうとした。
「ボクが…ボクががんばらなきゃ、旦那さんが死んじゃうニャ!!!」
カクはそう思うと、必死になってラージャンに立ち向かう。
とにかく、今はタロが立ちあがるのだけを待ち続けて、ラージャンにその武器を振るった。
タロが倒れて動かなくなってから。
時間にすれば大したモノではないだろうが、大闘技場に流れる時間ではタロが起き上がるまで随分かかったように感じただろう。
観客席でもオトモがもう持たない…と、覚悟を決めたその時、タロが動いた。
「おい!!!アイツ!!動いた!!!」
観客の誰かがそう言ってタロを指さす。
タロが体を震わせながら状態を起こそうとしているのを見た観客達はこぞってタロに声をかけた。
観客の声援がタロにも聞こえる。
タロはそんな声を聞きながら体を起こす。
至る所から激痛が走る。
しかしタロは歯をぐっと食いしばると、その足に力を入れる。
体全体から激痛が走る。
それでもタロはさらに奥歯を噛み締めると立ちあがろうとする。
遂にオトモのカクが吹き飛ばされた。
ラージャンが、起き上がろうとしているタロの方に振り向く。
観客がそのラージャンの動きに悲鳴を上げた。
「おい!!!立て!!ラージャンが気づいたぞ!!!」
そんな声がタロの耳に入った。
タロは軋む体に鞭打ちながらラージャンの方に向く。
そこにはラージャンが今まさにタロの起き上がりに、大きく息を吸い込みビームを重ねようとしていた。
避けなきゃ…!!そうタロは思うも、体の激痛で思うように動かない。
それでも体を前に動かそうとする。
そんな中で一つの感情が湧きあがる。
~アレを食らえば、もうこの痛みから解放されるぞ?~
そんな誘惑。
吹き飛ばされる前の自分が乗った、痛みからの「逃走」という誘惑。
―うるせえよ。
タロは呟く。
~もう良いじゃん。楽になろうよ~
―黙れよ。
タロは呟く。
~なんでそんなにがんばるのさ?~
―約束したんだよ。
タロは呟く。
~約束なんてお前の知った事じゃないじゃん。「お前」は覚えていないのだから~
―うるせえって言ってんだろ。
~なんで覚えてもいない「約束」を守らなきゃいけないのさ~
―泣いてたからだよ。
~こんな苦しんでまで果たさなきゃいけない約束なの?~
―大事な「約束」だ。
そんな「誘惑」と会話しながらタロは、今まさにビームを撃とうとするラージャンを見た。
そしてタロは、「嬉しそうに涙を流しながら笑うリオ」を思い出す。
「大事な約束なんだよ!!!!!」
そう叫ぶと、タロは全身に力を入れる。
そして遂にタロに向かってラージャンはビームを放った。
「あああ!!!!」
観客達は言葉にならない悲鳴を上げた。
そのビームに全員が目を放す事ができなかった。
タロは全身の痛みに気を失いそうになりながらもその体を横に向けて体を前に投げだす。
間一髪、タロはそのビームを前転回避で避けた。
するとタロは勢いをつけた身体に便乗してすぐにアイテムポーチから赤い瓶を取り出し、頭に被っていたヘルムの下からその瓶を丸ごと突っ込むと体で唯一力の入る奥歯で、その瓶を噛み砕いた。
「古の秘薬」だ。
体の痛みが急激に和らいでいく。
そこでやっとタロはこの大闘技場の上に、二本の足で立つ事ができた。
タロはまっすぐに視線をラージャンに移す。
「あの『二人』の大事な約束を果たすために。」
タロは暗闇の中で見た、『過去の自分』とリオを思い出しながら、そう呟いた。
頭の激痛は治まらないが、それでもタロはビームを撃つラージャンの方に体を向けた。
――――もう、俺は諦めない。
タロの顔には、頭の痛みに苦しんでいるような表情はもう無かった。
MH編9に続く
・これは俺の完全な自己満足作品です。本当に暇でまあ他にやることないしな…という方だけ読んでいただければーーーー。
・それとやっぱりというか、かなり話の展開がベタベタしてきました。そんな話が大丈夫な人だけ読んでみると良いかもしれません。
