二件目は、自動車解体業の許可申請の相談なのですが、これもただの許可申請ではありませんでした。
自動車中古部品の取次商さんの相談だったのですが、その業者さんは自動車の中古部品を仕入れて
お客さんである整備工場などに卸すのが仕事なので、なんと自動車の解体設備が何もありません。
解体設備が何もないのに解体業がほしいとは、これ如何に
その理由は、現行の自動車リサイクル法では、抹消登録をした使用済自動車から
少しでも部品を外すには、自動車解体業の許可が必要だからなのです。
その業者さんは自動車の中古部品の仕入&卸し売りが専門なのですが、
たまに整備工場さんなどで掘り出し物の登録抹消済の使用済み自動車を見かけるので、
それを自分の会社の空き地に引き取ってきて、そこからドアなどの簡単な外装部品を外して販売して、
その後本格的な自動車解体業者さんにその車を流すという商売がしたいのだそうです。
だからドアなどを外すための簡単な工具だけあれば、作業場などなくても実際の仕事はできるのです。
しかし現行の自動車リサイクル法では、自動車部品を少しでも外すには自動車解体業の許可が必要です。
そして自動車解体業の許可を取得するには、屋根付の作業場、油水分離槽等の廃油対策設備の
設置など、多くの許可要件をクリアしなければなりません。
ただその中古部品の取次業者さんは、そういうメインの解体事業をする気はありません。
ドアなどだけを外したら、本格的な自動車解体業者に車自体を引き取ってもらうつもりなのです。
当然、ドアなどを外すだけでは廃油などの流出もありえません。
しかし許可要件は許可要件です。クリアしなければなりません。
そこで私は、この場合外装部品を外した後の引取り先となる、次の自動車解体業者との
契約書や誓約書をもって、自動車解体設備の設置要件の代わりにならないかと考えました。
つまり「当事業者は、廃油処理やその他の周辺環境に影響する解体作業を行うことは、
次の解体業者とこのように契約書で委託しているので、屋根付の作業場や廃油対策設備など
本来必要な設備を設置せずに、自動車解体業の許可を下ろせないか」、ということです。
その根拠は、当該申請県の事前審査要領にある、次の文言です。
「解体作業場は、廃油及び廃液の地下浸透を防止するため、床面を鉄筋コンクリートで築造すること、
その他これと同等以上の効果を有する措置が講じられること」
つまり廃油等の流出のおそれのある作業自体を、他の自動車解体事業者で行うという内容の
契約書・誓約書を取り交わし、依頼者の業者は環境に何の負荷もないドアなどの取り外しのみ行う、
この対策をもって、上の文言にいう「措置」として認められないか
うまくいけば、屋根付建物や油水分離槽を設置しなくても自動車解体業の許可を下ろすことができる
そうなれば設備費をだいぶ抑えることができます。
私はそう考え
、そこで行政書士の初仕事として、昨日はその申請先の県庁に行ってきました。
・・・長くなってしまったので、続きはまたあとにします。