今日は少しユニークな観点から、

なぜ「希望の党」が存在しているのかを説明したいと思います。

 

皆さん、よく選挙になると

「投票に行こう」という呼びかけを聞きますよね。

 

うるさいなぁ、とか、うざいなぁ、とか

思ってしまうかも知れませんが、今度、よ~く見てください。

そういう訴えをしている人たちが、どういう人たちか。

 

どういう主張の人たちなのかを。

 

恐らく気づくと思うのですが、

だいたいそういう人というのは、

選挙によって、現状を変えたいと思っている人。

つまり野党の側に投票して欲しい、という人です。

 

既存の与党(今で言えば自民党)に満足していたり、

現状のままでいいのだ、という人は、

ことさら「投票しよう」などと言いませんね。

 

どうしてでしょうか?

 

 

実は、投票率と選挙の結果にはある傾向というか、

からくりというか、そういうものがあります。

 

日本の選挙における投票率は、のきなみ低いですよね?

 

で、その低い投票率の中で、

いちばんたくさん得票しているのが自民党なわけです。

 

では、選挙で投票しない人って、どういう人たちでしょうか。

多くは「今のままでいい」と思っているわけではなく、

本当は現状に不満もあるし、変わって欲しいのだけど、

選挙なんかやっても無駄だと思っている人たちです。

 

「選挙にシラけている人々」と言えるでしょうか。

 

自分一人が投票したところで、どうせ世の中は変わらないと

思い込んでいる人たちなわけです。

 

だから、一生懸命「投票して!」と呼びかけられるのも、

どこかウザったく感じてしまうのでしょうね。

 

では、どういう人がいちばんたくさん投票しているのか?

それは自民党に政権をとって欲しいと思っている人たちです。

 

ここまでいいでしょうか?

 

 

実際に投票をする人の中のいちばんの多数が、

自民党に政権をとって欲しいという人であって、

そうではないたくさんの人たちが、投票をしていない、わけです。

 

ということは、ですね、こういうことが言えるのです。

 

投票率が上がると、、、

つまり、選挙を棄権していた人たちが投票行動をしはじめると、

どうしても自民党支持ではない人の票が増えるのです。

これは必然なのです。

 

 

だからこそ、現状を変えたい人が「みんな投票しよう!」と呼びかけるのであり、

逆に言えば、自民党支持の人々は、

できるだけ投票率を低く維持した方が有利ですから

誰にも「あなたも投票に行け」などとは言わないわけです。

 

 

つまり、単純な言い方をしてしまうと、

投票率があがると、既存の与党が負ける可能性が高まる、

ということなわけですね。

 

で、今回の選挙。

そもそもが安倍政権による学園不祥事を

うやむやにするという意図がありますから、

自民党の得票は前回よりは下がることが必然だし、

もっと言うと、憲法改正の問題などもあるので、

今までよりも投票率が上がってしまう可能性があるわけですね。

 

なんとか、対抗手段を取らなければなりませんね。

 

さぁ、あなたならどういう方法を考えますか?

 

どうしても憲法改正だけはやりたいとして、

上がってしまう投票率を、なんとかする方法です。

 

 

要は、上がってしまう投票率に対し、

どこがその受け皿になれば、改憲勢力を維持できるか、

ということがポイントです。

 

そこで登場するのが、小池・希望の党なわけです。

 

「希望の党」はまるで安倍政権と対立しているかのようなムードで登場し、

野党第一党であった民進党を抱き込むことによって

さも、「安倍・自民が嫌な人はこちらへ」的な

立ち位置に立とうとしています。

 

しかし、ご存知の通り、元民進党の中でも

リベラルな考えを持っている人材は排除しましたね。

 

それってつまり、清濁両方を含んでいた民進党という政党を、

清と濁にわけて、その濁の側だけを取り込んだわけですから

(別に清だけ、と表現してもいいですが)

実質的には民進党の中にいた自民党みたいな人を、

ちゃんとそっち側の人にした、というだけの話です。

 

でも、見た目上は安倍・自民と対抗しているように見せているわけです。


しかし、実際に希望の党の存在が何に資するか、

といえば、それは「どこが勝っても憲法改正」ということなのですね。

 

投票率が上がったとしても、その票を分散させることで、

ひとつの政党に自民党以上の票の集中がないようにする。

 

もしくは、まんがいち自民党が敗退することがあっても、

希望が勝利して憲法改正という大目標だけは達成できるようにする。


その際、民進党の中にいた「憲法改正派」を、民進党という外箱を取り外すことによって、堂々と改憲派として振る舞えるようにしておく。


そんな役割を担って、希望の党は存在しているわけです。

 

今の与党の考え方に立って、決して憲法改正をゆるさないために、

自民・公明・希望・維新には、投票をしないことが懸命です。

 

民進党が解体したことによって、

帰って立憲民主党は非常にピュアな存在になったとも言えます。

希望の党に行った元民進党の人々を

トロイの木馬として期待するという声もありますが、

今のところ、ちょっと危険な発想のように感じます。

 

あなたはどう感じるでしょうか。