・厨二設定が多数含まれております。
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~登場人物紹介~
NAME:タロ
HR:2
主な使用武器:ランス、ガンス
補足:三年前以前の記憶がない。村クエ最終の「モンスターハンター」に挑んでいる。遂に最後のラージャンにまでたどり着く。
NAME:リオ
HR:9
主な使用武器:大剣、ランス、ガンス
補足:三年前以前の、記憶を失う前のタロと愛し合っていた。
~タロ・MH編ステータス~
武器:ヒドゥンスティンガー
頭:ギザミSヘルム
胴:ギザミSメイル
腕:ギザミSアーム
腰:ギザミSフォールド
脚:ギザミSグリーヴ
発動スキル
攻撃力UP【中】
砥石使用高速化
切れ味レベル+1
~オトモアイルー・カク~
初代旦那さん:タロ
オトモLV:18
攻撃力:306
防御力:155
なつき度:☆☆☆☆☆
毛並み:黒メラ
性格:武器一筋
攻撃系統:切断
攻撃傾向:武器のみ
オトモスキル
回復笛の術
真・回復笛の術
ぶんどり術
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いきなり飛び込んできた「白き龍」の映像。
頭の痛みに耐えながら、自分が過去にそんなモンスターと戦ったのか思い出そうとしてみるがまるで出てこない。
ただただ、頭の中にその映像だけが飛び込んできた。
いや、出てこないというには頭の激痛のせいで思いだそうという気にもならない…今のタロはそんな状態だった。
かろうじて立つことはできたが、この頭の痛みではラージャンの攻撃を避けるのが精一杯でとても攻撃どころではない。
タロはなんとかラージャンを見て今は攻撃を受けないようにしようと、自分が攻撃をする機会を伺うのを止めた。
とにかく避ける事に意識を向けよう。
今はそれしかできる事が無かった。
頭の激痛に吐き気がする。
ラージャンの攻撃を避ける度に地面に倒れこみたくなる。
全てにおいて諦めたくなる。
あまりの激痛にそんな逃げ道がタロの頭の中でチラつき始めた。
しかし、ここで倒れたら…俺は死ぬ。
とにかく今は防衛本能のみが、タロの体を動かしていた。
何度もラージャンの攻撃を避け続け、そしてやっとラージャンの怒りが解けるとタロは少し安心した。
それでもラージャンの怒り時の致命的一撃という直接的な「身の危険」を回避しただけで、タロの頭の激痛はラージャンの怒りが解けた今も変わらず治まらない。
そんなタロの状態を見ていた観客達は、タロはいつか攻撃を食らってしまうのかという不安と、このまま死んでしまうのではないかという恐怖でさっきから闘技場内が騒然としたままだった。
「本当にどうしちまったんだよ…!!」
「これさえ乗り切れば…もう休めるんだ!!がんばれ!!」
「頼む…!!最初の頃の立ち回りをまた見せてくれ…!!」
そんな声が今のフラフラな状態のタロに向かって注がれる。
観客達は、そんな祈りにも似た声援を送るしかタロにしてやれる事がなかった。
タロはラージャンを見続ける。
ラージャンは尚もそんなタロに向かって攻撃を仕掛けていった。
ダメだ…本当に…きつい。
この痛みを和らげる方法はないのか…?
この痛みから逃れる方法はないのか…?
倒れこみたい…。
そのまま寝てしまいたい…。
ラージャンに避ける事しか術のないタロにとって、今のタロの頭の中はそんな事しか考える事ができなくなっていた。
またしてもラージャンの飛びこみをタロは前転回避で避ける。
そしてその度に激痛で気を失いそうになる。
なんでこんなに苦しい事を…俺はしてるんだろう。
そもそもこの「モンスターハンター」だって、ただ記憶を取り戻せれば良いな…位しか考えてなかったし…さ…。
村長やネコートさんの期待だって、それは「過去の俺」だろ…?
