呼ばれてないけど
ドドドッどーんなんて感じで
死神を名乗る阿呆な奴が
夢枕に突然現れても
すんなりと受け容れて
あっさりこの世から消えたい
そういう決断を
待ってましたとばかりに
出来るような日々を
人生の後半では過ごしたい
何も早く死にたい訳ではない
ただ何となく死に際に
ジタバタと苦しみたくないだけ
どちらかというと
他人に好かれるのが苦手で
だからといって
嫌われたくも無いけれど
チヤホヤと周りから持て囃されるのが
ウザったくて仕方無い
そう書いてしまうと
お前はそんな人気者だったのかと
自問せずにはいられなくなる
ただ幼い頃から小学校くらいまでは
そこそこイケていた気もする
保育園では
女の子にちゅ~させて!と
追いかけ回さらたりと
モテた時期もあったくらい
まぁ全盛期が早過ぎて
その後の転落する体感が長過ぎて
半世紀近く経っても
グライダーで緩やかに下っている感じ
それはそれで気持ち良かったり
感情に流されながら
生きて来たからなのか
春夏秋冬が繰り返すのは
分かりきっているのに
真冬に夏を望んでみたりと
季節の流れに合わせれば
何も苦しくもないはずなのに
なぜか気持ちを優先しては
自ら絶望の中へ飛び込んでいた
そもそも雪の積もらない
よくある街から閉ざされた
里山へと移住をしてから
それまでの冬という季節感が消え
痛みを伴う雪の季節を
こちらの意思とは無関係に
毎年数ヶ月は
過ごさなければならず
凍えた指先の痛みが
消えていくように
上手く冬を感じられずに
夏の暑さから解放され
ホッとひと息ついていると
知らぬ間に秋と冬が
同時に通り過ぎて
ある朝カーテンを開けると
一面の銀世界に変わり
里山の山と畑と道と
点在する家々の見慣れた景色から
曇りの空なら
一面がオフホワイトになり
雲の中に浮かんでいるような
白く冷たい余白の中へ迷い込み
振り返ると
自分の足跡があり
まるでそれが帰るための
道しるべように感じて
少しだけホッとした
振り返る前の不安感
あのすべてを失った気分が
今も心の中に強固で冷たい氷像として
溶けることも無く残っている
周りに大人扱いされてから
満足するような見返りのある
職には就けず仕舞いで
その日暮らしに毛の生えた
そんな程度の日々を
未だに送っている始末
散々な目にも
たくさん遭ったけれど
寒中水泳のように
氷点下の気温の下から
水に入ると一瞬
温かく感じるように
第一印象派だからなのか
ほんの一時の温もりに騙されて
直後から来る激痛の伴う絶望感を
上手くやり過ごせてしまい
身体の内側から湧き出るホルモンが
作用するまで待ててしまう
作用がはじまれば心の氷像が
周りの冷たさを麻痺させてくれる
そのおかげで
喉元過ぎれば何とやらで
振り返る度に娯楽にも変わるから
裕福にならなくとも
退屈も凌げるものだから
続けられているのかもしれない
歳を重ねる毎に
絡まった糸を解すのが上手くなり
まるで凧揚げでもするように
あらゆる対象との距離を
適正に保つ事が出来るようにも
なったからなのか
飛び回るような感覚で
日々を乗り越えて
糸を切ってグライダーのように
飛び回っている気分
欲望と手を結び
退屈をあやしながら生きるという
面倒事が終わるのが死なのなら
その時に子守りから解放されるような
気持ちであれば
その願いも叶うかもしれない