※注意!!※
・これは素人が書いた「創作物」です。この手の事に興味のない方、苦手な方は読まない事をお勧めしておきます。いや、本音としては読んでほしいですけど…。
・モンスターハンターP2Gの公式設定をかなり無視しております。
・多数の中二病設定が使われております。



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登場人物紹介

NAME:タロ・ライド
HR:2
主な使用武器:ランス・ガンランス

小説モンスターハンター ~愛の物語~


三年前以前の記憶が無かったが、前回の話で自分の過去を「知った」。
ただ今、リオと同居中。


NAME:リオ・アズベル
HR:9
主な使用武器:大剣・ランス・ガンランス

小説モンスターハンター ~愛の物語~


三年前まではタロと愛し合っていた。三年前、ポッケ村の危機を救った英雄。
ただ今、タロと同居中。


NAME:アズ・ルードリア
HR:6
主な使用武器:太刀・片手剣

小説モンスターハンター ~愛の物語~


元大闘技場の門番兵。前回のタロの戦いに感動して「ハンター」に戻る決意をする。


NAME:ナルガ・ロウ・セトラ
HR:9
主な使用武器:ハンマー・太刀・狩猟笛

小説モンスターハンター ~愛の物語~


ややこしいけど名前は「ナルガ」。ロウはミドルネーム。
過去にちょっとあってファーストネームに「ナルガ」と付けている。…が、今回の本編には関係無し。
アズを追いかけてポッケ村にたどり着く。



14

朝日が地平線から顔を出し、この大地に太陽の光が満遍なく降り注ぎ始めた頃。
森丘のベースキャンプで一夜を明かしたアズは、ポッケ村への帰路に足を進めていた。

森丘のベースキャンプを出たのが数刻前なので、ポッケ村には後少しで着く、そんな所まで来ている。

下位とはいえ久しぶりの狩猟、特に危ない事もなくリオレウス亜種を捕獲しそのクエストをこなしたというのに、帰路に着くアズの足取りはなぜか重かった。
朝起きてから、アズはずっと浮かない顔をしている。
時折空を見てはため息をついて、そしてまた足元を見ながら歩みをゆっくりと進めた。
今アズの頭の中で考えている事はこの帰路の最中ずっと一つ。

先ほど見た夢の事だった。


本当に久しぶりに…あの夢を見た。
最近は全く見なかったのに。
大闘技場の門番として、門番兵の借り家に移ってからは全く見る事が無かったあの夢。

なぜ今になってあの夢を見たのか。
「やはり…『ハンター』という立場が…あの夢を見せるのか。」
そう呟くと、アズはまた空を見る。

「ミリア。また、俺は『ハンター』に戻ってきたよ。」
空に向かって、アズは呟いた。



アズがまだハンター駆け出しの頃。
鎧もまだバトル一式という、「新米ハンター」に毛が生えたような時。

そんな時にアズは一人の少女と出会った。

「出会い」と言うにはお粗末なものだ。
その時、とある集会所で酒を飲んでいたアズの財布を掏ろうとして失敗した少女。
アズがその少女の手を捻り上げたその時が、アズと―――夢に出てきた少女の初めての出会いだった。

懐に気配を感じて思わず捻り上げた手を掴んで、まずアズが驚いたのはその手の「細さ」だった。
最初に掴んだ時、アズはそれが人の腕とは思えなかったほどだ。
「痛たたたーー!!」
そんな叫び声を聞きながら捻った腕に釣られるように体ごと持ち上げて、アズは初めてそれが人の、女の子の腕だと解った。
「ちょっとーー!!レディに対して何すんのよ!!」
腕を捻り上げられ、さらにその体ごと持ち上げられてる少女はアズに向かってそう叫んだ。
「お前こそ何してんだよ。人の懐に手なんか突っ込みやがって。」
そう言うとアズは、その少女を一旦下に降ろすと、今度はその少女の腕を後ろに回すようにして、少女の両腕を後ろから掴む。
そしてそのまま少女の膝を後ろから蹴って、少女を正座させると動けないように後ろから持っていた腕をぐっと上に上げる。
「痛いってば!!」
少女はそう叫ぶと、観念したように自分の体の力を抜いた。
「ハンターの懐狙うとは、お前も中々大胆だな。」
さてどうしてくれようかとアズはそんな呟きをしながら、その少女をマジマジと見つめる。