「今の俺」に何か求められても困るよ…。
リオ…「過去の俺」と何かあったらしいけど…今の俺じゃ釣り合わないぜ…?なんてったって…俺はもうここで…。
ラージャンの攻撃を幾度避けたのか、いつしかタロの思考がこの激痛から逃げる事しか考えられなくなっていた。
ラージャンの拳から逃げようという気が無くなってきた。
『皆…ごめん…。』
そして遂に、タロの動きが「止まった」。
闘技場に居る全員も、そんなタロの「立ち止まり」に思考が止まる。
声も上げる事も出来ずにタロを見つめる。
大闘技場に一瞬の「固まった時間」。
そんな中でただ一匹、ラージャンだけがその「時」の外にいた。
全員が固まって動かなくなったその時間にも容赦なくタロに拳を振り上げる。
そして遂に。
タロはラージャンの拳を食らった。
闘技場全体がスローモーションにかかったかのように、タロはゆっくりと空を舞う。
そのまま地面に叩きつけられた所で、大闘技場全体が「悲鳴」を上げた。
30
真っ暗な闇が目の前に広がっていた。
ここは…どこだ…?
タロは自分で目を開けたと思ったのに目の前に広がる暗闇を見て、そこが闘技場ではない事を悟った。
確か…俺はラージャンに殴られて…。
ああ…死んだのか。
特になんの根拠もないが、殴られた直後の状況を思い出してタロは勝手にそう思った。
これが死後の世界…なのか。
そう思って辺りを見回すが、そこは一寸先も見えない闇ばかりが広がっている。
死後の世界とはなんとも味気ない所なんだな…そんな風にタロが思っていると、突然目の前に一つの映像が流れ始めた。
…?
その映像に映り出された場所は、タロが良く知っている場所だった。
ここは…確か「森と丘」の…第4エリアか。
夜…だな…。
タロは映像が流れているのをじっと見ている。
程なくして、その映像の中に一人の女性が映り込んだ。
これは…リオじゃないか…。
その映像に映り込んだのはリオだった。
何かしゃべっているようだ。
口元が動いている。
タロはリオが何を言っているのか聞こうと、耳に意識を集中する。
するとかすかに、リオのしゃべる声が聞こえてきた。
「本当に…生きて帰ってきてね…。」
リオはそう言うと、不安そうな顔で俯く。
誰かに向かってしゃべっているようだ。
するとその映像には映っていない、誰かの声が聞こえた。
「俺の腕は知っているだろ?大丈夫さ。少なからず、お前よりは『可能性』はあるよ。」
そう言ってその声は笑う。
どうやら男のようだ。
「うん…信じてるから。だから…、本当に…。」
俯いたままそう言うとリオは肩を震わす。
そしてそのまま泣き出した。
おいおい。リオを泣かせるとはなんて奴だ!?
誰だよ!!このリオを泣かせる男って!!
それにこの映像…一体なんだ…?
リオの過去…か…?
タロはリオの「過去」と思うと、俄然その男の事が気になった。
「また泣く。お前はモンスターに対してはアホみたいに強いのに、なんでこういうのには弱いんだよ。」
そう言ってその「男」はリオの頭を笑いながら撫でる。
「だって…!!状況が状況じゃない!!あなた…これから相手にしようとしているのはあの『祖龍』なのよ!?なんで…なんでそんなに平気な顔してるのよ…。」
リオが泣きながらそう叫ぶと、「声」だけの男は言う。
「俺と一番一緒に戦ってきたお前からそう言われると…自信無くすなあ…。別に平気って訳じゃないんだぜ。すげえ怖いよ。」
『祖龍』…。聞いたこと無いな。
タロがその映像の声に耳を傾けながらそんな名前のモンスターを思い出してみるが、全くピンと来ない。
どうやら初耳のようだ。
そういえば…「過去」の事を思い出そうとしてもあの「疼き」がないな…。やっぱり死んじゃったから痛みもないのか?
