たぶん、というか明らかに私は、
捨てるのが苦手なタイプ。
料理の好き嫌いとは別のところで、
食材を使い切ることに充足感を得るタイプ。
(どんなタイプだ)
でもって、循環という概念に非常に惹かれるので、
ゴミは極力減らしたい、
土に還せるものは還したい、
(堆肥作りときどき失敗)
なのに、
この夏私に割り当てられた任務:
まだ食べられる食品の大量処分
経緯はこうだ。
昨年の夏、とある食品加工会社が破産した。
1年近く処分方法が決まらなかったが、勤め先から近いこともあり、土地建物をそのまま譲り受けることになった。
電気も水道も止められた工場に入ると、働いていたひとの白い長靴や事務所のデスクの上の文房具、パソコンなどなど全て最後に使われたそのままで、そして何よりも、大量の食品在庫。
(会社の状況をわかる人はわかっていたのか製造タンクの中は空だったのにはほっとした。これが入っていたら特殊清掃依頼せねばならんレベル)
食品の多くはレトルト食品で、賞味期限は2026年2月から6月。
日本のレトルト技術を侮るべからず、ほんの数ヶ月過ぎたくらいで食べられんわけないやろ、と、私は片っ端から試食し安全性を確認。
で、当然ながら何の問題もないわけだ。
そうなるとますます
「どうするコレ??」
と、なるわけだ。
量としては、

この4倍くらいか…
ここで、仕事できるくんならば廃棄物処理業者に全部お願いしてそれで任務完了、さあ次の仕事だっ!となるのだが、
ほら、私は捨てるの苦手だから…
牛すじカレー
黒豚カレー
地鶏カレー
のパッケージに牛と豚と鶏の顔がちらつき、
産廃になるために生まれてはこなかったよね、君たちは…
そんなわけでこの夏、私は時間さえあれば倉庫に通い、嗅覚と味覚と触覚と持ちうる限りの知識を総動員して食べられそうなものと諦めて捨てるべきものをより分け、食べられるものの引き取り手探しに奔走した。
もちろん、たくさん持ち帰ったのだけれど、そんなものは焼け石に水。
じゃあまずは手近なところから、と、社内で「賞味期限切れてるけどよかったらどうぞ」と案内したら、
①いろいろ持ち帰って「食費が浮いた~」と喜んでくれる人
②おそるおそる少しだけもらう人
③「賞味期限を1日でも過ぎたものは食べません」というポリシーを持つ人
④「そもそもそんなものを案内すること自体許せない」と怒る人
と、反応が分かれた。
うん、別にいいよ、
価値観はそれぞれだからね。
本物の食糧危機が来たら③と④の人はどうするのかなーと思いつつ。
次に、私が愛用する某サイトジ〇〇ィーに出す。
ここは賞味期限内の食品しか出品できないので、賞味期限内のものを0円出品し、指定の場所に期限切れも並べて置いておき、自由に持って行ってもらう。
たくさん持ち帰ってくれる人が出てくる。
こういうことをやっていると、
「こういうのもらう人ってどういう人なんですか〜」
と社内の若手から呑気に聞かれたりしたので、
私みたいな賞味期限気にしない人だよっ
とは思っても口に出しては言わないが、
あれっ?
普段私が見ている世界は何なんだ?
となる。
夏の時期、私がYouTubeを観ようとすると、頻繁に、非常に頻繁に出てくる広告が、
「夏休み、おなかをすかせた子どもがいます」
というものでね・・・
夏休みは給食がないから、十分に食べられない子どもたちがいるのは知っている。
そういう子どもが、この15年で急激に増えたのも知っている。
それから、ユニセフのCMの、やせ細った子どもたち。
ガザでは飢餓が蔓延したよね。
だから私は確信していた、
これを必要としている人は必ずいる。
某ジ〇〇ィーでの募集と並行して、某生協が運営する生活困窮者支援施設に電話して活用していただけないか問い合わせるも、
「せっかくお電話いただいたのですが…母体が〇〇なので…利用者の方には出せないんです…」
食えねえなあ。
そうこうするうちに、ジ〇〇ィーで問い合わせて下さった方の中に子ども食堂を運営されている方がいて、
「40人で食べます」
と、たくさん持ち帰って下さった。
だがしかし。
まだまだあるのに倉庫取り壊しの日は迫る。
最後のあがきで可能な限り倉庫から運び出し、車に積んで会社に運ぶ。
うーん…
と考えて、ChatGPTに
「福岡で炊き出しやっている団体を教えて」
と聞いたら、おすすめのNPOを教えてくれたので、問い合わせしてみた。
理事の方が食品の状態を見に来てくださって、これなら大丈夫、といくらか持ち帰ってくださった。
レトルト食品のメインはカレーとお粥、
「年配の方だとカレーは重たくないですか」
と聞いたら、昨今の支援対象は若い方も多いからカレーがいいです、と言われた。
生活の基盤を失って、そこから抜け出せなくなっている若い人たち。
長年にわたって支援活動を続けているNPO。
会報に掲載された寄付者一覧の中に、プロスポーツの世界で知らない人はいない著名人のお名前もあった。
これが、この夏の出来事。
(食品廃棄とイトちゃんしつけ問題でどんよりしていた8月。何やってるのかなー私は…)
期限切れ食品で食卓リッチ、

これなんかはイトちゃんのおやつになった。

(まだあと20袋くらいある)
折しもNorizoさんが書かれていた。
「生命を繋ぎ、そして同時に
奪いながら私は生きているのです」