現実からの逃避を試みては

フィクションの世界へとのめり込み

気持ちが離れなければ 

ひとまずは最後まで見届ける



それは小説でも漫画でも

映画でもテレビドラマでも

とにかく現実から離れられさえすれば

そのきっかけは何でも良く

テーマによっては知らない世界を

見通しているかのような錯覚に陥り

幼い頃から若かりし頃までまでは

現実の世界で真似ては失敗し



そもそも物語とは

人間関係を描くものが多いものだから

独り気質を自覚する前なら

関係を築くという外形だけを真似て

他者への気持ちが薄いものだから

なかなか見た通りのようにもならず

失敗を重ねる内に面倒になり



二十歳を前にして

それまでの人間関係をすべて捨てた



青年期に入り欲求の質が変わり

それを愛情だと思いたいと願ったけれど

結局は性への欲求に過ぎず

一度高まり求めても

快楽が満たされた瞬間には元通り



誰かを求めた訳ではなく

湧き上がる欲求を満たしたかっただけ

何度か繰り返す内に

そこから始まる関係から逃げる為に

欲求からも逃げる始末



けれど身体の内から

湧き上がる欲求とは縁も切れず

裏道界隈へと通っては

寄せては返す欲求の波に合わせて

コントロールの加減を学んだ



独占欲が強いのか

共有が苦手で

会話自体は嫌いでは無いけれど

見た目や表情や仕草

言葉選びや口調といった

人間ならではの特徴に対しての

拘りが強過ぎて

対面するだけで疲弊し



家庭環境での体験から

中学生以上の男性の声が苦手で

集団になると恐怖を覚える



女性なら良いという訳でもない

皮肉や嫌味などを言われるのが嫌い

一度言われると忘れない

忘れたくても忘れられないから

その人自体を嫌いになり

距離を取りたくなってしまう



家族や友人 

とりわけ幼い頃からの付き合いなら

当然互いに皮肉や嫌味を言い合いながら

人付き合いをするのが当たり前で

おそらく誰もが近しい人なら

許し合って信頼関係を築いている



多くのフィクションでも

そうやって描いていたのは

前提条件だからだろう

その影響を受けて真似たけれど

そもそも嫌味という攻撃をされた事実が 

心の中で変換されると自然に

危険人物指定をしてしまい



元から独りだから

安全な孤独環境へ逃げ込んでしまい

フィクションの中で

人間関係に限らず 

あらゆるストーリーを擬似体験する事が

自分に取っては当たり前になり



元々苦手な

コミュニケーションから

自らを遠ざけてしまう

それでも今もこうして

不便なく暮らしてるのだから

上出来というところだろう