スウェーデンの王立科学アカデミーは6日、2015年のノーベル物理学賞を、質量がゼロと思われていた素粒子ニュートリノに質量があることを見つけた梶田隆章・東京大宇宙線研究所長(56)ら2人に授与すると発表した。5日に医学生理学賞に決まった大村智北里大特別栄誉教授(80)に続く連日の受賞ラッシュ。日本人受賞者は計24人となる。物理学賞は、青色LEDを開発した赤崎勇名城大終身教授(86)ら3人が独占した昨年からの連続受賞。梶田氏は、02年に物理学賞を受賞した小柴昌俊東京大特別栄誉教授(89)の教え子で、一つの研究チームから2度の受賞は日本で初めて。ニュートリノは、宇宙に存在する最も基本的な粒子の一つで、どんな物質もすり抜ける。梶田氏は、岐阜県飛騨市の地下にある観測装置スーパーカミオカンデで、3種類あるニュートリノが違う種類に変身する「振動」という現象を発見し、ニュートリノの質量の存在を確かめた。理論に修正を迫る歴史的な成果と評価された。授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金800万クローナ(約1億2千万円)が2氏に贈られる。
梶田隆章氏(かじた・たかあき)59年3月9日、埼玉県生まれ。県立川越高、埼玉大卒。81年、東京大大学院の小柴昌俊氏の研究室に進み、カミオカンデ実験に加わった。86年大学院博士課程修了。東京大理学部助手、東京大宇宙線研究所の助手、助教授を経て99年教授。スーパーカミオカンデの建設に携わり、観測時はデータ解析責任者として日米の研究者を率いた。98年6月、岐阜県高山市の国際会議で「ニュートリノ振動の発見」を発表した。08年4月から東京大宇宙線研究所所長。99年仁科記念賞。56歳。