午前9時、

下山開始ですよ~


・・・などと呑気なことを言っている場合ではない。

下山完了までが富士山登山。


登りとは別の道を下るのだが、赤茶色の割と急な斜面をストックを使いながらズブズブと下りていく。

ここでもまた、脇の斜面に身体を預けて横たわる人をちらほら見かけたが、登りのそれがややもすれば行き倒れ的な印象だったのに対して下りは岩盤浴を楽しんでます!って感じで、わー、いいなあ…とか言いながら進む。

踵を地面に踏み込みながら(=つま先を上に向けたまま前に押し出しながら)進むといいですよ!と指南を受ける。なるほど。


私の後ろを下りてくる娘の横についてくれていたカサハラさんとカモちゃんとDDさん、娘の進み具合をじっと観察して、

「下りるのが怖いみたい」

と私に言った。


一方的に「こうしたらいいよ!」とまくしたてるのでもなく、「がんばれ!」というのでもなく、何に困ってるのかな、って想像してくれるってさー、


やっさしいなぁ。。。


・・・と、じんわり思う一方で、絶食状態の私は力が出るはずもなく相変わらずスピードは出ず、太陽は頭上でギラギラと照りつけ、このペースだとみんな家に帰りつけない(今日のうちに福岡まで帰る人が3名、下山後東京ドームに先輩が出る野球の試合の応援に行く人(=超人DDさん)が1名、残る4名も東京までは戻る)と思ったので、八合目トモエ館に戻ったところで記念撮影して、
前日の到着時の冬の格好とは打って変わって夏の装い。
服装が忙しい。

解散ー!
のつもりが、私たちの下山に不安を拭えないはっちゃんとよっちんが、付き添いしてくれた。
これはたいそうありがたい判断であった。


なんか楽しそう。写真では。


下山の間ずーっと頭から離れなかった言葉は


森林限界


樹がない、

植物も生えてない、

フィトンチッド(森の精気)がない、

ひたすら喉がかわく、

こんなの山じゃない(いや、山だ)


もう富士山はええわーーー


山中湖と河口湖が見えて景色はいいはずなんだが、なんせ足元が砂漠なので楽しむって感じではない、、、


このあたりまで来るとぼちぼち斜面に緑が見え始める。


しかし、下界はまだまだ遠い、、、


と、その頃、


なんですと?


駆け下りたんか???っていう超速で4名下山の連絡が。


立ち止まっては水を飲み、また立ち止まっては休憩して、ようやくたどりついた富士スカイライン五合目ではっちゃんが打ってくれたLINEは、



実に2時間の遅れをとっていた。

やれやれ。