松江市教育委員会が市立小中学校に漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を求めた問題で、市教委は26日、教育委員の臨時会議を開き、制限の要請には「手続きに不備がある」として、撤回することを決めた。今月16日に問題が表面化した後、市教委には「戦争の悲惨さを学ぶ機会が失われる」「知る自由の侵害だ」といった批判が相次いだ。教育委員に諮らずに事務局が要請した経緯にも疑問の声。この日の会議には教育委員5人が出席。作品の学校での扱いについて「(制限を要請した)昨年12月17日前の状態に戻すことが妥当。その後の取り扱いは、学校の自主性を尊重する」と全会一致で決めた。閲覧制限をめぐっては、下村博文文部科学相が21日の記者会見で「子どもの発達段階に応じた教育的配慮は必要だと思う」と述べ、理解を示す一方、政府・与党内からは市教委に慎重な対応を求める声も出ていた。松江市では昨年8月、「ゲン」を学校の図書館に置かないよう求める陳情があったが、市議会は12月、不採択にした。「過激な文章や絵が多い」という意見が出たことを受け、市教委事務局は12月の校長会で「一部に過激な描写があり、教員のフォローが必要だ」として、自由に閲覧できない「閉架」の措置を学校側に要請した。教育委員は22日の定例会議でこの問題を協議したが、結論を持ち越していた。