結構長い間私の中では、
美輪明宏までいっちゃうとあの方は別格、
でもそれ以外の人にはやっぱり抵抗感があったというか、
少なくとも積極的にお近づきになりたいという気持ちは起きなかったなあ…。

近年、LGBTという言葉がしだいに定着し、
高校の制服も選べるようになったというニュースにも触れ、

何よりも、映画やドラマでも、ごく普通にLGBTの人物が登場することが増えた。

最近のピカイチはなんと言っても

「きのう何食べた?」

毎週食い入るように観たこの作品、コンフィデンスアワード作品賞?を取ったそうで、主演の西島秀俊と内野聖陽は揃って主演男優賞。

いや内野さんは主演女優賞でしょ!


それ以外にここ2年くらいに観た映画だけでも、
「リバーズ・エッジ」
「君の名前で僕を呼んで」
「女王陛下のお気に入り」
と、LGBTが重要なモチーフになっている作品は枚挙にいとまがなく、

そうなると、
「ひょっとして、身近にいるのかも」
という気持ちになってくる。

さらに、LGBTという言葉は「オカマ」よりもはるかに中立的で客観的で軽蔑を含まず受け入れられやすい、と思う。

私が小学生のころは先生が堂々と
「男同士が手を繋いで歩いとったら変だぞ!」
と教えていたし、
「血液製剤でエイズに感染した人は気の毒だけどゲイでエイズになっても自業自得」
と言う大人もいたし、

そう考えると、
言葉や映画の力はすごい。
人の意識を変える。

さて夏休みに入った先日、
コドモ(↓)が通う特別支援学校高等部で、
就職またはA型事業所(=支援を受けながら最低賃金をもらって働ける事業所)を希望する生徒と保護者向け進路学習会があり、

最前列中央に座っていた生徒が質問したとき、
私は思わずその後ろ姿を凝視した。

ボーイソプラノよりも高くて鈴が鳴るような美声の持ち主はしかし、
男子の制服。

え、
こんな子いたっけ?

これはひょっとして、女子生徒でズボンを希望して着用してるとか?

いやそもそもうちの学校制服選べたっけ?  

とか少々混乱しつつ、さらにその様子を伺うと、
線の細さといい仕草といい、
とっても女子力高い。

あ、この子LGBTだ!
(初めて会った)

でも、本当に、「あ、そうなんだ!」としか思わなかったことに自分でもしみじみした。

自分が高校生のときだったら、気持ち悪〜いって思っちゃっただろうなあ。

隠して生きて辛い人もきっといただろうなあ。

言葉の力、
映画の力ってすごい。

だがしかしそれでも、
お母さんの心配は他の保護者よりも多いだろうなあ、と隣に座る人の背中を眺めながら思った。

ゲイといえば、ツイッターでフォローしているもちぎさん(@omoti194)という方がいるのだが、
とっても魅力的な人だなあと思う。






絵もプロ並みだなあ〜〜


追記

そういえば、20年以上前にも、
「あすなろ白書」(西島秀俊は奇しくも同性愛者の若者役で注目されたのだった)
「Mバタフライ」
「クライング・ゲーム」
などなど、観たことを思い出したが、
これらは私の中ではどこまでいっても遠い虚構の世界の出来事でしかなかった。