流星号危機一髪 その① ぱんちゃ~君奮闘記 | Fiat Panda 30 Life

流星号危機一髪 その① ぱんちゃ~君奮闘記

 

春も中頃の北海道、気温は17℃前後ととても過ごしやすい日々が続く、

 

パンダリーノの北海道組は長距離を走る準備に余念が無い。

いろいろと分解したり部品を入れ替えて見たり、休日は全部そんなことで過ぎて行くのがこの時期の通例。

 

 

フェリ-に一泊するのを含めるならパンダリーノの聖地、なぎさ園にたどり着くには最低3日はかかる、

そんな長期旅行を次週に控えた週初めのある日にぱんちゃ~君から電話が来た、

曰く、流星号がこわれました・・と、

 

そんな訳で急遽様子を見に千歳基地へ向かう、

 

千歳へ向かう途中の田園風景、水田に水を張って田植えの準備をし始めている、もう直ぐそんな時期か。

 

ぱんちゃ~君、パンダリーノ遠征の為、残業や代勤をこなして忙しくしているらしい、

パンダリーノ出走は流星号の様子如何ではどう成るかわからない危機的な状態だ。

 

頭を入れて手術を待つ流星号、

この日のぱんちゃ~君の出勤時間は午後4時、 午前と午後の限られた時間しか無い。

 

症状は高速道路120km/hで巡行中に水温の上昇とエンジンレスポンスの不具合を感じて急遽停車、

ヒーターが効かなくなり、排気管から大量の水蒸気と思しき白煙を吹いていたとの事、

当日電話を受けて、自走せずにレッカーでの移動を進めた。その時点では他の軽微な不具合である可能性を

期待していたのだが、移動後の状況説明で淡い望みも消えた。 

ガスケット抜けの症状だった。

 

単純にガスケットが抜けただけなら、早期に症状を確認してレッカー移動しているので

その他の部分に不具合を発生させていないなら回復できるかもしれない。

 

問題部分へたどり着く為に作業を始めるぱんちゃ~君 何時もの楽しい趣味の整備とは雰囲気が違う、

アヒルを置いてSNSの写真を撮ったりする様子も無い。

さて、オイルフィラーキャップを開けると、緩いマヨネーズ?

 

ドレーンから出てきたのは溶け気味のマックシェ―ク森永ミルクキャラメル味の様な液体。

不謹慎ではあるがちょっと綺麗、トロトロした感じが面白い。

 

ぱんちゃ~君、冷却水を抜く、 本当は5L程入って居るはずのLLCは1,5Lも出たろうか?

他はどこへ行ったかと不思議なほどだ。

 

エンジンガード付き4x4のLLCを抜く必殺のビニールシート漏斗、

これが無いとどうしてもエンジン下はLLCの海になる、我々の自衛手段だ。

 

その他の補機ベルトも外してタイミングベルトにたどり着く、ヘッドを分解するのでこれも外す

タペットカバーを外すと、おおコーヒー牛乳!! それも瓶に入ってるやつ!

手持ちのガスケットなどを精査して、インテークマニホールドとエキゾーストマニホールドはヘッドへ付けたまま

外すFAL方式(和歌山のパンダの味方の工場)を採用することにした、

マニホールドガスケット類の在庫が無いので分解せずに進めてガスケットの破損を防ぐためだ。

 

いよいよ御開帳、 で、ガスケットの抜けていた部分を確認できた、

指差している1番シリンダーの上の部分が酷く、ガスケットのリング状の金属シールが3分の2に渡って気密性を

失って居るのが見える

赤丸で囲んだ部分が一番抜けが激しかった部分、既に少し前から抜け気味に成って居た様子、

高負荷を掛けた為に一瞬で抜けた物ではない。

ヘッド側、1番シリンダーが水混入で燃焼室温度が上がらない状態が長期に渡って続いたのが良く解る一枚、

バルブ中央に窪みの無い排気側が他のシリンダー全てが焼けてカーボンの付着が無いのだが、

1番シリンダー(画像左)だけにカーボンが付着している、

さて、問題のヘッドの状態、短期間でも冷却水の無い状態で走ったので熱による歪みを心配していたのだ、

これが歪んでいたら素人の我々には為す術が無い。

 

幸いにもヘッドに歪みはなく希望の光が見え始める。

 

この時点で既に12時を回る、作業時間のリミットは3時!!

 

光明が見えて精神的にやや余裕が出来たぱんちゃ~君、 SNSで写真を上げたりしている、

アヒルも出る程余裕ができました。

そう、どんなに危機的でもやっぱり趣味の一環、楽しむ余裕が必要です。

 

幸いにも在庫のヘッドガスケットが適合する、

これをうまく載せられたら動くかもよ?

この後、面研磨用のオイルストーンやその他の必要材料を買い込みにホームセンターへ行く、

買い出しには代車のNissanNoteを使う。 現代の車は異常なほどに快適、中に居るとどれもみんな同じで

車種を主張するような特徴は無い。 

我々がパンダに乗り続ける理由の一つでもある。

 

ホームセンターから帰って来て一心不乱に作業を続けてヘッドの準備を済ませる、

多少の汚れは残ったが目的の”均一な面を出す”事には成功している。

当日はここでタイムリミット、すでに2時30分を回り残りの日に望みを託す。

熱中するとそうなってしまうぱんちゃ~君の家系の口。

 

私も仕事が有るので次回はぱんちゃ~君のお休みの一日に照準を合わせて作業する事にする、

その間、シリンダー上面をぱんちゃ~君が研磨して置いてくれる事になった、

偉いぞぱんちゃ~君。

 

帰路途中でオドメーターのこんな数字を発見、 

 

時間的な制約の在る中、残り一日で復活できるのか流星号!!

興奮と感動のその②へつづく・・・・