仕事を退職し、現在生活の空白状況にあるので、日記を書いています。
山路を登る途中、陽の当たる四阿(あずまや)で寛ぎながら、これからの道順について、あれこれ考えているところです。
以前の記事『三十代我が人生のマニュフェスト』において、自分が辿るべき計画を掲載しましたが、事態はそれほど逸れてはいません。
ここ数日間、なにをしているのかと言えば、その記事に書いた通り、資格を取得するため勉強をしています。
無事一年と半年以上、建築施工現場にて現場監督の実務を積み、二級施工管理技師の受験資格を頂くことができたので、試験に向けて勉強をしているところです。
六割点数が取れていれば合格となるので、恐らくは受かるだろうと思っています。
故に試験に関しては、それほど自分の頭を悩ませるには足らず、むしろ自分の頭を悩ませているのは、これからの道順に関してです。
会社を退職したわけですから、これからの進路に関して考えずにはいられません。
そこで、少し前まで時間を戻し、今現在、自分がどういった状況にあるのか、綴らせて頂きます。
今年2015年5月より都内にある建築塾に通っています。
この建築塾とはどういった塾なのかと言えば、とある建築設計事務所によって開設されたものです。
その設計事務所を運営するスタッフが運営し、主にその設計事務所の代表である建築家が教鞭を取り、自らの建築思想とその方法論を中心に、経験則も交えながら、建築家を志す生徒にそれらを指導するという塾です。
原則として週に一度、土曜日に開講されるのですが、堅苦しい雰囲気はなく、講義終了後は先生、スタッフを交え、酒を飲みながら賑わう場所でもあります。
5月から講義が開始され、六ヶ月間で講義満了となりますので、残り一ヶ月間となりました。
コースが四つありますので、自分が現在所属するコースを卒業しましたら、11月から別のコースの講義を受講することも可能です。
別のコースの講義も受講できますが、その他にも選択肢があります。
この塾で教鞭を取る先生の設計事務所に入社するというのも、その一つです。
また、他の設計事務所を当たってみるというのも選択肢にあります。
更には、CADオペレーターとして派遣登録し、比較的融通の利く形で仕事をし、仕事外で有意義なことをする道も考えることができます。
場合によっては、就職せずに勉強に時間を割り振ってみるという選択肢も考えられます。
言わば、いろいろな選択肢があり、どう歩んで行けば良いか思い悩んでいるのが、今現在の状況です。
それぞれの道に、利点難点、あるいは、それ以前に経済的に険し過ぎる道などあり、即断できかかねる状況に陥っています。
本来、選択肢が多いのは安堵するところですが、逆に自分の心は葛藤にいくらか疲れています。
恐らくは、楽をしたいという気持ちと、しなければならぬという自分の将来に枷た義務の間で、上下に引っ張られているからでしょう。
もし、将来に枷た義務のために険しい道を登って行くのであれば、覚悟を決めなければなりません。
どういうことかと言えば、例えば先の建築塾の母体となる設計事務所に入社するのであれば、快適な暮らしはまず送れません。
ブラック企業という言葉があるが、アトリエ系設計事務所は、例外なく極限のブラック企業です。
経済的利潤ではなく、文化的価値を追求したそれらアトリエ系設計事務所は日本においてビジネス・モデルとして成立していません。
僕が通う建築塾の母体の設計事務所に至っては、入社して一年間は給料が全く出ないと聞きました。
つまり、極貧生活を送らなければなりません。そして休日がない。
他のアトリエ系設計事務所も、月給は10万円程度でしょう。
自分が独立するまでの修行と思ってやりきれるだろうか心もとないです。
しかし、建築家に成ることを考えるのであれば、いずれはこの道を通るべきではないかと呵責を起こしています。
反対に楽をすることを考えるのであれば、働かず自分の好きな勉強の方に力を注ぐということ考えます。
京都造形芸術大学の建築の通信教育や建築塾に継続して通い課題をこなすこと、あるいは自分の好きな分野であり建築と親和性のある哲学など…
しかし、勉強をしてそれが仕事に結びつかないのであれば本末転倒であり、この場合の勉強は働かないことの補償と現実逃避に近いものになってしまいかねないので悩むところです。
こうして、どうすべきかということを思いつめていくと、深い悩みとなり、人生論まで司らなければならないような悩みになります。
「人生とはなにか?」と胡散臭いことを考えてます。
本来、人生において最も追求すべきものは、「幸福」ではないか。
束の間の幸福を諦めて、その向こうにある幸福を得るため不幸であること、それに耐えるだけの覚悟と力量を身に付けたい。
しかし、やはり楽がしたい。
今現在、山路の四阿(あずまや)でもの思いに耽っています。
改めて後日、進路について書こうと思っています。