こんにちは、受験パパ@NAGOYAです。

このところ連載しております「日本の教育、かくあるべし!」です。
今回はその第16弾となります。

実に長く続けてきましたが、これでネタとしては最後となります。
一応、「まとめ」もしたいので、連載の最終回は、そちらとします。


ということで、今回のテーマは「教育国債」についてお話ししようと思います。

基本的な話として、「国債」は、国が発行者となる「債券」のことです。

もう少し詳しくいうと、日本政府は、日本国だけでなく、広く世界中からお金を「借りています」。

借りる時、その証として貸してくれた人に渡すのが、債券です。
また、お金を貸す側は、貸すことのリスクの代償として、返済されるまでの一定期間、利息を得ることできます。具体的には債券に記載された金額に対する利息(何%)を毎年受け取る、ということとなります。
加えて(ここが大切!)他人からお金を借りるわけですから、一定期間が終了すれば、借りたお金を返済しなければなりません。
「借りたお金は、必ず返す。」は、世の中の基本中の基本的なルールですから、日本国政府はお金を貸してくれた人にお金を返済します。

 

ここまでは、あまりにも「当たり前」な話ですよね。

現在、国債は、道路や橋といったインフラストラクチャーの建設資金を融通するために発行する国債(=建設国債)と、国の財政を一時的に融通するために発行する国債(=赤字国債)の大きく二つの種類があります。

国の財政規律を定めた法律である「財政法」では、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」と定めていますが、それに続く「ただし書き」において、「公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。」と定めています。これが建設国債を発行することができる法的根拠です。

建設国債は、集めた資金で「物(=資産)が出来上がる」ので、発行が認められているという考え方が定説です。
建設国債とは意味合いが異なりますが、財政投融資を行うための根拠として国債を発行することもありますが、こちらは、財政投融資を受けた組織・団体が長年にあたって融資額を返済してくれることから、これも基本的に発行が認められています。

一方、赤字国債は返済の目途を立てず、一時的に財政を切り盛りするために発行する国債なので、そもそも財政法で発行が「禁止」されています(財政法第4条)。
でも、実際には大量に発行されている理由は、毎年、国会で「別途決議(=法律化する)」を行うことで臨時に発行させているからです。

国債に関する説明はこれくらいにして、私は、上記に加えて「教育国債」なるものを加えるべきだと考えています。


建設国債が「有形固定資産」を対象にしているとするならば、教育国債は「国民の教育力」という「無形固定資産」を対象にすると考えると、あながち無理筋な話ではないと思います。

特に義務教育、つまり教育の基礎の基礎となり、「国力の基盤」とさえいえる小学校、中学校での教育には、もっともっと財政的に強く後押しすることが求められても良いのではないかと考えます。
実際、日本は、公的教育がそのほとんどを担っている義務教育への投資が少なすぎる(=私的教育である塾・予備校への出費が多すぎる)と考えています。

また、高校、大学と進んでいくにつれ、人材が高度となっていきます(普通はね。)。
当然、高度な人材の方が給与は高くなるので、その分、所得税や社会保障費等も多く徴収することができます。


この先、単純労働が主体の業界はどんどん人手不足となっていきますので、どう考えてもドンドン自動化・機械化が進み、人手が必要とされない状況がますます進行していくと思います。
例えば、昔は人力で倉庫内の荷物を整理、かつ出し入れしていたものが、いまでは「無人倉庫」が当たり前になりつつあります。無人倉庫内には大量のロボットが配置され、超高速のスピードで荷物を整理・出し入れしていますよね。
さらに、現在深刻な人手不足になっている運輸業の運転士も、自動運転が実用化された暁には劇的な変化が発生すると思います。特に路線バスは決まったルートを走行するので、自動運転の実用化が一番早いのではないかと考えています。
とすると、単純労働しかできない人材を多く作り出してしまうことは、それほど遠くない将来において、その人たちの就労機会をなくなり、失業者があふれることとなります。
結果として、失業者の増加は治安も悪くなることが一般的ですから、治安維持=警察力の増強という余分な予算を確保しなければならなくなります。
加えて、失業保険や生活保護費に頼る方も増えると思われますので、余分な財政負担をしなければなりません。

教育を十分に実施しなかった場合の「負の(=無駄な)コスト」を考えると、しっかりと子供のうちに教育を行うことは高所得者(=高額納税者)を増やすことになるので、教育に掛けた融資=借金を返済しやすくなります。
そして、高所得者が稼ぐ領域を日本だけではなく、世界に広げていけば、今以上に高所得者となる人材はどんどんと増やしていけます。


教育は、投資に対する乗数効果、つまり、投資した金額以上の成果(=金額)が得られると言われています。

一方、教育国債の発行期間、つまり、返済までの期間は長くならざるを得ないと考えます。
何故なら、教育はすぐには成果がでないからです。

長く見積もると、小学校入学から大学卒業までの16年間は返済がない(=所得がないので税金の徴収できない)ため、それ以降に返済を受けるというイメージです。
ですから、教育国債は長期国債とならざるを得ず、返済に際してはフローに対する税金、具体的には所得税(個人+法人)、消費税等で返済していくイメージです。
日本全体のGDPが増えていけば、十分に返済していけるものだと考えます。

現在、教育国債を公約に掲げる政党は、国民民主党しかないようですが、与野党を問わず、真剣に考えてもらいたいと思います。