タロがそんな事を思っている間にも、映像はさらに進んでいく。
「声」だけの男がさらに話を続ける。
「すげえ怖いけど…でも。やっと…やっとお前とこうして想いが通じあえたんだ。こんな所で死にたくないんだよ。お前を好きになって、俺は何年こうなることを夢見た事か。ずっと好きだったのにお前ときたらてんで気付かなくてさ…。参るぜ、ホント。」
そう言ってその「声」は照れたように笑う。
「死にたくないからってだけで死ななかったら誰も死なないわよ!」
リオが顔を赤くしながら叫んだ。
どうやら言われた事が照れくさい内容だったようだ。
「でも…そんな理由でも良いから、『生きて帰ってくる』って約束して。私は…それを信じるから。」
リオはそう言うと、その「男」を見つめる。
いや、映像ではその「男」が映ってないが、その映像に対してリオの視線がまっすぐな所を見ると、「男」を見ているようだ。
映像を見ているタロと丁度視線が合う。
そんなリオの言葉にその「男」は微笑んでいるような、微かにそんな雰囲気を滲ませた笑い声を上げた。
「大丈夫だ。死ぬものか。せっかくお前をモノにできたのだからな。俺は死なない。」
そこまで言うと、その「男」はリオの両肩に手を置く。
「お前と…これからも生きていくために。」
その言葉を聞いたリオは、またその瞳から涙を流す。
「うん…。約束だよ…。タロ。」
そう言って、リオは涙を流しながら笑った。
31
タロ…。
タロは最後のリオの言葉に呆然となった。
そしてここで初めて気がついた。
この映像が「過去の自分」の記憶だという事に。
この映像を見ても、俺は思い出せない。
この時の俺の感情、リオの想い。
タロは悔しさと苛立ちで歯を食いしばる。
なぜ…思い出せない…?
なぜ…俺は、こんなに想ってくれる人を思い出さない…っ!!
この映像の中の二人はそれから…どうなった?
ハッピーエンドを迎えたのか?
俺が不甲斐ないばかりで…この二人は…未だこの時交わした「約束」を果たしていない。
俺のせいで。
タロが今の自分の不甲斐なさに悔しさでその身を震わせていると、またしても目の前に一つの映像が流れだした。
その映像に映っているのは。
古塔の最上段、一頭の「白き龍」。
「祖龍」…か。
タロはその映像に映る龍を見て、そう呟く。
その映像には夕日をバックに自ら白く白光する一頭の龍。
二重の光の中、悠然と構えるあの「白き龍」がいた。
二重の光…。
この映像だ。さっき見たのは。
タロが先ほどのラージャン戦で見た、二重の光の中で流れ込んできた映像だった。
そしてそれはタロの「過去の記憶」。
主観視点で、その「白き龍」と戦う自分の姿が流れていた。
タロはずっとその映像を見た。
「過去の自分」の戦う姿を。
どれ位見ていただろうか。
ずっと黙り込んだまま、その映像を食い入るように見つめる。
過去の自分が死闘を繰り返すその映像がまたしても「二重の光」に包まれた瞬間、唐突にその映像が切れた。
タロはずっと黙り込んでいた。
先ほど流れていた映像のあった場所から視線を動かす事なく。
「過去の自分」と「祖龍」の戦いは壮絶を極めていた。
何度この男はこの「祖龍」に吹き飛ばされたのか。
血反吐を吐いていた。何度も「根性」が発動していた。
その度に回復薬を飲み、「祖龍」に振り向いた。
体の軋む音が聞こえた。骨の折れる音が聞こえた。体中から血を流していた。
しかし、「過去の自分」は立ち上がった。
何も迷う事なく、前を向いた。なんの躊躇もなく足を前に出した。
前に進んでいた。
