こんにちは、受験パパ@NAGOYAです。


今回は、「検定教科書」と「検定外教科書」についてお話したいと思います。 


教科書は、「教科書を編纂・出版したい」と考える出版社が執筆者を選定した上で執筆を依頼し、その内容を編集したものを、文部科学省が学習指導要領に基づく内容であるか否かについて確認する「検定」を経て、「検定教科書」となります。

いわゆる、私たちが普通に見かける「教科書」のことです。
なお、検定教科書は、厳密には「文部科学大臣の検定を経た教科用図書」と言い、教科書検定は 「教科用図書検定」と言うそうです。
 

ちなみに この「検定」という制度は、歴史教科書においてよく物議を呼ぶことはご存知かと思います。
その実態の片鱗を知りたい方はこちらをお読みになると良いかと思います。↓

 

検定教科書は、県、もしくは市町村の教育委員会での審議を経て、公立小学校、中学校で使用される教科書が選定されます。

一方、私立学校や国立大学附属校は、それぞれの校長が検定教科書の中から教科書を選定しています。 
なお、検定教科書を使用しなければならない学校は、義務教育である小学校、中学校に限られ、高校はその限りではないそうです。
 

ところで、この世の中には、上記のプロセスを経ない「検定外教科書」なるものが存在しています。

代表例は、数研出版刊「体系数学」、Z会出版刊「NEW TREASURE」、「プライム数学」、 工ディック社刊「プログレス」です。
 

これらは、「検定教科書」ではないので、少なくとも義務教育である中学校では、生徒に配布される「教科書」として取り扱うことができないため、検定教科書に加えて使用する「副読本(図書)」 として配布されます。ただ、授業では「事実上」教科書として活用されます。
 

なぜ、こんなことが起こっているのか?


それは、大学受験との関係で説明することが一番わかりやすいと思います。
よく、中高一貫の進学校では、高校までの内容を高校2年生までに終わらせ、高校3年生では大学受験に向けた演習のみに特化していると聞きます。

上記を可能とする教科書=推進力が、「検定外教科書」となります。
その内容は、大まかに言えば、中学校・高校の6年間で学ぶ内容のうち、重複する部分を削り、かつ関連する単元を連続して学ぶように学習単元を再編成したりすることで、結果として「5年間」で中学校及び高校に必要な単元の履修が完了できるようになっています。


また、現在の学習指導要領が「下限規定」、つまり最低限を定めた内容であり、かつ最近は特に基礎・基本を重視する傾向にあったため、検定教科書もその影響を強く受けることから、「検定外教科書」を使えば、よりレベルの高い、発展的な内容を授業で行うことができる点も、進学校である中高一貫の進学校では都合がよいという話を聞いたことがあります。

 
実は、私は「検定外教科書」なるものが世の中にあることは、中学受験に取り組むまで知りませんでした。 
無知と言えば無知ですが、保育園から大学まで国公立の学校で過ごした身としては、にわかに信 じがたい事実でした。

「教科書以外の『教科書』って、何?」、「教科書を使わないで、授業はどうやってやるの? 参考書で授業するの?」みたいな感じです。
 

今、私たちの子供が通っている中学校も、英語と数学の通常授業は「検定外教科」を主体に授業を進めています。
ですから、学習進度が滅茶苦茶に早い!!!です。

特に英語は「もう、こんな単語を覚えなければならないの?」と思うほどで、子供は毎日必死になって、英単語を覚えています。
入学前から覚悟はしていましたが、正直なところ、学習進度がこれほど早いとは思いませんでした。

ですから、中学1年生時点で授業についていけず、成績不振となり、卒業まで成績が上向かない「深海魚」と呼ばれる現象が発生することとも頷けます。
あと、愛知難関校の中には、成績最下位にある生徒はそのまま高校に進学させてもらえないこともあると聞きますので、私たちの子供も必死になって頑張っています。