話は6月にさかのぼる。

 

勤め先の求人に応募してきた方々とオンラインで会っていたところ、その中に中国人のシンさん(仮名)という方がいた。

留学のため来日してから20年、最初の就職先はユニクロで、柳井さんの経営哲学をたたきこまれました、と、その内容を滔滔と語り、最も大切しているのは誠実さ、と、中身は日本人以上に日本人・・・。

 

で、そのシンさんに「当社の商品の用途としてどんなところに提案したいですか?」と聞いたところ、

 

私の趣味は登山で、富士山には7回登り、4つのルートを全て制覇しました。御社の商品は登山で使えると思います。

 

と言うではないか。

 

そこで「私も!今度登るんです!富士山!」と言いそうになるのをぐっと飲みこんだのは正解であった。

 

ちなみにシンさんは選考者全員一致で採用が決まり、その後も私はずっとやりとりをしているが富士山のことは我慢して話題にしていない。早く言いたい・・・。

 

さて。

ここまでに海外からも人を惹きつけてやまず、シンさんをして7度も登らせ間違いなくこれからも登らせるであろう富士山の魅力とは。

 

富士山の簡単な説明:

富士山は、標高3,776mの日本の最高峰を誇る独立成層火山です。 標高が増すごとに山腹の傾斜面の勾配も増し、美しい円錐形を描いています。 南側の山麓は駿河湾の海浜にまで及び、海面から山頂まで傾斜面が連続する成層火山として、世界的にも有数の高さを誇ります。

 

さて、てくてく登山道を進むと、外国人がたいそう多い。国籍もさまざま。東南アジア系の方が多い印象である。

 

 

 誰かが撮ってくれてたコドモ(↓)。

 

 

 

 

 

カナさんが「頭が痛い」といって、さっとロキソニンをのんでいた。

そういえばはっちゃんが作ってくれた持ち物Tipsはこんな感じだったが、

携帯トイレorゲロ袋二重ってさ…と思いつつ、先人のアドバイスには素直に従って準備し、頭痛薬はカロナールをザックに入れた。


そうか、高山病は頭痛がするのか、大変だなあ・・・と他人事のように思いつつ、さてこのあたりまで来ると、道の脇で横たわっている人をちらほら見かけるようになる。


高度が上がり、夕方に近づき、遮るものがないので強風が吹く中じっとしていると肌寒い。


どうするんかな、この人たち…と、思いつつ、先に進む。

登頂率は50%?


そうするうちに、ザックが肩に食い込む心持ちがしてくる。


あれ?

クッションついてるのにな。

これくらい、雷山ではどうってことなかったのにな。

水は1リットルまでっていうのは正解だったな…。


足取りも重くなってきて、気がつくとパーティの先頭からかなり遅れをとって最後尾にいるコドモ(↓)と私(の後ろを、DDさんとカサハラさんが守ってくれていた。紳士や〜〜。)しかも、コドモ(↓)を励ましながら登る図を予想していたのにそれどころではなくて、ほぼおんなじスピードでなんとか進む。


頭痛を訴えていたカナさんはさっさと回復してずーっと先に行っていた。さすが本格登山経験者である。


森林限界を越えると砂と岩と溶岩ばかりの急斜面になり、風が吹くと吹き飛ばされる恐怖を感じつつ、目指す八合目トモエ館はとんでもなく遠かった。