台風や前線の影響で大雨が続いています。

これまでに経験したことのないような雨になっているところもあり,「特別警報」という言葉を,今日は何度も聞きます。

大阪でも,先日の地震に続いての大雨となり,なかなか落ち着きません。

 

時により 過ぐれば民の 嘆きなり 八大龍王 雨止め給へ

 

鎌倉幕府第三代将軍 源実朝の歌を想い出しました。干天続きも困りますが,雨が降りすぎるのも災害のもとです。その中庸というのは,自然界でもなかなか難しいことのようです。

天候の安定化と,少しでも被害の少ないことを祈るのみです。

私は,父が満51歳の時の子で,小学生の頃に父は還暦を超えました。

亡き父は昭和2年生まれで,旧制の中学校在学中に第二次世界大戦(大東亜戦争・太平洋戦争)を経験し,大学の予科(今でいう前期課程・教養課程)時代に敗戦を迎えています。ですから,同級生たちの殆どが祖父母からしか聞けないような話を,私は父から直接いろいろと聞くことができました。同級生の中には,夏休みなど,私の家に遊びに来ると父がする話を楽しみにしてくれていた者もいました。

 

さて,歴史上の偉人・有名人を見てみますと,父親がある程度の年になってから生まれたという人がかなりいるのです。

概ね父親が40代半ば以降の時に生まれた著名人物を挙げてみますと,孔子,ガリレオ=ガリレイ,ヘンデル,藤原不比等,大伴家持,嵯峨天皇,藤原忠平,清少納言,源義家,藤原定家,柳生宗矩,新井白石,大岡忠相,徳川吉宗,山岡鉄舟,夏目漱石,山本五十六,渡辺和子・・・様々な人の名前が思い浮かびます。

総じて,落ち着いた環境で育つこと,一般的な子どもと比較して古い時代のこと,現在とは違う価値観のことまでヴィヴィッドに知ることなどが,視野の広さや思考の深さを生み,それが成人後の大業につながっているのではないかなと思います。

「そういう自分はどうなんだ?」?と叱られそうですが,せめて亡父の名を辱めないよう精進してゆきたいものです。

 

交通事故事案で,刑事記録を調査する際,いつも気にするのが「起訴になっているか,不起訴か?」ということです。加害者が起訴された事案では,供述調書まで開示されるのに対し,不起訴の場合基本的に,実況見分調書しか見ることができないからです。

そして,被害者の負傷が大きい,加害者の過失が大きいといった場合,起訴されている可能性が比較的高いといえます。

 

もっとも,刑事事件の被疑者を起訴するかどうかは,検察官が,その被疑者の「性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情状」にかんがみて決するとされており(刑訴法248条,起訴便宜主義),過失割合や負傷状況だけで必ずしも起訴・不起訴が決まるわけではありません。

興味深いところでは,最終的な判決では,過失割合が被害者:加害者=1:9となり,被害者は相当の重傷を負い,後遺症もかなり残った事案であったにもかかわらず,加害者は不起訴(罰金にもなっていない)というケースがありました。

このケースでは,相手方弁護士は過失割合についてかなり争ってきた記憶があります。つまり,事故状況・双方の過失割合を確定するには,かなりの議論を尽くし,様々な資料を吟味する必要のあったケースだったといえます。

ですから,起訴不起訴を決める段階で,検察官は被害者の過失が相応にあるかもしれないと判断したのではないかとも思います。被害者の方が,(スピード違反とまではいえないにしても)相応のスピードが出ていたことも考慮要素の一つのように思われます。

過失運転致死傷の9割が不起訴となっている背景には,このような事案が少なくないのでしょう。   

先日6月29日をもって,私も満40歳を迎えました。

40歳といえば(もともとは数え年で計算していたので,今よりは1年あまり早いことになりますが),不惑などと言われる年齢です。

およそ程遠い状況ではありますが,一つの大きな区切りとして考えたいと思います。

 

『礼記』には「四十曰強,而仕」(四十を強と曰ひ,仕ふ)とありますから,仕官して重要な仕事をしていく適齢期だということです。

リンカーンの有名なことばに,40歳を過ぎた男は自分の顔に責任を持つべきだとあります。

また,日本の最高裁裁判官(長官・判事とも)の任命資格の一つが,満40歳以上であることとなっています(裁判所法41条)。

 

このように,40歳という年齢の持つ意味を十分に考えて,これからの人生を過ごしたいと思います。

 

 

大阪も,先週まではこの時期としては比較的涼しい日が多かったのですが,ここ数日,急に真夏並みの暑さが到来しました。今年の6月の気温をみてみますと,中旬(11日~20日)と比較して,21日~27日までの平均気温は3度以上も上がり,特に25日以降は連続で真夏日となり,熱帯夜も増えてきています。

このまま梅雨明けとなるかどうかは,まだわからないところですが,急に気温が上がると,体が慣れていない分,熱中症なども発症するリスクが高まります。

また,体力や集中力が低下し,様々なミスや事故も起こりやすくなるかと思います。

十分な健康管理を心掛けたいものです。

 

先日の地震のブロック塀倒壊のように,取り返しのつかない事故が起こってからでは遅すぎます。

人命・人身は些細な不注意によって損なわれることも稀でないことを肝に銘じて,この急な季節の変わり目を乗り切りたいものです。