こんにちは、受験パパ@NAGOYAです。

私のブログで、何故か常に閲覧数の上位にある「『名古屋大学教育学部附属中学校・高等学校』について」にあやかり、あくまでも私の知っている範囲となりますが、愛知県の難関私立中学校のことについてお話ししたいと思います。

今回は、その第一回目として、愛知県私立男子校の「雄」である「東海中学校・高等学校」についてお話しします。

結果的にかなりの長文になってしまいましたが、お付き合いいただけるととても嬉しいです。

今では「大学医学部医学科合格者数、全国一位!」として全国的にも大変有名な学校ですが、私が小学校だった時も、中学受験が一般的でない地域にも関わらず、近所の一学年上のお兄さんが進学したこともあり「東海中学校」という私立学校がこの世の中にある、ということだけは知っていました。
ただ、当時の私は、地元の中学校に通えば、ただ(無料)なのに、何故わざわざお金まで払って、別の中学校に行く意味が全く分かりませんでした。
そんな考えでも、自分の子供には私立中学校を受験させ、進学させるわけですから、人生はよくわかりませんね。

また、高校受験の「滑り止め」として私立高校の受験校を決める際、中学校の担任の先生に「東海高校を受験したい。」と言ったら、「そこを第一志望にしているとても優秀な生徒が受験するから、滑り止めにはならない。」とも言われました。

さて、東海中学校・高等学校の起源ですが、浄土宗(京都にある知恩院が総本山)の「教校」として、信徒の子弟のために設立された学校が出版点になっています。
ちなみに全国に同様の学校があり、例えば、東京の芝中学校・高等学校も設立経緯は同様で、姉妹校にあたるそうです。
聞くところによると、東海中学校・高等学校では仏教を基盤とした「宗教情操教育」を行う授業もあるそうですし、実際、校内には阿弥陀仏を祀る殿堂(明照堂というそうです)もあります。
このあたりは、同じ仏教系の愛知中学校・高等学校と似たところがありますが、東海中学校・高等学校は勉学の方に特に力を入れたこともあるのか、やがて「愛知県一番の私立進学校」になっていきます。

次に、勉強面についてお話ししたいと思います。
東海中学校・高等学校は、自他共に「進学校」だと認められながら、「面倒見の『よくなさ』」で有名です。
一応、全国の私立進学校と同じように「先取り授業」を実施しているので、それなりに学校としても大学進学に対して対策を実施しているものと思いますが、東海中学校・高等学校の大学受験対策「だけ」で、難関大学に合格した!という話をあまり聞いたことがありません。
おそらく、愛知県だけでなく、岐阜県や三重県も含めた東海三県の「英才」が集結しており、かつそういった生徒たちは勉強方法そのものを熟知しているが故に、学校に頼らなくても、塾・予備校、通信添削の力を借りはするものの、自分でしっかり考えてキチンと受験勉強できてしまう層が相当分厚いのだと思います。
特に、医者や弁護士といった高級職業人を目指す生徒が学内に大勢おり、彼らの中で効率的な勉強方法が共有化されているように思います。

一方、高校に進学すると成績順で「A群」と「B群」に分かれるそうです。
A群は東大・京大をはじめとする旧帝大、一橋大、東工大、神戸大、そして早慶上といった私立難関大学を狙う層で、B群はそれ以外の大学を進学する層に区分されるそうです。

ところが、このB群に所属していても、元々の潜在能力が高い生徒が多いため、難関大学に現役合格する生徒が出現することもあるそうです。しかも浪人すれば、現役時代の成績が嘘のように、難関大学にも合格するものも現れるといいます。

さらに、そういった人たちが後々出世していく「伝統(伝説?)」があるとも聞きます。

ですから、東海高校の同窓会で「B群」出身で出世している人達の結束は極めて強いと聞いたことがあります。

(と言いますが、ほとんど都市伝説に近い確度かもしれないので、まともに受け取らないでくださいね。)

 

さて、東海中学校・高等学校が、愛知県の他校を寄せ付けない圧倒的な強みは「OB層の厚さ」です。

政界、経済界、法曹界、医学界、芸術(芸能含む)界といった世の中を牽引する名だたる職業だけでなく、東進ハイスクールの林修先生のような著名人もいるなど、これだけ多数の有力なOBがいる学校は、愛知県にはありません。

この一点だけでも、この学校を第一志望とし、中学受験に挑戦する意味はあると思います。

 

