他愛の無い雑談なのに

いつまでも忘れられない話しがいくつかある



たとえばバイト先の

上司の家へ招かれた時の会話

奥さんが上司に向かい



何があってもアンタが大丈夫と言うなら

大丈夫なんでしょ



そう話した瞬間の思いは

二十年以上が経った

今でもハッキリと覚えている

その時に思ったのは

あの奥さんは理屈抜きに

旦那さんを信じるって正気か?と思った事



たしか招かれたのは

4人目の赤ん坊が生まれた直後だった



手取り20万円ほどの

旦那の稼ぎだけで暮らすのは

あの時の自分でさえ無理なように思え

その為に必要な判断を

すべて旦那に丸投げ出来る

あの奥さんが無責任に思えたから

未だに覚えているのだろうか



上司繋がりだと

別の会社での一コマ



オフィス勤務だった時の

お盆明けに直属の上司である

課長が他部署の部長だか次長に

休日に家族とどこかへ

出掛けたのかと問われて

答えた言葉も忘れられない



どこか出掛けようかと

奥さんと子供と話していて

どこへ行こうか迷っていたら

一日が終わってしまい

結局その日は

どこにも行かなかったという話しを

向かいの席で聞いた時



ほのぼのとした印象を受けて

家族の幸せってそんな感じよね

と思うと同時に

とりあえず家を出るという

提案を誰もしなかったのかとも思い

それはやはりあの課長の

即否定口調が原因かもしれないと

勝手に思い至り

幸せな家族のイメージが吹っ飛んだ



その課長は

まったく自分の中にない意見を

誰かに言われると

食い気味に否定する癖があり

何度も辟易したものだから

どうでも良い妄想が止まらなくなった



たとえば子供が

日帰り出来ないような場所を言うと

即否定されてしまい

考える気力を奪われたのでは無いか

遠すぎたり予算オーバーだったり

何度か提案してすべて駄目と言われると

そもそも気分を害してしまい

いつもの遊びをしながら

あとは二人で決めてとなり



夫婦で話しても

なんせあの課長は自分の意見が無いものだから

結局奥さんに丸投げ状態となって

もしかすると似た者夫婦だから

どちらも決断出来ずに

待ちくたびれた子供が寝てしまい

今日は止めておこうとなったのではないか



まったくの妄想

なんせオフィス勤務とは暇過ぎて

現実逃避するにはちょうど良い

ほのぼのとしたテーマが

転がり込んで来たものだから

よく覚えている



どうする?どうする?と

言いながら結局どこへも出掛けない

そんな家族の思い出も良いかもしれないと

最終的な判断をして

どうでも良いわ!と心の中で

ツッコミを入れた事まで覚えている



退屈親子繋がりで

母親の話しもよく覚えている

私が小学生の頃によく聞かされた

一人暮らしが夢だった話し



たしか母親が幼い頃

親戚の家へ行くとお小遣いを貰え

正月ともなるとお年玉が

結構な額貰えたものだったらしく

それを親に貯金して置いて上げるからと

取り上げられてそれっきり戻って来ず



それが大層悔しかったらしく

早く大人になって自分の稼いだお金を

自由に使えるようになりたいと願い

だから子供の頃の夢は

早く大人になって

一人暮らしをするだったという話し



いやあなた

私のお年玉貯金してくれるって

持って行くけれどまさか?と思った事は

未だに忘れられない思い出