小池百合子さんが希望の党の代表を辞任されましたね。
皆さんは、この一連の出来事を、どうお考えになるでしょうか。
私は、こう考えています。
「少し予定外のことが起きたけど、ほぼ予定通り」
そもそも、なぜ小池百合子さんは突然、希望の党を結成したのでしょうか?
しかも、自ら国政に打って出たわけではないのです。
自らは立候補していない・・・。
で、結果はどうなったか、というと、自民党の圧勝でしたね。
そしていま、小池百合子さんは何もなかったかのように、
希望の党の代表を辞任する。
なぜだと思いますか?
私は、「ミッションを達成したから」だと思っています。
※
小池百合子さんに課せられたミッションとは、
なんだったのでしょうか?
それは「自民党の勝利」ではないと、私は思っています。
そうではなく、
「憲法改正派で国会の大多数を占める」ということだったはずです。
今回の選挙の目的は、じつはただひとつで、
それは憲法改正です。
具体的に言えば憲法13条と97条なのですが、
詳細はさておき、とにかく「憲法改正派の議員を国会に大量に送りこむ」
というのが、党派を超えたミッションだったはずなのです。
でも、学園問題でイメージダウンした安倍・自民には、
いま、その求心力がない。
逆にそのタイミングで「アンチ・安倍」に見えつつ、
その実態が「憲法改正派で占める」という勢力を作れば、
たとえ選挙の結果がどう転んだとしても、
国会には大量の「改憲派」が送り込まれることになります。
希望の党が勝つとしても、自民党が、
自民党が勝つとしても、希望が、
野党第一党になってしまえば、もう怖いものは何もない。
そういう筋書きだったはずです。
※
そこで、巧妙に仕組まれた仕掛けが、
自民党のスパイとでもいうべき、民進党の前原代表です。
彼は、今までも野党共闘のブレーキをかけつづけて
安倍政権打倒を阻んできましたが、
何よりも、憲法を改正して日本を明治時代に戻そうという思想の
あの「日本会議」に属している人物ですよね。
どうしてそんな人物が民進党にいるのか、私は不思議だったのですが、
つまり、自民党に都合のいいように、
野党を内部からコントロールする役割を果たしているわけですよね。
前原さんと同じく、日本会議のメンバーである小池百合子さんは、
政治的な目的において最初から仲間どうしだったわけで、
憲法の改正に反対している一部の民進党議員を排除し、
改憲勢力として純度を増した民進党を希望に抱き込むことで、
自民党に匹敵する改憲勢力を作って、
「どっちが勝っても憲法改正」という状況を作り出すことが
小池百合子さんのミッションだったわけですよね。
そして、そのミッションは、しっかり完遂されたわけです。
そもそも党の代表になりながら、自らは立候補せず、
政権をとったとしても誰が総理大臣になるのかわからない。
東京都知事という大役の在任中で、
地方分権さえもがないがしろにされる、など、
矛盾点だらけだった今回の小池・希望の騒動。。。
国民は、最初から茶番劇に付き合わされていただけ、
というのが現実なのだと思います。
※
さて、小池百合子さんのミッション、
ほぼ完璧に遂行されましたが、
ひとつだけ誤算があったと思います。
それは、言わなくてもよかった「排除」発言により、
結果的に、現政権による憲法改正に反対する、という
非常にわかりやすいビジョンを持った政党、
立憲民主党を誕生させてしまったことです。
そして、その立憲民主党が、
希望の党をぬいて野党第一党になってしまったこと。
いま、自民党は野党による国会での質問時間を短縮させる、
という卑怯な手で、この現象の収集を図ろうとしています。
こんなことは、希望が野党第一党になっていれば、
やらなかったことでしょう。
そもそも、自民党が大勝していることは決して「民意」ではなく、
いくら得票数が多くても、2位以下なら落選という、
大政党にめちゃくちゃ大きなアドバンテージがある
「小選挙区制」という制度がなければ、
今の国会はまったくちがう景色になっていたはずです。
民主主義の本質を踏まえれば、
自民党は自分たちに都合のいいシステムに依存して
国会という閉塞空間を牛耳っているに過ぎないんですね。
それを、我々国民は、どう捉えるか。。。
※
とりあえず、自民党から見れば小池百合子さんは
どう見ても今回の選挙のMVPだし、
こういう手柄を持って、
将来、日本初の女性総理大臣になるのかも知れないですね。
何はともあれ、国民の覚醒が待たれます。