=3321=中国のソフトパワー | 老コンサルの残日録

=3321=中国のソフトパワー

姿は議会制民主主義でも実態は独裁政治の国は多い。世界では独裁政治の国の方が圧倒的に多く、そこは利権と腐敗の世界。独裁は為政者自身には非常に美味しいので彼はどんな手を使っても己の今の権力を維持し更に増進しようとするのは自然の理。

 

アジア・アフリカの殆どが独裁的後進国を支配するために中国は、そういう国の独裁者に「貴方が独裁を維持するには経済を発展させ国民の批判を封じるのが必要だ。独裁国の中国の経済は急速に発展したが民主主義の米欧経済は低迷、経済発展には民主主義より独裁のほうがイイ。貴国は貴方が独裁者だから経済発展の可能性は充分。中国は貴方の独裁を維持増強するため貴国の経済発展に力を貸そう」。

 

「貴方が更に独裁を強化する方法、経済発展のノウハウ、インフラ整備のため資金相談、国民には内緒だが必要なら貴方が大好きな袖の下も…。ただしプロジェクトは中国企業が請負い材料は中国製で作業者は中国が派遣する。金利は…」。賄賂が罷り通る国は袖の下を有効利用して仕事を取るのは当りまえ。独裁者が袖の下を受け取り中国と手を握った後進国はやがて高い金利に音をあげ返済不能になり、中国は借金のカタに…、軍事施設を整備する。最後は軍事力で恫喝。

 

<一帯一路>関連国に中国は「社会制度の強要はしない」と言うが…、中国流に考えるなら「騙す利口と騙される馬鹿」、ばれる?ばれない?

 

習近平と側近が国民受けする<腐敗撲滅>を旗印に政敵を屠りその利権を掠め取りつつ独裁を成し遂げたが、中国に<腐敗なき国家>は馴染まない。

 

元もと独裁国で民主主義が馴染まない国に無理やり民主主義を押し付けようとしてきた欧米民主主義先進国、独裁者に独裁の有利性を説き独裁維持のやり方を伝授する中国、190余国の中に多い独裁国にどっちが受けるか明らかだ。

 

米国はここへ来てやっと中国の<ソフトパワー>に気付いたようだ。米国が仕掛けた貿易戦争に「やれるものならやってみろ。負けはしない」の中国に、まさか?あの中国が?遅すぎる。これからの世界は<軍事力と経済と社会制度>の覇権争いの時代になるのかもしれない。