こんにちは、受験パパ@NAGOYAです。

このところ、連載しております「日本の教育、かくあるべし!」です。
今回はその第10弾となります。

今回も「教員」についてお話ししたいと思いますが、内容はその「働き方」がメインとなります。

更に言えば、給特法の「是非」がお話の中心です。

「給特法」

皆さんには聞きなれない法律であることは十分に承知していますが、昨今話題となっている「教員の働き方」が酷いとされる諸悪の根源が、今回問題として取り上げる、この法律、正式名「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」だと考えています。


これも一般にはあまり知られていませんが、「公立」小中高校の先生は、一般的な公務員給与に「4%相当」が上乗せさせて給与支給されています。

教員の仕事は、「自発性」や「創造性」が必要とされ、上限がない仕事と考えられるため、そうした職務を担う公立の義務教育諸学校等の教員の職務と勤務態様の特殊性(=労働時間の把握が難しい等)に基づき、その給与その他の勤務条件について特例を定めるために、一般労働者とは別のルール(=法律)を定めたものが「給特法」です。

法律上では、あらかじめ残業代(=4%相当)を上乗せしておくことになっています。

ただ、教員でも残業代の根拠となる「超過勤務」が認められる場合があります。

  • 校外実習その他生徒の実習に関する業務
  • 修学旅行その他学校の行事に関する業務
  • 職員会議(設置者の定めるところにより学校に置かれるものをいう。)に関する業務
  • 非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務

逆に言えば、上記4つの場合に当てはまらない場合は「超過勤務」とは認められないこととなります。
ですから、部活動はその範疇には入りません。

これって、どうかんがえてもおかしいですよね!!!!!


何故なら、「私立」「国立」小中高校の先生は給特法が適用されないので、一般的な労働者と同じく労働基準法が適用されます。
つまり、超過勤務すれば、それに相当する残業代が支給されるのです。

私はこの事実を知ったとき、「公立」小中高校の先生方が、極めて劣悪な労働環境下にいるかを理解しました。

(ちなみに、私は総務・人事・経理の仕事が長いので、労働基準法等にはほんのちょっとだけ詳しいです。)
 

いわば、給特法のもとにある教員は「定額働かせ放題」になっているのです。

「やりがい搾取」の職場が公立学校だといってよいでしょう。

こんな職場だから、メンタル不調になる教員が続発するのも無理はないと思います。

子供たちを教え、導き、成長させていくという教員の仕事は、極めて尊いと思います。
ですが、教員になる方々の高潔な気持ちを「逆に利用している」ような気がしてならないのです。

私としては、公立、私立、国立の区分に関わりなく、学校の教員も一般労働者と同じ労働基準法を当てはめるべきだと思います。
どんなに働いても、給料が変わらないなんて、あまりにも馬鹿げています。

労働時間の把握が難しい点は、学校に限らず、いろいろな職場で発生する点です。

一方、上記のことがあるので、DXを利用した様々なツールにより、労働者個々の労働時間は概ね把握できるようになってきています。

実際、文部科学省の資料ではほとんどの教員の労働時間がタイムカード等で把握できると説明しています。

なのに、なのに、文部科学省は、教員の働き方改革から徹底的に「逃げています」。

具体的には、給特法で規定する給与上積み分を4%から10%以上にすることで議論を収めようとしています。

こんなことでは、義務教育を担う公立小中学校の先生方はますますやる気をなくし、都市部では私立学校への転職が加速するものと思います。

 

教員の能力の高さが、教育力全体の能力の高さに直結します。

結果として、日本国民の教育水準の高さ、研究・技術開発レベルの高さ、ひいては治安の良さにも繋がっていくものと考えます。

 

抜本的な改革を先送りにする文部科学省に期待できないのであれば、日本の政治家が上記の点を理解し、議員立法でも行って、日本国を良くしてほしいと思います。