=2084=安倍内閣の成長戦略の思考回路はグチャグチャ | 老コンサルの残日録

=2084=安倍内閣の成長戦略の思考回路はグチャグチャ

甘利大臣の「…<企業収益が上っているのに賃金を上げない、下請け代金を上げないのは恥ずかしい企業だ>という環境を正直つくりたいんです」を聞いて、経済再生担当大臣はナマの経済が解る人でなければ務まらない筈なのに、やはり彼はこのレベルでしかなかったんだと、解ってはいたが改めてガックリ。


不祥事つづきの<みずほFG>が典型的な例で、今の大企業のサラリーマン経営者の多くは目先の利益を上げて己の地位を守りたい人だらけ。アベノミクスで目先の円安利益が増えそうだ、消費増税で戻り税利益も増えそうだ、自分の地位保全には有り難いが社員賃金や下請代金を上げると利益が損なわれ己の地位が危うくなるのでそれは出来ない、恥かこうが自分の地位保全の方が大事だ。こんなもん。


また彼はその前に「(消費増税で)物価が上がって賃金が上がらなかったら経済は完全に失速して安倍政権は終わり、その後の政権は消費増税にさわれなくなって日本が終わる。賃金が上がらなければ我々は失敗だ」的な発言も。ところで安倍首相は「経済を回復して外資を呼び込む」らしいが、更に人件費が高くなる日本に外資が来る?バカな。


考え方やり方が逆さまな事にまだ気が付かない?始めたんだからしょうがない?<消費増税で景気は回復し国民収入は増える>は彼等を騙した財務省の計算式、ビジネス社会の計算式は<政治行政のムダを省き官僚の為の規制を撤廃し経済が活性化すれば自ずと国民の収入は増え消費増税は不要になる>だ。


前に安倍首相と経済関連大臣が経団連幹部と会談し「賃金を上げてくれ」、まるで乞食のパフォーマンスで情けない。暗黙裡に<アベノミクスで経団連加盟企業にはイイようにしてやったんだから借りを返せ>ならバカな人達。「貸すは与えるに同じ」が解らない。新聞は「トヨタと日立(の2社だけ?)が(中味は不明だが)賃金を上げる」と。


昨日の日経1面に「大卒内定3年連続増(来春3%)」と大きく出ているが内定者の大幅増は金融関係だけで実数は知れている、次いでアベノミクスの円安政策と消費増税で打撃を受ける自己責任経営の非製造業はやや増やすものの、安部政権がサポートし最も当てにしている肝心要の<円安の恩恵を享受し消費増税に大賛成の>経団連加盟業種はどこも内定減。これを安倍首相や甘利大臣はドウ見る?おまけに<円安で輸出増>の演出は外れて貿易赤字は過去最大級。


また<規制緩和を進める>に何故か地域を限定して「国家戦略特区」を設けるらしい。他の閣僚は省益を守るに懸命だろうから外し(これは正解だが彼等を大臣に任命したのはダレ?)、安倍首相と菅官房長官と例の甘利大臣だけが担当するというがこのレベルの人達がプロジェクトの肝で大丈夫?


そして<規制緩和・規制撤廃>をすれば経済は自律的に回復して消費増税は要らないのにナゼ「特(別な地)区」だけでそれを行うのか?なぜイイ事、必要な事と思うなら全国一斉にやろうとしないのか?ここにも何かきなくさいものを感じる。それにしても、経団連という飼い犬に手を咬まれそうな甘ちゃん安倍内閣に哀れを感じるが、国民はそれでは困る。


思考回路がグチャグチャなのは己の政治的信念を持たず誰かが書いた脚本で踊っているだけだからかもしれない。こういう国家国民の為にならない政治は早く<削除>すべきだ。遅くとも3年後には。明日から3日間はBLOG休刊日。