伝説の6号機 その① | Fiat Panda 30 Life

伝説の6号機 その①

それは長い長い眠りに付いて居た、
きっともう二度と目を覚ます事もあるまいと思ったに違いない、
安住の地ミラノから長い船旅の末、東洋の見ず知らずの土地に来て
きっとここが自分の墓場なのだと思ったはずだ、
 
だがしかし、6号機にはもう一度その老体に鞭打ってこの地を走ってほしい、
精一杯出来る限りの整備を尽して、またあの時の様に走ってほしい
今の正直な私の気持ちだ。


ひたすらふりつづく雨、北海道の梅雨。

この日実に2年の歳月を過ぎて預けて有った6号機始動の為千歳へ向かう、
雨は13日連続、全く止む気配が無い。


ぱんちゃ~君宅、別名PandaJunkie極東支部千歳本部
この秘密倉庫に6号機は眠る、

2012年11月から預けて有るのでかれこれ1年と7カ月眠っていた。


ぱんちゃ~君のセレクタVanの整備の時にはいつも隣で見守っていた
もはや、極東支部の御本尊的存在だ。

ぱんちゃ~君2年間有難うございました。


前後10cm程のスペースへスライドして収納してある、


フロアージャッキで2輪づつ持ち上げてすこしづつずらす、

2,3回繰り返すとこの様に出て来る。


これが6号機、College仕様のオリジナル内装、深いブルーを基調として居る。

その後保管しておいたバッテリーを繋ぎ(充電しておいた)暫くクランキングして
キャブにガソリンが回ると、エンジンは難なく始動!!


4号機の時とは違ってクラッチが貼り付いたりブレーキが引きずるような事は無く
そろりそろりと動かして外へ引き出す、

暫く暖機運転して様子見をする。


点火時期がやや進角し過ぎの感じてノッキング気味のカラカラ音が聞こえる、

ボンネットを開け確認すると、キャブ回りにガソリンが滲んでいるのを確認、


キャブは流石にドロドロでOHせざるを得まい、

それでも2年前の苫小牧からの移動では力強く問題は無かったのを記憶して居る。


札幌までの移送の日に合わせてキャブはOHする事にする、

取り外し、当日持ち帰った。


案の定、ほんの20分程の暖機運転でもオーバーフロー痕を発見、
こう言った部分を煮詰めると更に調子を上げる事が可能だろう。


無事始動を確認したので当日は極東基地へ預けて
後日の引き取りに合わせて自賠責保険加入と臨番取得、更にキャブのOHとやる事は沢山
あるのだ。

御本尊が「居なくなると寂しくなります」とぱんちゃ~君。


サービスカット:世界に3台しか存在しないFiatPandaSelectaVan



北海道の事故の大きな要因の一つの何処までも続く真っ直ぐで単調な道に気を付けながら
6号機の復活を夢見て家路を急ぐのだった。