昨日,東京高裁でいわゆる「袴田事件」の再審請求の即時抗告審で,東京高裁は静岡地裁の再審開始決定を取り消し,再審開始を認めない決定が出されました。

静岡地裁が再審開始の根拠とした弁護側のDNA型鑑定について,「信用性は乏しい」と判断したためとのことです。

私はこの件については全く関与してはおりませんが,各報道を見た限りでは,DNA鑑定方法の是非について,ということに論点がフォーカスしすぎていたか,高裁の決定はやや硬直的に過ぎたかという感を拭えません。

 

即時抗告審においては,取調べを録音したテープが証拠提出され,袴田氏に対する当時の警察の,あまりにも非人道的な取調べの実態も明らかにされているとのことです。

そのような取調べの実態はおそらく憲法・刑訴法の趣旨に反し,適正手続の観点から許容しえないものであったのでしょう。そうであるなら,様々な証拠を相まって,有罪に合理的な疑いが生じるものであるとの判断を行い,再審請求を認めた方が,情理ともにかなった判断であったのではと思います。

 

袴田氏側は最高裁に特別抗告の予定とのことです。最高裁が,憲法・法律の趣旨にかなった,正当な判断を下されることを期待申し上げるものです。

 

 

 

 

前回,物件事故報告書に関する疑問を少し書かせていただきましたが,その正確性についてはやはり疑問符をつけたくなりそうな点が多々あります。

例えば,添付図の方角が間違っているもの,道路が二車線なのにあたかも一車線であるかのように書かれているもの,周辺の建物の記載があまりないものなどがあります。また,先行するトラックから積載物が落下したという事案で,落下したのは小石・土砂・材木など多種であったのに,トラックの少し下に小さい丸を幾つか書き,「木材」とだけ記入していたものを見た経験もあり,作成者は誰から何を聞いて書いているのだろうと不思議に思うくらいです。

 

取り合えず形式的に作ったという事実さえあればそれで良しというのでしたら,非常に困りものです。

事故の概要の証明にさえなっていないどころか,中途半端な図面が存在するため,却って誤った事実認定の原因にもなりかねませんから。

 

 

いわゆる物損事故の場合、また何らかの事実のため物損事故扱いになっているものの、実際には人身損害が出ている場合、その事故状況の証明に極めて苦労することが珍しくありません。
それは、物損事故扱いの場合、警察は通常、「物件事故報告書」という簡易な資料しか作成しないためです。

物件事故報告書は、警察の事務分担の軽減のため、実況見分を一定の場合省略して良いとし、事故の概略をメモ程度に簡記すれば足りるとしたものです。
そのため、事故に至る詳細についてはそれほど詳細を吟味までしないことも多いようで、後で事故態様、過失割合などが問題になった場合、当事者の方に聞いてみると全然違っていたり、あるいは決定的な証拠には到底ならないような図しかなかったりするのです。

近年は、一見軽微な事故でも後で様々な争いを生じることが珍しくないため、物件事故報告書の作成に関しても、両当事者の言い分、損傷との整合性の確認を徹底するなど、より慎重、丁寧な作成に努められた方が良いのではと思います。

本日,近畿地方も梅雨入りが発表され,いよいよ本格的な雨の季節を迎えることとなりました。

私は雨の中,仕事で京都地裁・大阪地裁と転々し,なかなか忙しい一日でした。毎年巡り来る季節ではありますが,蒸し暑さや続く雨に参ってしまうことも少なくない時期でもあります。

他方,草木が青々と茂り,少し田舎の方にいけば水田に稲が育ち,蛙の声などがするのも趣深い季節でもあります。

 

他方,同じころ,西洋諸国では総じて晴れる日が多くなり,ことに高緯度地帯では昼の長さが著しく長く,白夜やそれに近い状態になります。

欧州では南方に位置する地中海沿岸地方では,降水が著しく減少し,快晴日数が多くなります。ローマ法の故郷ともいえるイタリア半島の大半がそのような気候です。ローマやナポリの6月の日照時間は300時間近くあり,これは大阪や東京のそれの約2倍です。気温は,平均値としては東京とほぼ同じですが,日中は東京よりも暑く,朝晩はやや涼しいとのことです。

 

わが国と,ローマ法の故郷とは,その初夏の気候からして,極めて対照的であり,そのことが法観念・法意識にも大きな影響を与えているものと思われます。少し私なりに考えてみようかと思います。

 

九州・四国は,今年は5月中に梅雨入りとなりましたが,大阪もこのところかなり暑い日が多く,湿度も心なしか上がってきたようです。

今週は雨の日も少なくないようで,もうすぐ梅雨入りとなりそうです。

 

日本の夏は,その初めと終わり(6月と9月頃)に天気が悪いことが,ちょっと残念な気もします。また,盛夏期もかなり湿度があり,夜も寝苦しい日が多いのは周知の事実です。

このことが,おしなべて夏はカラッとした日の多い西洋諸国などと比較して,民族性にどのような影響を与えているか,機会があればゆっくりと考えてみたいですね。

そこから,わが国に合った法律の在り方も見出せる可能性もあることでしょう。