土を盛り上げたところがあった

草木に覆われたそこには罠が一杯あったんじゃ

近所に住む子供たちは罠に気づいていてのう

そこには近づかぬようにしてたんじゃ

ある日遠くから越してきた女の子がいてのう

罠にはまってしまったんじゃ

子供たちはげらげら笑って

「あの馬鹿娘、阿保もいい加減にしろ

あんな罠にはまって」と騒いでおった

それも其の筈その罠は一見穴が掘っておるだけ

じゃったんじゃが

穴の奥には鰐の歯のような物凄い

金物があったんじゃ

そこに落ちた娘っ子はこの金物に足を

噛まれ挙句に死んでしまったんじゃ

この事件以降この盛土は立ち入り禁止と

なってのう盛土も死んでいったんじゃ