こんにちは、受験パパ@NAGOYAです。

今回は、「日本の教育、かくあるべし!」の第7弾となります。
むー、まだまだ、言い足りないことが多いです。これ、本当に終わるのか?と本気で思い始めています。

今回もひきつづき高等教育の話となります。内容は「大学院」となります。

これについては、以前にも、私なりの考えを述べています↓


日本国が、科学技術だけでなく、あらゆる分野で世界をリードする、もしくは世界に伍していくためには、実に多くの「超」高度な知識人が必要です。
特に大学や国公立研究所をはじめとする学術研究機関の研究者、大企業が設置する研究・開発拠点の研究者・技術者、及び国全体の実務を担う高級官僚は、世界各国と対峙する場面、競争する場面が多いことから、大学院(=修士)卒業は必須ですし、専門分野については「博士」号が当たり前でなければならないと考えています。


ちなみに、「政治家」も「超」高度な知識人である方がよいかもしれませんが、知識があれば、良い政治家だとも言えません。

つまり、政治家にとって、知識は必要条件だけれども、十分条件ではないと考えています。なかなか難しいところですね。
私としては、様々な高度な知識や経験を積み、日本国のために「命を捧げる!」という高い志のあり、かつ人格が高潔な方しか、国会議員としてふさわしくないと考えています。
現実は、、、、。

やめておきましょう、話が暗くなりますから。

さて、昨今、国家公務員上級職(=キャリア官僚)への成り手が年々減少していると聞きます。
ですが、今はむしろ、民間企業等での経験を積んだ優秀な方々を、中途採用でキャリア官僚に登用していくことが求められるのではないでしょうか?
だとすると、「公務員」という括りがあるために、大手民間企業よりも給与や待遇の面で見劣りすることは致命的なデメリットです。
ですから、何とか特別な人事制度を作って、待遇面でのデメリットを覆すことが必須なことではないでしょうか。

責任もメチャクチャに重いのに、給与や待遇が今一つという形では、誰もなりたがりませんよね。
アメリカみたいに、民間研究機関(シンクタンク)や大学等と高級官僚を行き来する人事運用が本来のあるべき姿かもしれませんね。

そうすることで、意図的に優秀な頭脳を「ストック」しておくイメージです。

ちなみに、私はそこまで優秀ではないので、今のままで結構満足しています。

一方、現実に目を向けると、「高学歴プア」なるがあるとおり、日本では大学院卒、とくに文系大学院を卒業した方々には厳しい社会になっています。
個人的には、大学院の定員を拡大させるスピードに、大学院卒を受け入れる就職口の整備が追い付かなかったことが、根本的な原因だと考えています。
特に文系については大学院で専攻する内容が、企業で即戦力となるものが少ないので、文系大学院卒の就職がかなり厳しいのでしょうね。

結局は、大学院卒を増やすことで「超」高度な知識人を増やそうと、文部科学省あたりが旗を振ったのでしょうが、そのあとのことは全く考えなかった、もしくは所管外だから知っていたのに知らないふりをしたとしか思えません。

随分と「罪作り」だなと思います。

個人的な考えとしては、文系大学院卒の現状を打開する一つの方法は、医学部や薬学部のように国家資格=高等専門職を修得するための教育機関にしてしまうことではないかと考えます。
具体的には、難関資格である弁護士、公認会計士は国家試験の受験を必須とするものの、専門職大学院卒業も必須にしてしまうというものです。

といいながら、上記と同じような考えのもとに進められた司法改革で「法科大学院(=専門職大学院)」が多数設置されましたが、結果として見事に失敗した例がありますね。
今となっては、大卒を要件としない「予備試験ルート」がなぜか一番のエリートコースになっている時点で司法改革は当初の目的を達成できなかったというべきでしょう。
なかなか難しいですね。

私としては、上記の方向性は間違っていなかったと思います。
むしろ、いたずらに「弁護士」を増やそうとしたことがそもそも失敗だったと思います。

もしくは、法科大学院卒業者は司法試験の受験科目が大幅に削減されるという「優遇措置」を設けるべきだったと思います。


司法改革という点では、弁護士を増やすよりも、司法書士が取り扱える分野を増やし、一般人がより廉価かつ広範囲で法曹界に接触する機会を増やした方がよかったのではないかなと考えています。
例えば、簡易裁判所の案件は全て司法書士が取り扱うことができるだとか、地方裁判所や家庭裁判所レベル(金銭に関わる民事訴訟に限定)では弁護士の代理人として司法書士を委任できるというものです。

話を元に戻しますが、現実として、世の中が高度化かつ複雑化してきているため、「超」高度な知識人が活躍する、もしくは活躍してもらわなければならない分野が広がりつつあることは確かです。

今では、大学卒で「専門家」を名乗ることは、しっかりした知識と経験がなければ、なかなか難しい世の中です。

是非、文系大学院卒=文系(事務系)高度プロフェッショナル職になるような制度設計をより一層進めてほしいなと思います。


同世代のうち、高校進学が90%を超えたのが1974年で、四大進学が50%を超えたのが2009年ですから、大学院進学が30%を超える(=昔の四大進学率相当)のは、もう10年くらいしたら、実現するかもしれませんね。