そんな少女を見つめるアズは、ある事に気が付いた。

なんだ…最初に腕を掴んだ時にも感じたが…すごい痩せてるじゃないか…。
その少女はお世辞にも綺麗とは言えない、それどころか何日も洗ってないような、そんなボロボロな服を着ている。
後ろから見ると髪もボサボサで、何日も洗っていないのがよく解った。
アズがその少女の「出で立ち」を呆然とした顔で見てると、近くで酒を飲んでたハンターがその少女を見ながらアズに声をかけた。
「おい、とりあえずは自警団呼んでくるぜ?財布、やられそうになったんだろ?」
その少女の身なりとアズに押さえられてる姿を見て、スリだと解ったようだ。
そう声をかけられてハッとその少女から目を離すと、アズは何を思ったのかそのハンターに向かって、
「いや、大丈夫だ。このまま俺が突き出して来るから。」
と言って、その少女を立たせた。
「気を使ってくれてすまない。」
アズは声をかけてくれたハンターにそう言って手を上げて礼をすると、
「おら。とっとと歩け。」
と、少女に向かって外に出るように促した。


集会所から出て、その集会所の横にある脇道に入るとアズは少女が後ろ手になるように持っていたその両腕を離した。
「!?」
そのまま自警団の方に突き出されると思っていた少女は、離された手にびっくりしたような顔でアズの方を向いた。
さらにその少女は驚く。
ふり向いたその男の手には、少し大きめの骨付き肉、こんがり肉が握られていてそれを少女の方に差し出していた。
先ほど集会所で飲んでいた時の、酒のつまみだ。
「腹、減ってんだろ?やるよ。」
アズはそう言うと、その肉を少女の顔の真ん前に差し出す。
その少女はアズの顔と肉を交互に見ると、がばっと肉を奪うようにして取り、すごい勢いで食べ始めた。

アズがその少女の肉を食べる姿を少女の横に座りながら見ていると、アズはまたその少女についてある事に気がついた。
左の肩に数字のようなものが「彫られて」いる。
その少女の肩の刺青を見て、アズは思わずその少女に聞いた。
「お前…『身売り』の子か。」
少女は肉を貪りながらも、そのアズの言葉にコクリと頷く。
「父ちゃんに売られたんだ。でも売られた先がすげえ酷い所だったから…逃げてきた。」
そう少女は言うと、もはや骨だけになった「こんがり肉」をまだしゃぶっている。
そんな少女を見て、アズは腰に結び付けてあった小さな麻袋に手を入れると、サッと少女の前に乾燥肉を差し出した。
少女はまたアズを見る。
「食えよ。気にすんな。」
アズが笑いながらそう言うと、少女はその肉を口の中に一気に入れて、もごもごと口を動かした。
アズはその少女の身を不憫に思うと、さらにその麻袋から何かしらの鉱石のようなものを取り出した。
「これやるから。そこの売店ならこれを高く引き取ってくれるだろ。」
そう言って、アズはその石を少女に渡すと立ち上がる。
その石はライトクリスタルという、綺麗な石だった。
「大変だろうけど…がんばれよ。」
そんな一言を残して、アズはその場から去ろうとする。
するとその少女は唐突にアズに向かって叫んだ。
「待って!!」
アズは足を止めてその少女の方に振り向く。

少女はアズをまっすぐに見ている。
「なあ!!あんた…すごい良い奴だ!!私を!あんた、私を『買って』くれないか!?なんでもするから!!」
少女はそこまで叫ぶと、顔を地面に向けた。
「お金はアンタがくれたこの石で良いから。もう…どこにも行く所が無いんだ…。」
少女はそう言うと、そのまま地面にこすりつけんばかりに頭を下げた。


そんな少女の体は小刻みに震えている。
少女は頭を上げてアズを見た。その少女の瞳からはボロボロと涙をこぼしていた。



「私を…助けてくれ。」



「な…。」
アズはびっくりして何か言おうとしたが、その言葉を思わず飲み込む。
それほどまでにその少女の懇願の顔は、悲痛に満ちていた。
理由を聞くまでも無く、その少女の「悲惨さ」がアズにも伝わる。
その少女の行く末に「未来」が無いという事がアズにも解った。


それでもアズは色々と『打算』として、頭を巡らせた。
助けてやりたいとは思うが、自分もまだ「ハンター」駆け出しという身だ。

やはりどうにもここで彼女を「拾う」事は利口ではない。


アズの頭の中では、そんな「答え」も出ていたのに。

「…。お前、名前は?」
アズは名前を聞いた。




それが答えとでも言うように。




少女の顔がパッと輝く。
「ミリア。ミリアって言うんだ!!」



アズと―――ミリアが出会った。


15

「本当にあの時、お前は痩せてたなあ…。」
そんな呟きとともに、寂しそうにアズは微笑んだ。
そこでハッと自分が思い出に浸っていたのだと気がついて、改めてここはどこかと周りの風景をアズは見回すと、
「おっ。」
と、声を出す。
アズがそんな「ミリア」という少女との出会いを懐かしそうに思い出しながら歩いていたら、いつの間にか雪山麓のポッケ村が見えていた。
アズはそのポッケ村に足を向けると、見える目標に対して進める足を早める。