しばらくずっと暗闇を見つめた後。
タロは唐突に叫んだ。
「ここから出してくれ!!!俺には…俺にはまだ…やる事が残ってた…!!!」
さらに叫ぶ。
「なんで諦めたんだ…!!!なんで…俺は!!まだ…チャンスがあるなら…。」
体を震わせてさらに叫ぶ。
「もう一度…!!!俺は…前に進みたい…!!!」
涙を溢れ出しながら、もっと叫ぶ。
「あんなに命がけで戦った…過去の自分に…リオに!!!申し訳が立たない…!!!」
泣き叫びながら、誰に言っているのか解らない、しかしタロは叫ぶ。
「俺は!!!まだ!!!諦めちゃいけなかった!!!!!」
自分が不甲斐なくて、自分が情けなくて。
過去の自分は本当に諦めなかった。
「なんで諦めた!!!俺は!!!まだ!!!戦えた!!!!なんで諦めた!!!」
悔しくて涙が止まらなかった。
溢れ出す涙を拭こうともせず、タロは叫び続ける。
「祖龍」という化け物に、最後まで前を向いた、最後まで立ちあがった、「過去の自分」。
それに引き替え、「今の俺」は「自分」に負けた。
下を向いた。動くのを止めた。
涙が止まらなかった。そんな情けない自分に。
「過去の自分」にあった「諦めない心」が自分に無かった事に。
「俺を!!!!ここから出せ!!!またラージャンの元に戻してくれ!!!!このまま終わるのは嫌だ!!!!出せ!!!!出してくれ!!!!」
もはや絶叫にも近い声でタロは叫んだ。
涙を流しながら。泣き叫びながら。
「俺は…まだ…やることが…あったんだ…っ!!!」
タロがそう言ってうずくまる。あふれ出る涙で、体が震える。
【お前ならできるさ。立て。まだ、お前は生きている。】
!?
急に声が聞こえた。
タロはガバッと起き上がるとその声の主を探す。
しかし相変わらず視線に映るのはただの暗闇だった。
【お前は…なんと言ったって『俺』なんだから。】
また声が聞こえた。
この声は…「過去の自分」…か?
タロは全く今起きている状況が見えず、目を見開いていると、
【さあ行け。起こすぞ。リオが待ってる。】
その声がまたタロに話かける。
そして、そんなタロの願いが通じるように。
タロは暗闇からいきなり目を覚ました。
32
どれ位の時間が経過したのか、タロは目を覚ました。まず視界に入ってくるのは黄土色の土、大闘技場の地面だった。
「俺は…まだ、生きているのか…?」
そんな呟きと共に状態を起こそうとする。
しかし、状態を起こそうとして力を入れる身体全体に激痛が走る。さらにはあの「頭の痛み」も今だ健在だった。
「があああ…!!」
そんな喘ぎ声とともに、タロは全身の痛みに身を悶える。
だがタロはそこでグッと歯を食いしばると、軋む身体に鞭打つように体を起こそうとした。
そこで初めて大闘技場が唸るほどの歓声が沸いていることに気がついた。
タロが吹き飛ばされて、タロが全く動かなくなった時。
観客達はずっとタロに声を出していた。
「立て!!!!立てーーー!!!」
「おい!!!このまま終わるな!!!」
「がんばれ!!!」
「死ぬぞ!!!起きてくれ!!!」
ラージャンに吹っ飛ばされ、そのまま倒れたタロにずっと声を出し続けていた。
ラージャンは、吹き飛ばしたタロからオトモのカクにターゲットを移すと、カクに向かって攻撃を仕掛ける。
「旦那さん!!!旦那さん!!!!」
カクもまた、タロに向かって叫んでいた。
カクはタロが立ちあがるまでは、決してラージャンをタロに向けちゃいけないと判断、とにかくガードを固めて時間を稼ごうとした。
「ボクが…ボクががんばらなきゃ、旦那さんが死んじゃうニャ!!!」
