※注意!!※
・これは俺の完全な自己満足作品です。本当に暇でまあ他にやることないしな…という方だけ読んでいただければーーーー。
・それとやっぱりというか、かなり話の展開がベタベタしてきました。そんな話が大丈夫な人だけ読んでみると良いかもしれません。
・厨二設定が多数含まれております。


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~登場人物紹介~

NAME:タロ
HR:2
主な使用武器:ランス、ガンス

小説モンスターハンター ~愛の物語~


補足:三年前以前の記憶がない。村クエ最終の「モンスターハンター」に挑んでいる。遂に最後のラージャンにまでたどり着く。

NAME:リオ
HR:9
主な使用武器:大剣、ランス、ガンス

小説モンスターハンター ~愛の物語~


補足:三年前以前の、記憶を失う前のタロと愛し合っていた。

~タロ・MH編ステータス~

武器:ヒドゥンスティンガー
頭:ギザミSヘルム
胴:ギザミSメイル
腕:ギザミSアーム
腰:ギザミSフォールド
脚:ギザミSグリーヴ

発動スキル
攻撃力UP【中】
砥石使用高速化
切れ味レベル+1


~オトモアイルー・カク~

初代旦那さん:タロ
オトモLV:18
攻撃力:306
防御力:155
なつき度:☆☆☆☆☆
毛並み:黒メラ
性格:武器一筋
攻撃系統:切断
攻撃傾向:武器のみ

オトモスキル
回復笛の術
真・回復笛の術
ぶんどり術



24

ナルガが崩れ落ち、大闘技場が大歓声に包まれた所でタロはやっと全身の緊張を解いた。
大きく吐き出す息と共に、自分の意識の先をナルガから外す。
タロはようやく周りを見る余裕が出来た。
すると、今日聞いた中では一番の大歓声が沸いている。

周りはこんなにうるさかったのか…。
全然気付かなかったな。

そんな風に思いながら、タロは改めて大きく深呼吸した。

良かった…!!なんとか回避性能無しでもナルガの攻撃を避ける事ができた…!!

そう思うとタロの顔は自然とほころぶ。
自分が今まで出来なかった事が出来るようになるというのは、どんな時でも嬉しいモノだ。
しかもこんな大舞台でやってのけたことに、タロはある種の優越感と達成感を感じた。さらにはこの大歓声だ。
タロの顔も自然と笑顔になった。

タロがこの鳴り止まない大歓声の中でそんな満足感に浸っていると、カクがタロの所に寄ってくる。
「旦那さんすごいニャ!!いつの間にあんな事出来るようになったニャ!?」
カクが驚いた顔して声をかけてきた。
「ははは。まあな!これでもナルガはこの武器作るために結構戦ってたし、今回初めての試みだったけど行けるかな…と思ってな!」
タロはそう言うと、胸を張る。
「旦那さん!!すごいニャ!!すごいニャ!!」
カクはそんなタロの胸を張る姿勢を見ながら、パチパチと可愛い手で拍手する。
タロはそんな素直に驚くカクの頭を撫でると、
「いや…実際はお前がティガの時同様ナルガの気を引いてくれたから出来た事だ。本当にありがとな!!次も頼むぜ!!」
と、嬉しそうに言った。
タロに笑顔で褒められたカクは、目を細めて気持ちよさそうに頭を撫でられている。


次で最後か…。
次のラージャンを討伐できれば、俺は過去を思い出せるだろうか。
始まるまでずっと恐れていた頭の「疼き」が全く出ない。
それはそれで嬉しいが、そうなると全く思い出せる気がしない。
このクエストに対しての俺の「疼き」は今までにないモノだったから、もしかしたら…と思っていたけど。

ネコートさんも、村長も…そしてリオも。
記憶を取り戻せない俺をどう思うだろうか。
もし思い出せなかったら…。
もし…。

タロはそう思うと、大闘技場入口の上にある檻を見た。

もし記憶が戻らなかったとしてもこの「モンスターハンター」をこなせたならば、おそらくは村長とネコートさん、リオが俺のするべき道を示してはくれるだろう。
だが…なぜ俺はその道を進まなければならないのか。
最初はこのクエストをこなせば自然と解ると思っていた。
記憶を取り戻す事も出来ると思っていた。
しかし、最後のラージャンを前にしてそんな気配はない。

『過去の自分は何を思い、何をしようとしていたのか。』

次に出てくるモンスターが終わったら…俺はどなっているというんだろう。
どうすればいいんだろう。

「モンスターハンター」の先が見えない。
ここまできて、初めてタロは気がついた。

このクエストの先が全然見えてない事に。


25

日が沈み始め、辺りが朱色に染まり出す。
今までは太陽の光で白く輝いていた雪山も、その色を変え始めるそんな時間。
ポッケ村の農場、さらにその中央にある畑にリオが柵によりかかって特に何をするまでもなく、色を変え始める雪山を眺めていた。

