よく日本のメディアにはジャーナリズムがない、と言います。

私は、これは当たり前だと思うんです。

日本のメディアの多くは「広告収入」で成り立っています。
我々が民放のテレビをタダで見られるのは、
広告主がCMを流していて、
視聴者はそのCMを見ることと引き換えに、
タダでテレビを観ているのです。

そういう意味では、録画した番組を観ながら
CMをスキップすることは、
実は「詐欺行為」みたいなものです(笑)

広告のないNHKを見るのはお金がかかります。
「受信料」と言いますが、
この「受信料」を払うことで、我々はCMという
特定企業の思惑から自由になり、
中立的な情報に接することができるのです。
あくまでもシステム上は。

だからNHKは国営放送ではなく、公共放送ですよね。
公共ということは誰かのものではなく、
みんなのもの、ということです。

さて、民放が企業のCMに支えられて運営されている以上、
テレビ局は決してスポンサー企業が
不快になるようなことはしません。
当たり前です。
どんな業種であれ、お客様を不快にさせていては、
お客を逃して企業間競争に負けてしまいます。

ですから、誰がなんと言おうと、
民放はスポンサー企業が不快になることはしません。
絶対にしません。

あなたが「お前らにジャーナリズムはあるのか!!!」
と怒鳴っても、
ジャーナリズムと引き換えに、
会社の利益を失くすことはできないのです。
それは、きっと、あなたも会社員なら、
あなたの業種で同じことをやっているはずです。

それに文句を言いたいなら、「資本主義」に文句を言いましょう。

私はそれに文句が言いたいですが、
はっきり言って、今、そのことに文句を言っていても、
永遠に堂々巡りになるだけで、前に一歩も進むことは出来ません。
それなら、こう考えましょう。

「マスメディアは、本当のことを一切言わない。
そういうものだ。」

そう割り切ってしまえば、楽なもんです。
テレビから本当の情報を得ようとすることこそ、
ナンセンスなのです。
先の戦争中だって、メディア(当時のメインは新聞)は
大本営のウソ情報ばかりを民衆に伝え、
ときには大本営以上にオーバーに
国民を戦意高揚に焚き付けました。

そういう前科者を信じる方が、愚かな行為なのです。
システムは何も変わっていません。

海外のメディアの人々に接したことがないので知りませんが、
もし海外ではマスメディアがジャーナリズムを確立できているとするなら、それは恐らく「国民性」のちがいでしょう。

日本人というのは「なぁなぁ」が大好き。
持ちつ持たれつ、清濁合わせのみつつ、
長いものには巻かれる性質です。

まぁ、はなはだ恥ずかしいわけですが、それが事実です。
だから、民放テレビや大企業を広告主にする大手の新聞などが
本当のことなど、伝えられるはずがないのです。

皆さん、プロレスを見るときに、
「あれはエンターテイメントだ」と知っていてみますよね?

そういう目で見られない人は、
プロレスを見てはいけないんですよ。
人々がプロレスに求めていることは「マジのケンカ」ではない。
「プロレス」という名の劇的なショーなのです。

テレビや新聞も同じ視点で見れば良いのです。
それができない人は、テレビを見るのをやめるべきでしょう。
あんなものから、本当の情報が出てくるなんて、
理屈が通りません。

さて、そういう意味では、NHKというシステムは
非常に良く出来ていて、とても重要なのです。
なんといっても、国民自らがカネを出すことによって
コマーシャリズムから情報を引き離すことができるのですから。

今、NHKを責める人がたくさんいます。
私もその気持ちはわかります。
が、決して間違えてはいけないことがあります。

それは、「どうしていまNHKがおかしいのか」という原因です。

NHKがおかしい原因はただひとつで、
トップを政府が買収したからです。
もちろん、そのことに大声で抗議すべきですが、抗議の内容は
ちゃんとすべきです。

「我々の味方であるはずのNHKを買収するとは、何事だ!!」
というのが抗議の本旨でなければいけません。

今、NHKは政府にコントロールされていますから、とくに報道では
本当の情報が流されません。
その現象は、NHKがトップの買収によって民放化している、ということであって、その部分をちゃんと理解して抗議しなければいけません。

それと、受信料をちゃんと払わないといけません。

受信料を払っているということは、NHKは金を払っている我々のものなのです。どこかの企業の思惑に流されず、我々に本当のことを伝えなければならない、日本で唯一の放送局がNHKです。

だから「あんたら、こんな具合ならカネ払わねぇぞ!!」は
まぁ、正しい抗議ですが、
訳もなく「払いたくない」というのはダメなのです。

別の言い方をすれば、受信料を払う、とは、
国民のカネでジャーナリズムを守る、ということ。

そこには企業も政府も、一切手出ししてはならない、というのが
「良心」に基づくルールなのです。
いま、そこを政府が壊している。
そういう状況だ、ということですね。

私は最近、少しずつNHKに
良心が戻りつつあるように感じています。
NHKがもとに戻ることが、我々がメディアに求められる最善です。
民放は決して戻りません。
そのときそのとき、カネの流れる方向に、日和見主義的に動くのが民放です。

当たり前のことです。

総括しますと、民放は絶対に本当のことは言いません。
だから、本当の情報が欲しいなら、観ないこと。
観たい人は「プロレス」を観ているつもりで、決して本気にしないこと。ウソを言われても、民放だもんね、と割り切って騒がないこと。

民放には真実を伝えるメカニズムがないですが、
NHKには唯一それがあるので、それをないがしろにする政府を糾弾すること。
NHKがもとに戻ったら、それを評価し、NHK以外は観ないこと。

これがとても重要なことです。

まぁ、いまどき、本気でテレビを観ているなんて、
ちょっとカッコわるいよ、
という空気を、みんなで作れるといいですね!!

もちろん大手の新聞も同じですね!!!