カクはそう思うと、必死になってラージャンに立ち向かう。
とにかく、今はタロが立ちあがるのだけを待ち続けて、ラージャンにその武器を振るった。
タロが倒れて動かなくなってから。
時間にすれば大したモノではないだろうが、大闘技場に流れる時間ではタロが起き上がるまで随分かかったように感じただろう。
観客席でもオトモがもう持たない…と、覚悟を決めたその時、タロが動いた。
「おい!!!アイツ!!動いた!!!」
観客の誰かがそう言ってタロを指さす。
タロが体を震わせながら状態を起こそうとしているのを見た観客達はこぞってタロに声をかけた。
観客の声援がタロにも聞こえる。
タロはそんな声を聞きながら体を起こす。
至る所から激痛が走る。
しかしタロは歯をぐっと食いしばると、その足に力を入れる。
体全体から激痛が走る。
それでもタロはさらに奥歯を噛み締めると立ちあがろうとする。
遂にオトモのカクが吹き飛ばされた。
ラージャンが、起き上がろうとしているタロの方に振り向く。
観客がそのラージャンの動きに悲鳴を上げた。
「おい!!!立て!!ラージャンが気づいたぞ!!!」
そんな声がタロの耳に入った。
タロは軋む体に鞭打ちながらラージャンの方に向く。
そこにはラージャンが今まさにタロの起き上がりに、大きく息を吸い込みビームを重ねようとしていた。
避けなきゃ…!!そうタロは思うも、体の激痛で思うように動かない。
それでも体を前に動かそうとする。
そんな中で一つの感情が湧きあがる。
~アレを食らえば、もうこの痛みから解放されるぞ?~
そんな誘惑。
吹き飛ばされる前の自分が乗った、痛みからの「逃走」という誘惑。
―うるせえよ。
タロは呟く。
~もう良いじゃん。楽になろうよ~
―黙れよ。
タロは呟く。
~なんでそんなにがんばるのさ?~
―約束したんだよ。
タロは呟く。
~約束なんてお前の知った事じゃないじゃん。「お前」は覚えていないのだから~
―うるせえって言ってんだろ。
~なんで覚えてもいない「約束」を守らなきゃいけないのさ~
―泣いてたからだよ。
~こんな苦しんでまで果たさなきゃいけない約束なの?~
―大事な「約束」だ。
そんな「誘惑」と会話しながらタロは、今まさにビームを撃とうとするラージャンを見た。
そしてタロは、「嬉しそうに涙を流しながら笑うリオ」を思い出す。
「大事な約束なんだよ!!!!!」
そう叫ぶと、タロは全身に力を入れる。
そして遂にタロに向かってラージャンはビームを放った。
「あああ!!!!」
観客達は言葉にならない悲鳴を上げた。
そのビームに全員が目を放す事ができなかった。
タロは全身の痛みに気を失いそうになりながらもその体を横に向けて体を前に投げだす。
間一髪、タロはそのビームを前転回避で避けた。
するとタロは勢いをつけた身体に便乗してすぐにアイテムポーチから赤い瓶を取り出し、頭に被っていたヘルムの下からその瓶を丸ごと突っ込むと体で唯一力の入る奥歯で、その瓶を噛み砕いた。
「古の秘薬」だ。
体の痛みが急激に和らいでいく。
そこでやっとタロはこの大闘技場の上に、二本の足で立つ事ができた。
タロはまっすぐに視線をラージャンに移す。
「あの『二人』の大事な約束を果たすために。」
タロは暗闇の中で見た、『過去の自分』とリオを思い出しながら、そう呟いた。
頭の激痛は治まらないが、それでもタロはビームを撃つラージャンの方に体を向けた。
――――もう、俺は諦めない。
タロの顔には、頭の痛みに苦しんでいるような表情はもう無かった。
MH編9に続く