リオは本当に何がしたい訳でもないようで、寄りかかった柵から動こうとはしない。
何か考え事をしているようだ。

リオは、ずっとタロの事を考えていた。
昨日二人で雑草を抜いたこの畑に目を移すと、リオはそこにタロの雑草を抜いている姿を思い出す。
そんな背中を丸めたタロの幻影に、リオは声を出さずに語りかけた。


タロ、私は…本当にあなたの前に現れて良かったの…?
あなたはこれから…、三年前と同じ道をたどろうとしてる。
私があなたの前に現れたことで、またあなたはあの『件』に関わる運命を持ってしまった。
出来る事なら、あなたはもうあの『件』には関ってほしくない。

私があなたの前に出たのは、私の傲慢。
私の欲。
私の我儘。

ただそれだけだった。
決して…これから起こるあの『件』にあなたを巻き込もうとした訳ではないのよ。

本当にただ…あなたの声が聞きたかった。
あなたの顔をもっと近くで見たかった。

ただ…それだけだった…。


三年前、タロはあの『災い』を止めるために旅立っていった。
リオは同時に起こった崩竜討伐の命を受けていたため、タロと同行することが出来なかったのだ。

タロがその『災い』との死闘で消息不明と聞かされた時、リオはタロを必死で探した。

何日も何日も、リオはタロを探した。
『災い』と死闘を繰り広げた場所に何度も足を運んだ。
寝る事も食べる事も出来なかった。
ただただ…リオはタロを探した。


探したのだ。


そして、タロは発見された。
記憶を失った状態で。


自分のせいではない事は解っている。
でもだからと言って、これ以上タロをこの『件』に関らせれば、今度は記憶だけではすまないだろう。

リオは悩んだ。何日も。

せっかくタロがこの『件』から離れるチャンスが来たのだから。
今度はこんな役を引き受けなくて良い人生を送ってもらいたいから。
私がこうしてこの『件』に関っている以上、私といるとあなたもまたこの『件』に関ってしまう。

リオは枯れ果てんばかりの量の涙と共に。



タロの前から姿を消した。


26

私はそう覚悟してあなたの前から姿を消した。
二度とあなたを失いたくないから。あなたを探している時、本当に生きる事が辛かった。
死にたかった。

でも約束してくれたよね。
「俺は死なない。」って。
だから、信じた。

あなたは約束を守ってくれた。

もう、この約束は二度と破ってほしくないから、私はあなたの前から消えたの。
ネコートさんと村長に記憶を失ったあなたの事をまかせると、私は近くにいないように街に住むことにした。

それでも、私はあなたを見るだけなら…と思って、この三年間はたまに村に帰ってはあなたを見てた。

あなたは楽しそうだった。
のんびり生きていたね。
村の人たちに囲まれて、狩りに行って、アイルー達と馬鹿やって。

そうそう!!あなた鈍感ね!あのミルカって子、あなたに気があるわよ!!
どうして気がつかないの!?本当に乙女心が解らないわね!!あなたは!!


…どうして私はあなたの横にいないのだろう。
あんなに愛し合ったのに。
どうしてあなたは私の横にいないの?
あんなに「愛してる」って言ってくれたのに。


三日前。
なるべく見ないようにしていたのに。
あなたと集会所で目が合った。

たったそれだけなのに。

私は…。


もう耐えきれなかった。



リオは畑で雑草を抜くタロの面影から目を離すと、また雪山に目を向ける。
「また…あなたと出会っちゃったね。」
そう呟くリオの瞳からは大粒の涙が流れていた。
「ごめんね…タロ。ゆっくり暮らしたいよね。楽しそうだったもんね。…でも…私は…。」
そこまで呟いてリオは涙で言葉を詰まらせる。
「私は…。私は…もう一つの約束も…うえぇえぇぇ…。」
両手を顔に覆いその場にしゃがみ込むと、リオはさも幼い子が泣くように、大声で泣きだした。

その泣き声が辺り一面に響く。


先ほどより雪山を染める、朱色の色合いが濃くなっている。
日が沈みかけている。

太陽がいよいよ地平線にかかった。


27

大闘技場のナルガ討伐による大歓声も、ナルガの亡骸を運ぶ荷車が闘技場から出て行くとともに鎮まっていく。
いよいよ最後のモンスター、ラージャンの登場に観客が身を構え出したからだ。