「一人で戦う術」を、教わるために。
―――二年前、共に集会所を駆け抜けた「ミリア」は、もういない。

会えるだろうか…あの「男」に。



この集会所で待っていればあの「男」がいずれやってくる。
そう思うと集会所の入り口の前まで来て、アズは足を止めた。
あの興奮を与えてくれた「勇者」が近くにいる事に若干緊張するアズだったが、会わなければ自分の「これから」が見えない。
タロの戦いを是非「見たい」という気持ちが勝ると、アズは目の前まで来ていた集会所の扉を開けた。


アズは扉を開けると、まずは集会所内を見渡す。
その「男」がいないか、若干緊張気味にゆっくりと見回した。
大闘技場の入り口で見た、あの「男」の顔を思い出しながら視界に入る人間全てを見るが、それが「タロ」だという人物に当たる顔は無かった。
ちょっとホッとしたように、しかしちょっと残念そうにアズはふぅっとため息をつくと、受付の方に足を運ぶ。

下位担当の受付の子の前までくると、声をかけた。
「お早う。これを。」
そう言ってアズは手に持っていた紙を下位担当の子に渡す。
その紙は昨日と同じこの子から受け取った依頼書の半紙だ。
「お早うございます!!はい、お預かりしますね。」
そう言って下位担当の子、カイはその紙に目を通すと、
「リオレウス亜種…っと。」
と、呟きながら、手元にあった資料をパラパラとめくる。
「あ、はい。連絡来てます!『捕獲』完了という事ですね。ではこれをどうぞ!」
そう言って足元に置いてあった麻袋をカウンターに置くと、アズの方にずいっと差し出す。
その麻袋に入っている物は報酬金だ。
「ありがとう。」
そう言って笑うと、アズはその麻袋を腰に巻いてあった少し大きめのウエストポーチにしまった。
「基本報酬、それと捕獲報酬、頭部破壊報酬と言う事で、以下の素材を指定の場所にお送りしますので確認して下さい。」
カイは業務口調でそこまで言うと、アズに一枚の紙を渡す。
その紙を見てアズは、
「まあ、そう簡単には『逆鱗』は出ないよな。」
と、ちょっと残念そうに笑った。

そこまでのやりとりを横で見ていた上位担当の子、ジョーイがカイに声をかけた。
「この人!リオさん達が待ってる人じゃない?」
小声でジョーイがそうカイに言うと、カイは慌てて先ほどアズから受け取った依頼書の半紙を確認する。
そこには「アズ・ルードリア」という名前が書かれていた。
「あ!本当だ。」
そう言って驚いた顔をするカイを不思議そうな顔でアズが見ていると、その受付の子が話しかけてきた。
「アズさんですよね?」
カイがそう話しかけると、その子が何を言いたいのか理解できないアズが、
「ああ…そうだけど。」
と、首を傾げながらそう返事をする。
その返事を隣で聞いていたジョーイはアズの後ろにあるテーブルの方に向かって叫んだ。
「リオさーん!!アズさん、帰ってきましたよー!」
そんなジョーイの声が集会所に響くと、

ガシャーンッ!!

という、陶器が地面に叩きつけられるような豪快な音が聞こえてきた。
その音と同時に聞き覚えのない女性の声で、
「ちょっとロウ!大丈夫!?」
という声が合わせて聞こえてくる。

どうやらロウが緊張のあまり椅子から落っこちたようだ。
ジョーイの叫びに、思わず立ち上がろうとして椅子に引っかかったらしい。

リオ…?
アズはそんな知り合いなんていたっけ?と思いながら騒がしい後ろの方にゆっくり振り向くと。

その集会所の中央のテーブルにアズの見知った顔があった。

こんな辺境の集会所で自分の見知った顔があったアズは思わず嬉しそうに微笑みながら、その中央のテーブルに足を向ける。

「ロウ!ロウじゃないか!!久しぶりだな!」
アズが嬉しそうに、ひっくり返っているロウに話しかけた。

「や、やあアズ…久しぶり。」
そう言ってロウは顔を真っ赤にしながらひっくり返ったまま手を挙げる。

アズとロウ、久しぶりの再会だった。


16

アズが嬉しそうにロウに挨拶すると、隣にいたリオがアズに話しかけた。
「ロウの知り合いの方なんでしょ?」
アズはそう言われてリオの方に向くと、
「ああ。ちょっと前に勤めていた所の常連でさ。」
と、嬉しそうにロウを指差す。
「良かったら座りなよ。」
リオがアズに席に座るように促すと、アズも「タロを待つ」という予定と丁度被る事から、
「ありがとう。」
と、素直に座る事にした。

