これだけ世界人口が増殖すると
当然に欲望の総量も比例してしまい
便利なツールには誰もが群がり
行列に並ばないようにする為にと
余計なお金を支払う人も現れる
たとえば洋服などは
体型が変わらなければ
一生着続けられるほどの
丈夫な仕立てなのに
飽きたりして捨てたり売ったりと
手放してはまた新たな物を購入
裕福なら洋服どころか
家でも車でも外国の永住権でも
取っ替え引っ替えするに違いなく
そこまで行くと処分するよりも
買い手は数多いるのだから
売らない方が不思議
誰かの手垢のついた
セカンドハンド商品なら
並ぶ事も無いからと
気楽に買い取る人にとっては
タイパとコスパに見合った
新たな選択肢が現れて
狂喜乱舞するに違いない
世界人口の分母が増えると
欲望も比例して増えるのだから
欲望の種類も
それらに比例するはず
誰よりも早く
より遠くへ行きたい人
遅くても良いから行きたい人
いや行きたくありません
そんな人も多分いるはずで
誰もが未来にしか
行き場は無い事は知っているのに
順位を気にしたり
辿り着く場所に拘ったり
それまでの過程にすら決め事を作り出して
結局辿り着けなくても満足してしまう
年老いた誰かを眺めながら
行き着く先はあそこなのだと知りながら
もしかしたら自分なら違う場所へと
行けるポテンシャルがあるかもと
おそらく10代の頃など一度は考える
ビュッフェに並ぶ
色とりどりな料理達
とりあえず一度は全部食べてみる
けれども何度か体験すると
大概は好きな物だけ繰り返す
お金の総量が増え
お金の稼ぎ方メソッドに
明るい順に懐が潤い
資産家の割合は変わらずとも
分母が増えると分子も増えてしまい
資産家と呼ばれる人数も増える
億り人も増えると
一億の人と千億の人もいるけれど
下々から見上げると
空の手前に重なる雲の様になり
どんよりとした空なら
その上が見えずに
みんな同じ億り人に見える
その上に兆人がいるとは
誰かから聞いてももはや理解不能
格差も広がり切ると
上も下も関係が無くなり
兆人の齎す施しなど
実感出来ないまま
その恩恵をまるで雨降りに
傘を逆さ差すように自然に受取り
雨上りの虹を眺めては
なにか良い事が起きそうだと
能天気に気分を良くしている人と
呼吸をする様にお金を稼ぐ
兆人にそれほど違いは無さそう
無限とも思える格差の
目に見える範囲に執着してしまうと
青空には目もくれず
隣の青い芝生にやきもきしては
いつか自分もと力む事が好きなら
止めやしないけれど
どれだけ人口が増え
趣味趣向の種類が増えようとも
晴れた日には青空が広がり
雨が振り続けたとしても
その上にはやっぱりブルースカイ
冬になれば
隣の芝生も枯れてしまい
それを見て喜んでも
現実は何も変わらない
誰かが失う事で
仲間意識を抱くかもしれない
それをきっかけに嫉妬から
解放されてギター片手に
過酷な日々の歌を
歌うのも楽しいかもしれない
時には青臭いブルースを
奏でるのも良いだろう
どれだけ人生の数が増えても
行き着く先は未来しかない
今の不安は常に遠ざかり
昔の憂鬱もいつかは青くなる
お金を持たずに行けた
あの場所を思いだしたら
兆人にはなれなくても
いつか宇宙へも行けるはず