毎年の事ですが、夏が近づくと毎朝どこからともなくセミの鳴き声が聞こえてきます。おそらくあの鳴き声と気だるくなる暑さには記憶の繋がりができていると思われ、朝からセミの声を聞くと今日も暑くなるのかと大きなため息がでる条件反射が起こる日が続きました。

 

ところが、お盆を過ぎた頃から急に朝のセミの合唱が止みました。セミは短命な生き物なので仕方ない事なのですが、私はいつもこの朝の静寂に夏の終わりを予感して一抹の寂しさを感じます。言い換えるならば、間もなく夏休みが終わるという誰もが小学生の頃に感じた物悲しさではないでしょうか。先日ドラマの東京ラブストーリーを見ている時に、浮かない表情をしている永尾完治に赤名リカがこんな事を言っていました。「8月31日の小学生みたいな顔してる!」とてもいい表現ですよ。作中でのリカの鋭い指摘と面白い表現は有名ですね。

 

さて話を戻しましょう。セミが鳴く季節が終わった時の寂しさを俳句にできないかといろいろと考えていました。まず私が作った句がこれです。

せみ静か ゆく夏惜しむ 青き空

 

しかし、どこかしっくりしません。どこをどのように直せばよいのか?セミと夏という2つの季語も入っていますが、調べるとこれは特に問題ないようです。そこでAIに添削してもらう事にしました。

そして次にできたのがこちら、

ゆく夏や せみの静けき ぬける空

 

さらにAIに添削を続けてもらいます。

ゆく夏や せみの静寂(しじま)に ぬける空

 

こうやって添削を続けてみて感じたのは、添削する度にAIが出す意見が変わる事です。だから添削において一貫性が乏しい印象を受けました。おそらくこのような作業は、やればやるほど延々と続きそうでした。これで完成ですとは決して言ってくれそうにありませんでした。

様々に添削してくれた句の中で、自分の感性にあったものを参考にして最終的に作り上げた句がこちらです。

 

蝉やみて しじまの奥の ぬける空

 

しじまという言葉はひらがなにしました。FM放送のジェットストリームの有名なOPナレーションに「夜のしじまのなんと饒舌なことでしょう」という下りがありますが、私の頭の辞書にはこの言葉はありませんでした。とてもきれいな響きをもつ言葉ですね。AIのおかげで良い句ができました。

 

 

夏が通り過ぎて秋に向かう時の、少し切ない気持ちが込められた一句です。

 

なニコニコヒマワリ