リオ、ロウを横並びにしてアズがそのロウの対面に座る。
アズは椅子に座り直したロウを改めて見ると、
「どうしたんだい?こんな所で会うなんて。」
と、笑顔で聞いた。
そんな質問をされたロウは、緊張のあまり言葉を詰まらせている。
そんなロウを見ていたリオが思わず肘でロウの二の腕をつつきながら、
「ほら!打ち合わせ通りに話せばいいから!」
と小声で話しかけた。
「あ、うん。えーと…なんだっけ?」
目の前のアズに、頭が真っ白になったロウは思わずリオに聞き返す。
「なんだっけじゃないでしょっ」
リオがつつく肘に力を込める。
「あ、ああ。えーと、私がここの集会所の常連で、リオが久しぶりに…アレ?」
「逆。」
「ああ。…えーと、リオがここの集会所の常連で、私が久しぶりに会いに来たの。」
「なんでそんな棒読みなのよ!」
あまりの白々しさに、リオが堪らず突っ込みを入れた。
ロウの顔は相変わらず赤いままだったが、突っ込み役をさせられるリオの顔もいつの間にか赤くなっていた。

そんな二人のやりとりにキョトンとした顔になっていたが、そんな二人のやりとりの意図よりもアズには興味のある事があった。
最初、聞いたときから引っかかってたこの女性の名前。

リオ。
この名前は聞いた事がある。
いや、「聞いた事がある」と言うには有名すぎる名前だ。
三年前、崩竜の進行を止めた「ポッケの英雄」。
そしてここはポッケ村。
そして「リオ」という名前。

アズは思い切って聞いてみた。
「なあ、リオさん。あんた…もしかして『ポッケの英雄』じゃないか?」
アズがリオの方を向いてその質問をすると、リオは恥ずかしそうに俯きながら、
「その言い方、辞めてくれないかな…別に英雄でもなんでもないから!」
と、叫ぶ。
「『ポッケの英雄』?」
リオがそんな風に呼ばれる事に覚えの無いロウは、そんなアズの質問に首を傾げた。
「なんだ、ロウは知らないのかい?三年前の崩竜の進行を。」
リオの答えに本人だと解ると、アズは興奮したようにロウに言う。
「そうか、やっぱりあんた『ポッケの英雄』か。これは光栄だ。」
そう言ってアズは嬉しそうに笑った。
「三年前の崩竜の件は知ってるけど…何、あれ止めたのってリオだったの?」
ロウがリオに聞く。
「まあ…ね。」
曖昧に答えたリオだったが、もう三年前の事だ。
今更そんな風に自分を評価されるのはむず痒いようで、リオはそっぽを向いて恥ずかしそうにしている。
そんな風に答えるリオを見て、
「ああ。あなたならやれるよね。」
と、リオの戦いぶりを思い出しながらロウは笑った。

三年前からリオが街を出るまでリオとロウは二人でよくPTを組んでいたので、そのリオの強さはロウ自身もよく知っている。
今のロウの知る限りでは「最強のハンター」だ。
ここでリオが「崩竜を討伐した」と聞かされても、ロウにとってはあまり驚く事でも無かった。

ロウにとってはそんなリオも、アズにとっては『英雄』だ。アズは嬉しそうにリオと話している。
そんなアズの嬉しそうな顔を見ていたロウもまた、嬉しそうな顔をした。
普通ならリオと嬉しそうに話すアズを見て嫉妬しそうなものだが、そこで嫉妬するほどロウ自身にはまだアズに対して「自己顕示欲」というものはない。
そもそもロウ自身がまだアズに対してどうしたいのかも解らないのだから。

ただ、今はアズが嬉しそうに笑っている顔を見られる事が嬉しいようだ。
久しぶりに見るアズの顔を、ロウはじぃっと見ていた。

うん、やっぱりコイツは「良い男」だ。

そんな風にロウは思って、勝手にニヤニヤしている。

リオはそんなロウを横目に、
何か話しかけなさいよ!
とも思ったが、当の本人は現状で満足してしまっているようだ。

リオはいい加減自分の話題を逸らしたかったので、アズに質問した。
「で、アズはなんでこのポッケ村に来たの?」
そんなリオの言葉に、アズは自分でも『ポッケの英雄』の登場で忘れていた自身の用事を思い出した。
「ああ。ちょっと人を探してるんだ。そうだ!リオ。君なら知っているんじゃないかな。タロ、タロ・ライドって男を。」
アズはそう言うと、また集会所をキョロキョロと見回す。
話に夢中になってタロを見失っては元も子も無い。


「今…タロって言ったよね…?」
リオがロウに聞く。
「うん。」


二人は驚いた顔のまま、目を合わせた。



集会所編6に続く