後遺障害が認められる場合の労働能力喪失年数は、原則として、①満67歳までの年数と②症状固定時の平均余命の2分の1のどちらか長い方とされていますが、実際には(判決や裁判上の和解でも)それより短縮・制限されることがしばしばです。
特に14級相当の神経症状では、5年を超える年数はなかなか認められません。

後遺障害といっても、比較的軽度のものについては、それなりに回復するものだという(ある意味常識的な?)見方がその背景にはあると思われます。
それが妥当か否かは、ケースバイケースで見ていく必要があるでしょう。
逸失利益の額は基本的に、
事故前の年収×後遺障害等級に対応する労働能力喪失率×満67歳までの年数分の年5%のライプニッツ係数
という公式によって計算されます。

ただし、その中で、様々な問題点があります。
例えば、
①そもそも基礎年収をどう評価するか?今後の年収の変化の可能性をいかに評価するか?
②労働能力喪失の実態が必ずしも等級に対応していないのではないか?
③定年後も同収入で評価してよいか?逆に、かなりの高齢(70代以降)まで現役であることが予想される職業の場合、どう考えるか?
といったことが考えられます。
他にもいろいろな論点があり得ます。

簡単そうに見えて、実は大変奥の深い議論をしないといけないものといえるでしょう。
お蔭様にて、「星のしるべ法律事務所」も、明日で開業から20日、4週目を迎えることとなりました。

今のところ私ひとりでやっています。一人でいろいろと忙しいところですが、開業祝いにいただいた植物たちに励まされながら、毎日を過ごしております。

これまでと全く異なるスタイルの仕事にも、少しずつ慣れてきました。近いうちに、事務所のホームページ等も作っていく予定です。

まだまだ厳しい寒さが続くようですが、皆さま方もどうか、お身体にはお気をつけてお過ごし下さい。
ここ数日、記録的な寒波が襲来し、大変寒い日が続いています。
東京の都心部で20㎝を超える積雪があったり、大阪でも今のところ積雪はないものの、氷点下の最低気温を記録する毎日です。

首都圏では雪のため、交通事故が多発したと聞きます。雪道や凍った道路での運転には、十分注意していただきたいと思います。
私も、交通事故に関係する仕事をしていますが、事故の多発を希望し、喜ぶ者では決してありません。
自賠責から後遺障害等級が認定されたにもかかわらず、相手方保険会社からは、逸失利益が認められないとの回答がされることがあります。
特に、顔面醜状、関節変形などの場合によくありますが、それ以外でもそのような回答がされるケースが散見されます。

相手方の言い分は、労働能力の低下を招くものではないというものですが、そもそも後遺障害(労災保険では「障害」)の定義として、労働能力の喪失を伴うものということが挙げられている以上、かかる主張はその定義に反すると言わざるを得ません。また、実態としてみても、後遺障害等級として認定されるような症状が残存すれば、被害者の方は社会生活に何らかの支障を来すのが通常ですから、そう容易く、労働能力の低下を招かない等という主張をされるべきではないと思います。

類型的にみて、仕事を含む社会生活に支障を来すような後遺症を等級として評価するという制度趣旨と、現行の等級認定制度はなお、必ずしも事故の損害をカヴァーしきれていない憾みがあるという現実を、もっと考えていただく必要があるでしょう。