最近、この「日本」という国や、

そこに住む「日本人」という人々のことが、

ものすごく不思議に感じることがあります。

 

憲法改正という問題について考えるときに、

とくに感じるのです。

 

我が国の総理大臣であり、自民党の総裁である

安倍晋三さんは言います。

 

「憲法改正は、我が党の結党以来の党是である」と。

 

これはつまり、自民党というのは、結党したそのときから、

「日本の平和憲法を改正する」ということをテーマにした政党であった、

ということですよね?

 

え?そうだったの?

し・・・知らなかった(汗)

 

ということは、最近、安倍晋三さんは「世界の情勢が変わってきたから」とか、

「北朝鮮がどうのこうのだから」なんて

憲法改正の必要性についておっしゃっていますが、

本当はそういうことではなくて、自民党はもともと憲法を改正することを

その存在のテーマにしている、ということです。

 

みんなは知ってたなら、もっと早く言って欲しかったなぁ。

 

不勉強な私は、安倍晋三さんがそのことを口にするまで、

自民党が憲法改正をずっと訴えていた政党であったなんて、

まったく知りませんでした。

 

まったく日本人として恥ずかしい限りです。

 

 

さて、皆さん、よくご存知の通り、戦後の日本は、

巨大な自民党という政党のほぼ一党状態で政治が行われてきました。

 

これはつまり、何度かの例外はあるものの、

基本的には選挙のたびに、自民党が勝ってきた、ということです。

 

別の言い方をすれば、それだけ多くの日本人が

ずっと自民党を支持してきた、ということですよね。

自民党に投票してきたのですから、ね。

 

選挙というのは国民の声を代議士に託して

国会へと届けることなのですから、そういうことでまちがいないはずです。

 

ということは、日本人は戦後ずっと、

憲法を改正したくてしたくてたまらなかった、ということですよね?

 

そこに率直に、私は驚くのです。

 

私は昭和46年に生まれてから今まで、

ふつうの日本人たちがそんなに憲法を変えたいと思っていた

という印象は持っていなかったし、

「人権を守ろう」とか、「世界を平和に」という言葉こそたくさん聞いてきたものの、

「天皇を国家元首に戻そう」とか、「もういちど戦争できる国にしよう」なんて

そんな意見は、聞いたことはなかったのです。

 

でも、それは私が不勉強で、無関心であったことが原因で、

たくさんの日本人たちは、世界に比類のないこの平和憲法が

実は嫌で嫌で仕方なく、基本的人権とか、国民主権なんて、

自分には不要なものだと思っていた、ということですよね。

 

私、まったく知らなかったんですよ。そいうことを。

 

だって、皆さん、それを知っていて、

ずっと自民党に投票してきたわけですもんね。

 

 

私は、多くの日本人の方々とはちがう考えを持っているようで、

自分の基本的人権が認められない社会は、イヤなんです。

 

賛同してもいないのに、国の命令で戦争に行くのもいやですし、

無理に兵隊にさせられるのも、イヤなんです。

 

自分が愛する人を守るために戦うのはいいのですが、

天皇のために死ね、と言われるのはイヤなのです。

 

多くの方とちがうのかも知れないですが、

私は主権者として、

政府や政治家がこの国や国民に

好き勝手なことをしようとすることを許すのがイヤなんです。

 

多くの方とちがうのでしょう。

 

だから、とても孤独感を感じますが、

それでもやはり、世界は平和でなければならないと思っているし、

戦争なんて、絶対にしてはいけないことだ、と思っているんです。

 

私はそういう考えを持った数少ないとても変わった人間なので、

国民主権、基本的人権、平和主義をかかげる

いまの日本の憲法をとても誇らしいと思っているし、

その憲法を変えて、明治憲法のようなものに戻そうとする

自民党という政党をまったく支持できないのです。

 

そして、こうも思うのです。

 

こんなにも強大な自民党を作り上げた日本国民たちは、

70年も大嫌いな「平和憲法」がつづいていて、

本当にイヤだったのだろうな、と。

 

私は、この平和憲法がいいと思うので、

この憲法がへんな方向に変えられてしまったら、

我慢できないほどイヤな気持ちになります。

 

だから、その私と同じように、

この「平和憲法」が我慢できないほどイヤだった人が

日本人の多数派だったのだと思うと、

「今まで、70年もの間、よく我慢してきたね!」と

エールさえ贈りたいような気持ちになるのです。

 

そして、そんなことをまったく知らなかった自分を

とても恥ずかしく思うのです。

 

 

でも、どうしてもわからないことがあるんです。

 

憲法改正を党是とする自民党を支持し続けてきた皆さん。

国民主権、基本的人権、平和主義を廃止しようという考えを支持する

自民党支持者の皆さん。

 

皆さんは、あなたを「あなただ」と認めることを許してくれる、

「基本的人権」が、どうしていらないのですか?

 

あなたが「基本的人権なんかいらない!」と好きに言えるのも、

あなたに「基本的人権」が認められているからです。

 

どうしてその「基本的人権」を嫌ったり、憎んだりするのですか?

 

私は、自分の基本的人権が奪われるのは本当にイヤなので、

どうしても、その気持ちが理解できないのです。

 

だから、本当に知りたいのです。

あなたの存在を認めてくれる、基本的人権がいらない、その理由が。