こんにちは、受験パパ@NAGOYAです。

 

今回は、小学校段階での基礎学力について、少しお話ししたいと思います。

中学受験の試験問題(いわゆる「過去問」)に取り組まれた方ならば、十分にお分かりかと思いますが、中学受験を経験してない大人には、その入試問題は「相当難しい」です。
特に算数は、どうやって解いたらよいのか、全くわからないものが多数あります。

私も自分たちの子供が受験する中学校の過去問(算数と理科)を解いてみましたが、理科はまずまず出来たのですが、算数は全くわからない問題がありました。

ですが、以前にもお話ししましたように、中学受験の問題は「小学校の学習指導要領の範囲内で回答が可能である」ように設定されています。
これが「クセもの」ですよね。
回答をみれば、「なるほどね。」と思うわけですが、それを思いつくのは、実に大変です。

かくの如く、中学受験は「特別な世界」であることがわかろうかと思います。

世の中では、中学受験を経験しないで、公立中学校に進学する生徒が圧倒的大多数です。
文部科学省が公表した「令和5年学校基本調査」では、公立中学校(中等教育学校等を含む、以下同じ)91.4%、私立中学校7.8%、国立中学校0.8%の割合で、生徒が在籍しているそうです。

(地域によるバラツキが大きいです。東京都は25%以上が私立学校に通っています。)
 

こうした状況を踏まえて、中学校に進学する前段階、つまり、小学校段階での基礎学力を身に付けるにはどうしたらよいかということが課題について考えてみたいと思います。

 

中学受験する子供たちは「強制的に」勉強しますので、嫌が上でも基礎学力が向上します。

ですが、公立中学校に進学する子供たちは、習い事はしているでしょうが、学習塾に通うケースは、全国的にみると、少ないのではないかと思います。

 

私の意見としては、国が「到達すべき最低水準」「到達水準段階」を示し、小学校ごとで「生徒平均として到達したい水準」という目標を示しておくことが必要だと考えています。
その場合、一番の課題は「到達水準段階をどのような水準で設定するか」と思います。

教科書の範囲を教えることだけでも大変かもしれませんが、発展・応用問題がないと、「地頭が良い」など能力の高い子供には「授業が物足りなく」なります。

このような子供たちにも十分に知的好奇心を満足してもらい、中学校進学後もさらに能力を伸ばしてもらうことも非常に大切なことだと考えています。

学習指導要領は、実に細かく記載されています。

私も教員ではないので、細かいところまで読み込んだわけではないのですが、一読する限りでは、国として「到達すべき最低水準」と「到達水準段階」を明確に示しているようには見えません。

そもそも「~すべき」というものではないという建付けのようです。

学習指導要領はあくまでもガイドラインであり、その内容を絶対に理解・覚えなければ「ならない」というものではなく、教科・単元毎に教える内容と範囲が示されているものという位置づけです。

しかし、国として国民である子供たちに教育を実施していくならば、最低ラインとしてどこまで理解させるべきかははっきりしておくべきかと思います。

その「基盤」の上にどれだけ発展・応用を積み上げていくかだと思います。

ですから、最低ラインを越えられない場合は、学校が責任をもって、積極的に補習授業や個別指導があってしかるべきかと思います。

現在は上記のことを「家庭に丸投げ」しているが故に、「教育費にお金が掛かる」という状態になってしまうものと考えます。

学校での学力成績は「自己の努力結果」だと位置付けることは、そろそろ本格的に見直していくことが必要なのではないかと考えます。


日本国憲法第26条第2項で「教育を受けさせる義務」が規定されています。

私としては、その条文解釈も、単に「教育を受ける機会」を与えるだけが義務なのではなく、その成果にも文部科学省を始めとする教育関係機関、ひいては日本国民全員が義務を負うのではないかと考える次第です。

 

もしかしたら、教育基本法や学校教育法、さらにその下の施行規則等に上記のことが記載されているかもしれませんが、実態としては「浸透していない」と言わざるをえないかなと考えています。