近年、「会社を辞めたいけれど自分で上司に言えない」という人の増加とともに急拡大してきたのが退職代行サービスです。
本人の代わりに会社へ退職の意思を伝えてくれるため、精神的負担が軽くなるとして利用者が増えてきました。
しかし今回、その業界最大手とされる「退職代行モームリ」に違法業務の疑いが浮上しました。
社長夫妻が弁護士法違反で逮捕
警視庁は3日、「退職代行モームリ」を運営する会社「アルバトロス」(横浜市)の
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社長 谷本慎二容疑者(37)
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妻で事業部長の志織容疑者(31)
を弁護士法違反(周旋=あっせん)容疑で逮捕しました。
逮捕容疑は、
弁護士資格がないのに、退職希望者と会社側の法的交渉を弁護士に紹介し、報酬目的で仲介した
というものです。
退職代行はどこまで合法なのか?
退職代行サービス自体は違法ではありません。
本来できる業務は例えば…
✅ 退職の意思を会社に伝える
✅ 書類の手続きの連絡
✅ 貸与品返却などの事務連絡
など、あくまで「伝達・事務手続き」に限られます。
しかし…
❌ 残業代請求
❌ 退職金交渉
❌ 損害賠償トラブル対応
といった法律交渉を扱うのは弁護士のみに認められています。
弁護士資格がない業者が交渉に関わると「非弁行為」となり違法になります。
弁護士側も調査対象に
今回、提携していた弁護士事務所の弁護士2人と事務員も
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非弁提携(違法な紹介を受けた疑い)
で任意調査を受けています。
弁護士法では、弁護士でない人が報酬目的で仲介することも、弁護士側がそれを受けることも禁止されています。
急成長する退職代行市場の裏側
退職代行サービスは2017年ごろから登場し、需要が急増しました。
アルバトロス社は2022年創立で、
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正社員利用料:2万2000円
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アルバイト:1万2000円
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年間2万件以上の退職実績
をうたっていたとされています。
一方で、業界には以前から弁護士会が
「非弁行為の可能性がある」
と注意喚起していました。
今後、利用者が気をつけるべきこと
退職代行を利用する場合は、
✔ 交渉が必要なケース(未払い残業代など)は弁護士に依頼する
✔ 「弁護士監修」ではなく「弁護士が運営」か確認する
✔ 安さや宣伝だけで選ばない
ことが重要です。
まとめ
退職代行は現代のニーズに合ったサービスですが、
法律の境界線を超えると違法になるという現実も浮き彫りになりました。
今後は業界全体の規制や信頼性が問われることになりそうです。