あと一つ。
このモンスターを、この男が突破した時。
そこには上位装備で「モンスターハンター」というクエストをこなした「勇者」が誕生する。
そんな前人未到の大偉業を成し遂げる瞬間を夢見て、観客達もこれから始まる「最後の戦い」に緊張していた。
ここに居る誰しもが、ラージャンの登場を固唾を飲んで見守っている。

そんな雰囲気は大闘技場に立つタロにも伝わったようで、そろそろラージャンが現れると悟った。
アイテムポーチから本日4本目の強走薬Gを取り出すと、それを一気に飲み干す。
体に伝わるこの薬の効果を体に感じると、静かに目を閉じた。
いつしか、観客の誰しもが声を出さなくなる。
いよいよラージャンの登場だ。
長きにわたるこの戦いも、本当に最後だという実感がこの静寂から伺えた。

隣で武器を構えるカクも、そんな雰囲気にこれがラストだと解ったようだ。
心なしかどことなく不安そうな顔で、ずっと大闘技場入口にある檻を見つめている。


タロは目を閉じたまま耳に意識を集中させ、ある音を待った。


ガシャンッ。


その音が鳴る。最後のモンスターが闘技場に降り立った。

小説モンスターハンター ~愛の物語~


タロはゆっくりと目を開けると、現れたラージャンに視線を向ける。
ラージャンもまた、ゆっくりとタロに視線を向ける。

両者の目が合った。

最後の戦いの火蓋が、切って落とされた。


ラージャンの登場でタロと視線が合うのと同時に、観客達はこぞって歓声を上げた。
「ここまで来たんだ!!!やっちまえ!!!」
「がんばれよーーー!!」
「死ぬんじゃねえぞーーーー!!!」
そんなタロを応援する声で、大闘技場は埋め尽くされる。

そんな歓声を背中に受けながら、タロはラージャンの方に駆けだした。
ラージャンもまた、タロに体の向きを変える。

タロはラージャンに対して時計周りに走る方向を変えると、まずはラージャンの出方を見た。
そんなタロに対してラージャンはその太い腕を交互に前に出し、その拳を振りまわしてくる。
タロがその拳をひらりとかわすと、今度はタロがすれ違いざまにラージャンの後ろ脚に向かってその槍を突き出した。
惜しくもその槍は空を切る。ラージャンが振りまわす拳を止めてタロの方に振り向くのを見ていたタロは、急いでその槍を背中に担いだ。
そしてまた、ラージャンに対して時計周りに動き出す。

そんなタロの動きに、観客席から歓声が上がった。
「いい感じに動くじゃねえか!!」
「それで良い!!慎重になーー!!」
一撃が重いラージャンにステップを基本行動にするランスで対抗するには、隙あらば納槍がベターだ。
一撃の重さ故、「攻撃の動き」がそれほど俊敏ではないラージャンには「機動力」が一番効果的だった。
そんなセオリーを踏まえたタロの「様子見」に、観客達はタロがラージャン戦にも慣れていることが解ったようだ。
この一戦を応援するにあたってタロがラージャン戦に慣れているという事が解ると、観客達が更なる歓声を上げた。

次にラージャンはタロに振り向くと、その大きな体そのものをタロに向かってぶつけようと飛びかかる。
タロはそれを前転回避で避けると、ラージャンの背中に向かって走った。
ラージャンがタロの方に振り向こうと体を横に一回動かしたのをタロが確認すると、いきなりタロはラージャンの後ろ脚元に飛び込んだ。
するとそこで抜槍、そのまま上段突きを入れる。
このタイミングはかなり絶妙だったようで、振り向ききったラージャンからするとすでにこの時ラージャンはタロを見失っている。
ラージャンはどこにいるか解らないタロを探すように、また交互に腕を振って拳を繰り出しながら前進するが、元々ラージャンの下半身にいたタロはすでにラージャンの後ろを取る態勢になっていた。
その交互に振りだしながら歩くラージャンに向かって、タロはランスを前に構える。
ランスを前に構えた状態で、タロは一気にラージャンに向かって「突進」した。

小説モンスターハンター ~愛の物語~


ラージャンがタロの方に振り向く。
しかし、タロはその振り向きに対して「突進」でラージャンの下半身にまで突き抜ける。
またしてもラージャンが振り向いた時には、タロの姿がない。
下半身にまで突き抜けたタロはそこで、また上段突きを突き込んだ。
先ほどから姿が見えず、下半身に絶えず痛みを感じるラージャンは堪らずそのまま体を地面に叩きつけようと大きく振りかぶる。
その「振りかぶり」を確認したタロは急いで上段突きからサイドステップに切り替えると、今度は盾を構えた。
その構えと同時に盾に衝撃が走る。
ラージャンのボディプレスをガードすると、タロはガード体制からラージャンの脇腹に突きを繰り出し、一旦その場からバックステップで下がった。
攻撃したはずの次の瞬間に脇腹に痛みを感じたラージャンも、堪らずその場からサイドステップで離れる。

