いつものカフェで

いつも通りの時間を過ごしていると

目に映る近場の客達だけが

毎回変わる景色の主人公として

なんの気無しの観察対象となり

ずっと横目で視界に捉えてしまう



今回の主人公は

高校生と思われるカップル



最初は気にならなかった

隣の席に向かい合わせて座り

彼氏が机に突っ伏して眠り

それに合わせて彼女も突っ伏しながら

スマホをいじっていただけだから

何も注文しないのかなと思っただけ



しかしそのうち

彼女の方が退屈を持て余したようで

眠る彼氏にちょっかいを出し始め

少し回復した彼氏も目を覚まし

会話を始めたかと思えば

あまり盛り上がらなかったのか



好敵手同士のプロレスラーが

試合開始のゴングと共に

ゆっくりと力比べをするように

右手と左手で組み合い

テーブルを挟んで戯れ合い始めたあたりから

ずっと視界の端に捉え始めた



序盤の力比べからの

ローブを交えた攻撃の応酬のような

戯れ合いをおよそ5分ほど続ける内に

お互いテンションが上がってきたのか

相手の手を取り合うという

謎の遊びをひとしきり繰り返し



疲れたのか

今度は全く動かなくなり

気になって横を見てみると

じっと見つめ合っている



実はこの時始めて

この二人を直接見た訳で

普段鏡で見る自分の顔とは

全く違う現役ティーンエイジャーを

近くで目の当たりにすると

自分がいかに歳を重ねたのかを思い知り

その肌の綺麗さに愕然としてしまった



気持ちは今も

彼等の年頃から何ら変わらないのに

姿形はエラい変わりようで

自由な獣みたいに

いつまでも走り続けられると

未だに思い続けてはいるものの



隣の席のツルピカお肌の高校生が

あまりにも無邪気に戯れ合っている姿を

間近で見て少しブルーな気分になり

悲しいハートを燃やし尽くしてしまった