第70回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品されている宮崎駿監督の5年ぶりの監督作「風立ちぬ」(公開中)の公式会見が行われた。壇上でスタジオジブリの星野康二社長は、今回の作品をもって宮崎監督が引退することを発表。「リド島(映画祭の会場)は大好きな場所です。今回は行くことができなくて申し訳ありません」との宮崎監督のメッセージを、星野社長が読み上げて始まった公式会見。質疑応答が終わった後、星野社長は「ベネチアは過去に何度も招待していただいた縁のある映画祭ですし、世界に友人の多い宮崎駿監督に関しての発表を、この場でさせてもらいます」と発言。続けて「『風立ちぬ』を最後に宮崎駿監督は、引退することを決めました。後日、宮崎駿本人による会見を計画しております」と日本語で伝えた。通訳の言葉を聞いて意味を理解した海外メディアは、「信じられない」と会場全体が、ぼう然とした空気の中で会見は終了。登壇者が頭を下げても拍手はまばらだった。配給する東宝によると、6日に都内で会見を行う予定。星野社長は「(引退に関する)質問は、一切受けることができないことをご了承ください」と、心に決めていたであろう言葉だけを口にすると、会見場を後にした。宮崎監督と二人三脚で作品を生み出してきた鈴木敏夫プロデューサーも日本に残り、映画祭には参加せず。「会見で監督が話すと思うので、自分は何も言えない」。宮崎監督は、過去にも引退をほのめかしたことがある。97年、「もののけ姫」の完成報告会で「未練のあるうちに、さっさとおさらばしたい」と話し、声優を務めた故・森繁久彌さんらをあ然とさせた。結局、後になって「早く次の作品にいきたい」と“撤回”した。その「次の作品」となったのが、日本史上最高興収を記録した「千と千尋の神隠し」。その時にも「長編はもう体力的に無理」とも話していた。