両者、お互いが一旦距離を取る態勢となった。
タロはランスを背中に担ぐと、またしても時計回りに走りだす。

完全にタロのペースだった。


28

大闘技場は先ほどから大歓声のまま鳴り止まなかった。
観客達はタロの動きに興奮する。
「…すげえ!!!完全にラージャンの動きに合わせてるぞ!!!」
「行ける!!そのままの勢いでいっちまえー!!!」
完全なタロのペース展開に、闘技場は揺れに揺れた。
大歓声が止まらない。

タロはラージャンに対して時計周りに動く事を徹底しながらラージャンを観察していた。

…よし!!行ける…!
これで怒り状態になればさらにペースを持って行ける…!

タロはそう思うと、ラージャンから目を離さない。
突ける隙を見逃さないためにも、ここはよく見ようとラージャンを凝視する。
オトモのカクもそんなタロの動きに鼓舞される様にラージャンに立ち向かっていった。
タロはカクの動きとラージャンがカクにターゲットが移った事を確認すると、今の立ち位置ではラージャンの左をとれないと思い、一旦大闘技場の真ん中に移動した。

すると大闘技場の壁際から太陽の光がタロの目に飛び込んでくる。
う…っちょっと眩しいな…。
タロの視線が夕日の光に一瞬遮られた。

すると、その夕日の光の向こうからもう一つの光が見えた。
光と共にその場をつんざく様な咆哮が聞こえる。
カクの攻撃で、ラージャンが遂に怒り状態に入ったのだ。



夕陽の光の中。
もう一つの光。



タロは思わずその光景を見つめた。


この二重の光。
どこかで見た。

思わず見つめた光の先。


タロの頭の中に、急に一つの映像が飛び込んできた。


…何だ!?
その映像はタロの知っている場所だった。
これは…古塔だ。
その古塔の一番最上段。


その古塔の最上段に…一頭の。




「白き龍」




何だ!?
一体何が起こった…!?
その白き龍を頭の中で認識した時、ついに一番恐れていたモノがタロを襲う。
頭の「疼き」だ。
いや、そんな「疼き」なんてものではなかった。
頭が割れるような「激痛」が、タロを襲った。

「ぐわあああーーーーっ!!!」
タロは思わずその場に頭を抱えてしゃがみ込んだ。

そんなタロの様子を見ていた観客達が、思わず大歓声を止めてざわつく。
「ど、どうしたんだ!?なんかしゃがみ込んじまったぞ!?」
「早く立てーーー!!ラージャンが…っ!!」
そんな観客達の声が聞こえた。
その場にいる全員がタロの身に何が起こったのか解らなかった。
闘技場全体がどよめく。

怒り状態になったラージャンは目の前にいるカクにその拳を繰り出すと、カクはたまらず吹き飛んだ。
目の前のターゲットが吹き飛ぶと、ラージャンは次にタロに体を向ける。
タロは相変わらず頭を抱えてしゃがみ込んでいる。
そんなタロに向かって、ラージャンは金色の色を体に纏わせたまま、タロに飛び込んだ。

その場にいた観客全員が息を飲む。

タロは頭の激痛の中でラージャンがこっちに飛び込んでくるのを見ると、とにかくその場から前転回避をする。
「…くっ…!!」
前転回避の振動がさらにその頭に激痛を誘う。
そんなタロの前転回避に、大闘技場は思わず「悲鳴」を上げた。
かろうじてラージャンの攻撃を避けるが、またしてもタロはその場にしゃがみ込んだ。

間一髪避けたのを観客達が確認すると全員でホッとするような安堵の声がこだまするが、相変わらずタロはしゃがみ込んだままだ。
「どうしたーー!?何があったんだーーー!!」
「立てーーーーー!!!」
「ラージャンが来るぞーーーー!!」
しゃがみ込んだまま動かないタロに、観客達が思わず叫ぶ。
ラージャンはタロの方に振り向くと、今度は左右にステップしながらタロに突っ込んでいく。
タロはまたしてもかろうじてそれを前転回避でかわした。
観客達の息を飲む声が、闘技場内を包む。


タロは前転回避をすると今度は立ち上がったが、その体は震えている。
観客席から見ててもタロがとても戦える状態では無いのが解った。

何が起こったのか全く解らない。

大闘技場が騒然とした空気に包まれた。



MH編8に続く