私にはどうしてもわからないことがあります。
とっても大事なことなので、できれば、読んで、
一緒に少しだけ考えてみて欲しいのですが、
それは、どうして自民党の言う憲法改正に賛成している
日本国民がいるのだろうか?ということなんです。
もちろん、憲法9条がいいのか、悪いのか、みたいな意見は
それぞれにあると思うんです。
私だって、今の憲法に指一本触れるべきでない、
とまでは思っていないんですよ。
「改正」なんだったら良いんです。
でも、あんなにたくさんのことが書いてある憲法の改正ってことは、
いったいどの部分を、どんな風に変えるの?ってことがないと、
本来、賛成も反対もないはずですよね?
※
じゃ、自民党が今、憲法をどんなふうに変えようとしてるのか?
それはものすごく端的に言ってしまうと、
憲法全体を「明治憲法に戻そうとしている」んですよね。
大日本帝国憲法ですよ。
だから、皆さん、この問題は「憲法改正問題」ではなく、
「大日本帝国憲法復元問題」という言い方に変えた方が良いんです。
で、その上で、賛成か、反対かって判断すればいい。
では、大日本帝国憲法(=明治憲法)ってのは、
どういう憲法かというと、
一言で言えば、「国民が主権者ではない」ということです。
主権者は誰か?
天皇です。
とてもだいじなことを言いますが、
明治憲法では、国民に基本的人権が認められていないんです。
そういう憲法にしたい、と望む国民が、
一人でもいることが、本当に不思議なのです。
いや、政府や為政者みたいな支配者層が望むのはわかるんですよ。
でも、いま、認められている基本的人権を
自ら手放したい国民って、本当にいるんでしょうか。
※
どういうことかって、すごく簡単に言うと、
戦前の憲法(明治憲法)は、
もちろん日本人によって作られたわけですが、
これはものすごく右に寄っている憲法だったわけです。
誰のための憲法か、というと支配者のための憲法だった。
国粋主義ですし、軍国主義だし、
独裁みたいなもんです。
で、その状態で戦争に負けて、GHQから
個人の権利と平等を説く、ものすごく進んだ憲法を
押し付けられたわけですよね。
国民のための憲法を押し付けられちゃったわけです。
まぁ、ここは押し付けられた、ってことにしましょう。
だから、もとの憲法が好きだった右寄りの人々にすると、
現行の日本国憲法ってのは、思いっきりリベラルで、
左寄りの憲法で、安倍晋三曰く「みっともない憲法」なんですよ。
でも、いま、現代を生きている日本人ってのは、
この憲法に守られて、今まで好きなように生きてきたわけです。
いろんなことを考えるのも自由だし、
なにを信じるのも自由だったんです。
それは、リベラルで平等な日本国憲法があるからなんですよ。
右翼の人々の人権ですら、このリベラルな憲法に守られているわけ。
右翼だろうが左翼だろうが、どんな思想をもっていようが、
そんなことには一切おかまいなく、
もし明治憲法が復元されれば、国民はみんな基本的人権を失う。
一人残らず、全員ですよ。
それが嬉しい、という国民がいるってのが、理解できないのです。
※
なんていうんでしょうか・・・
お母さんに甘えて好きなように生きてきた子どもが、
自分が自由でいられるようにしてくれたお母さんを
突然、殺そうとしているようなもんです。
自分が好きなように生きてきたのは、
まるで自分の力であったかのように錯覚してる。
自分が自由にものを考えてこられた理由そのものを
自分の手で消し去ろうとしている。
そこが、、、、本当にわからないんですよね。
伝わるでしょうか?
※
もういちど、いいます。
「憲法改正問題」という言葉は、実際の体を表現していません。
実際にはこの問題は、
「大日本帝国憲法=明治憲法復元問題」です。
9条の話は、個別にしていけばいいじゃないですか。
それより重要なのは、あのたの掛け替えのない
「基本的人権」を手放していいのか?ということなんです。
問題の本質は、そこですので、
それ以外のことは、おまけみたいなものですから、
まずはそこから、判断の基準にしてみませんか?
以上、私からの提案でした。