このように伝統と実力を兼ね備えた東海中学・高等学校は、愛知県ではトップに君臨する私立男子校であり、学校の努力もあると思いますが、その地位を保持し続けています。

そのため、中学受験を専門とする塾は「東海中学校への合格者数」を経営の努力目標にしています。

ただ、日能研R4偏差値が「60」くらいですから、首都圏や関西圏の超難関校に比べると、入学しやすいレベルと言えます。

とはいえ、東海中学校・高等学校は愛知県ではトップ校であるが故に、トップ80人(=入学定員の1/4)くらいは、首都圏や関西圏の超難関校にも合格できる高い潜在能力を秘めた生徒ではないかと勝手に推察しています。

「愛知県には東海中学校しか進学したい(するに値する)学校がなかった。」という英才ということです。ですから、合格水準は彼らが引き上げてしまうので、合格するためにはそれ相応に受験勉強が必要だと思います。

 

次に、東海中学校・高等学校の魅力で忘れてはならないものとして「サタデープログラム」と「記念祭」があります。

サタデープログラムは、毎月6月と2月の2回、著名人やOBを招いて開催される「土曜『公開』講座」です。

招聘される方々は各分野の第一人者や活躍している方ばかりであり、東海中学校・高等学校の人脈の広さをまざまざと見せつけられる思いです。

なお、企画と招聘者との交渉の多くは生徒実行委員会が運営していると言いますから驚きです。

 

記念祭は、いわゆる「文化祭」です。大変規模が大きく、東海中学校・高等学校の名物行事になっています。

たくさんのプログラムがあるわけですが、その中で私が特に感心するプログラムは、宝塚(たからづか)歌劇団の「逆」をいく、「カヅラカタ歌劇団」でしょうか。

これは、名前が「逆」だけでなく、男子校の特性を活かし、演者は女性役を含め、すべて男性で行うというものです。しかも、それがなかなかの本格派なのです。

このように、馬鹿げた発想がきっかけであっても、真剣に考え、取り組み、その完成度を極限まで高めることは、まさに知的水準の高い若人たちだからこそ、挑戦し、達成できるものだと思います。

なお、今はあまりにも人気があるためなのか、記念祭とは別日に公演日を設定しているそうです。

このように、おそらく愛知県でもっとも規模が大きく、かつ内容がよく練られており、大人でも十分に楽しめる文化祭になっていると思います。

 

もう一つ、東海中学校・高等学校の特徴で忘れてならないことは、「高校入試」を実施しているということです。

学校定員でいえば、中学校からは360名、高校からは100名を入学させ、最終的に460名あまりが高校を卒業していくことになるのですが、この高校からの100名が大変優秀だと聞いたことがあります。

それは、このブログでも別の記事で触れましたが、愛知県の公立高校入試の特徴として「内申点」の比重が比較的高いという点があります。

一方、東海高校の入試は、主要5教科(国・数・英・理・社)だけで合否判定されるため、内申点は振るわないものの、主要5教科についてはしっかり実力をつけた飛び切りの学力優秀層が集まるのでしょう。

もしかしたら、中学受験の「リベンジ組」もいるかもしれません。

(今年1月の東大前傷害事件の加害者も高校入試組だと週刊誌で読みましたが、彼は彼であり、高校入試組を同一視することは間違った判断であることを言い添えておきます。)

 

最後に「東海中学校伝統行事」を一つご紹介します。それは「水練会」です。

これは中学1年生の夏に三重県の伊勢二見浦で4泊5日にわたって開催される水泳合宿で、100年以上続いているそうです。

これの何が伝統かというと「ふんどし」を占めて、遠泳することにあります。ふんどしもクラス別で色が分かれるそうで、OB会では「その色」でOBとの会話も弾むと聞きます。

ちなみに泳ぎが苦手でも、事前および現地での「猛特訓」があり、約1kmは泳ぐそうですが、実際は・・・?

歴史がある名門学校には、合理性だけでは説明できない伝統行事があることが常ですが、東海中学校にとっては水練会がそれにあたり、卒業生の「共通体験」になっているといえるでしょう。

 

以上が、「東海中学校・高等学校」のご紹介となります。

何分、私の知っている範囲だけであり、学校の実情をお伝えしている点としては、不足していたり、私が誤解している点が多々あろうかと思いますので、同校に進学を考えているご家庭は、是非、学校見学会や説明会等にご参加いただき、自分の目と耳で実際のところをお確かめになられることを「絶対に」お薦めします。